2018年11月12日月曜日

不良集団:「半グレ」4団体トップ逮捕大阪で摘発強化

大阪府警が、暴力団組織に属さない「半グレ」と呼ばれる不良集団の摘発を強化している。少なくとも4団体のリーダー格を10月までに逮捕。表立った活動が難しくなった暴力団が半グレを隠れみのにしているとの指摘もあり、府警は一部の団体を「準暴力団」と認定している。中学生が所属する団体もあるとされ、府警は実態解明を進めている。「半グレ」は「半分グレている」が語源とされ、暴走族の元メンバーらが結成。飲食店の経営などを手掛ける一方、メンバーらが関わったとされるトラブルや事件が後を絶たない。
「おまえが当たってきたせいで財布をなくした。21万円払え」
昨年9月、大阪・ミナミの路上で通行人が因縁を付けられて暴行を受け、金品を奪われる事件が4件相次いだ。府警は今年3月以降、大阪市内の無職の男(24)ら8人を強盗致傷などの疑いで逮捕。男は50~60人が所属する半グレ集団「軍団立石」のリーダー格だった。府警は6月にも、半グレ集団「米谷グループ」のリーダー格の男(38)を威力業務妨害などの容疑で逮捕。暴力団へのみかじめ料の支払いを拒んだ飲食店従業員を脅したとされ、男は調べに「暴力団と懇意に付き合っている」と供述した。9月には20代の男性を監禁したとして、別の半グレ集団のリーダーの男(42)が、暴力団幹部とともに逮捕されている。暴力団対策法は指定暴力団の組員によるみかじめ料の要求などを禁じ、中止命令に反すれば刑罰の対象になるが、半グレは対象外。府警は、暴力団が半グレを利用することで同法の規制を免れようとしているとみている。半グレの中でも、府警が「準暴力団」として警戒しているのが「アウトセブン」「アビス」の2団体だ。府警は9~10月、アウトセブンのリーダー格の男(34)を保険金詐欺などの容疑で計3回逮捕。この団体は格闘技団体の元メンバーらで構成し、ミナミを拠点に100人以上が所属しているという。一方、数百人が所属し、最大規模と言われるのがアビス。捜査関係者によると、中学生を含む10代の男女が多数所属し、一時アウトセブンと対立していた。飲食店の客引きで収益を上げているとされるが、詳しい実態は分かっていない。半グレに詳しい元暴力団組員は、「締め付けが厳しい暴力団に代わり、半グレはみかじめ料の徴収や売春、特殊詐欺などのシノギ(稼ぎ)を拡大させている。摘発されても、名前やメンバーを変えて残り続けるだろう」と指摘する。
毎日新聞 / 2018年11月10日 11時42分

2018年11月10日土曜日

民営化で料金5倍に? 「水道水」がコーラよりも高くなる日

今国会での成立が確実視されている「水道法改正案」。さすがに、市民の生命に直結するだけに、自民や公明の内部からも反発の声が上がっている。新潟県議会では自民党議員までも水道法改正案に反対する意見書に賛同している。法案では上下水道施設は行政が所有し、運営権を民間に委託する「コンセッション」(官民連携)方式をとるが、事実上の民間への丸投げ。現場からも厳しい声が上がっている。
「水道事業は人口減少で利益が減る一方。民間に委託したら、利益のために水道料金を上げるのは確実。結局、市民にしわ寄せがくるだけですよ」(水道事業に詳しい自治体関係者)
法案が成立すれば日本中の水道事業が海外の巨大水道会社に食い荒らされる恐れがある。すでに浜松市は昨年10月、下水道部門の運営権を水メジャーの最大手、仏ヴェオリア社を中心とする「特別目的会社」に約25億円で売却している。水道を民営化するとどうなるのか。1997年、フィリピンのマニラでは水道料金が5倍になり、99年、アメリカのアトランタでは蛇口から茶色い水が出たという。水道料金が高騰するのも間違いないだろう。コーラより高くなるという冗談のような話まで出てきている。南アフリカでは、料金の高騰で1000万人以上が水道を利用できなくなった。こうした事態を受けて、世界では民営化した水道事業を再度公営化している。英国の調査機関によると、2000年からの15年間に世界37カ国で235の水道事業が再公営化された。日本だけが十分な議論や説明もないまま民営化を進めるという異常事態。この異様な状況について政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「自分の実績づくりのために、市民の命に関わる重要な水道事業を十分な説明もないまま勝手に民営化させる。安倍独裁体制の最たるものです」
市民の命に関わる水道民営化を拙速に決めるなんて、もってのほかだ。
日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年11月10日 9時26分

安倍政権の6年で「弱肉強食が進み庶民は転落」と専門家、我々に明るい未来なし?

「長さゆえの慢心はないか」
先月24日に始まった臨時国会の所信表明演説で、そう自問した安倍首相。「1強に陰り」「求心力低下」と言われながらも、第二次安倍政権が発足してから6年10か月が経過。さらに、2021年までの「戦後最長政権」が視野に入る。長さゆえに忘れられがちな公約、さまざまなスローガン、鳴り物入りで始まった政策って結局、どうなった? まずは景気や経済について、あの人と見ていこう。
「トクしたのは大企業と富裕層316万人だけ」
2012年末に自民党が政権与党に返り咲いて以来、鳴り物入りで進められてきたアベノミクス。あれから6年、私たちの暮らしはどう変わってきたのだろうか?民主党政権時と現在を比べると、平均給与が上がり、株価も円相場も持ち直して、経済が上向いているかのように見える。実際、景気を数値で表す景気動向指数はバブル期を超え、その長さは、来年1月まで続けば戦後最長を更新するという。
経済アナリストの森永卓郎さんが解説する。
「財政・金融政策については、安倍政権は、ほぼ正しいことをやったんです。金融緩和で市場に出回るお金の量を増やした結果、経済の指標が劇的によくなりました」
第2次安倍政権の発足前、日本経済はボロボロだった。「日経平均株価が8600円ぐらい。いまの2・5分の1ぐらいでしたが、回復しました。労働市場もひどい状況だったのが、有効求人倍率は倍ぐらいにまで上がり、いまや人手不足の状況に。為替レートも、民主党政権の末期には79円だったのが、110円台まで戻っています」一方、物価はじわじわと上がり、家計に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」も上昇。平均給与も上がってはいるものの、その伸びは物価の上昇に追い付いていない。「国内総生産(GDP)という経済のパイは7%も大きくなりましたが、実質賃金は4%ほど下がった。パイが大きくなったのに、分け前はむしろ減っている。なぜか? ごく一部に、お金が滞留したからです」
内部留保は過去最高に
企業が利益を貯め込む「内部留保」は417兆円を超え、過去最高に。「さらに、現金・預金もため込んでいる。財務省の法人企業統計によると、その数、およそ200兆円以上。とてつもない額を握り込んでいる」蓄えが社員に還元されることはめったにない。企業が稼ぎを人件費に回す割合を示す「労働分配率」は下がり続け、'17年度は66・2%と、43年ぶりの低水準に落ち込んだ。「企業の優遇はまだある。民主党政権だった2010年、法人実効税率は40%台でしたが、いまでは20%台まで下がっています」そんななかで現れた“ハゲタカ・ファンド”は、不良債権を抱えた会社を二束三文で買いたたき、荒稼ぎをしている。「フランスのコンサルティング会社が毎年、『世界富裕層報告』という調査レポートを出していますが、その最新版で日本は世界2位。1億1000万円以上の投資資産を持つ富裕層が、全国に316万2000人もいるというんです。その大半がハゲタカ。アベノミクスのもうけは、彼らと大企業へ集中しています」
一方、痛手を負っているのが地方経済だ。
「地方の疲弊ぶりはすさまじいものがある。TPP(環太平洋経済連携協定)でもずいぶん押し込まれて、農産物のうち51・3%が即時関税撤廃になりました。さらにアメリカのトランプ大統領は一層の譲歩を迫っています。弱肉強食が進んで庶民は転落、そこからの逆転が難しくなった。それが安倍政権の6年間で起こったことです」そんななか、来年10月には消費税10%への引き上げが待ち受ける。森永さんは「おそらく参院選の直前にとりやめると思う。野党が増税反対で足並みをそろえているので」としながらも、もし上がるとしたら「中小企業はバタバタつぶれますよ」と断言する。「'14年に消費税を3%引き上げたときは、消費が3%落ちて冷え込んだ。今度もそうなるでしょう。カード決済すればポイント還元する案が出ていますが、中小零細企業では、カード会社に5%ぐらい手数料で持っていかれる。売り上げが減るし入金も先になるので、資金繰りが苦しくなります。中小企業をつぶすぞと言っているのも同然です」
日本の軽減税率はインチキ
増税の痛みが襲いかかるのは庶民も同じ。とりわけ消費税には、低所得者ほど負担が大きいという問題がある。それをやわらげるために、初めて「軽減税率」制度が導入される予定だが、「税率が8%に据え置かれるだけで軽減になっていません。インチキです。例えばイギリスでは、食料品も、公共交通機関の運賃も0%。新聞代にもかからない。生活必需品にはかけないというのが本来の軽減税率なんです」消費税を引き上げるにあたり、安倍首相は「社会保障の維持」を理由に挙げている。「そもそも、消費税で社会保障費をまかなおうというのが間違いです。厚生年金も健康保険も、社会保障に関しては労使で折半しているのに、消費税を払うのは消費者だけ。企業は負担しないで、むしろ還付金を受けている立場です。社会保険料の企業負担をスウェーデン並みに増やし、法人実効税率を40%台に戻せば、莫大な税収が入る。そうすれば消費税は下げられます」安倍政権の6年間を経て、日本はどこへ向かうのだろうか。
〈PROFILE〉
森永卓郎さん ◎1957年生まれ。経済アナリスト。獨協大学教授。東京大学卒業後、三和総合研究所(現・三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)等を経て現職。テレビやラジオ、雑誌ほか各メディアで活躍

週刊女性PRIME / 2018年11月9日 17時0分

リボルビング払いはもったいない!?ローンとお金の話

クレジットカードが浸透し、現在では支払方法が多様になり、便利になっています。しかしその半面、収入に見合わない買い物をしてしまったり、月々の支払額が多額になったりするという問題も起こっています。健全なライフプランのためには、借金やローンは少ないに越したことはありません。ここでは「健全」をテーマに借金の話を中心にお送りしましょう。
■知らないと損をするリボ払いの利率
手持ちの資金がない場合、ついついクレジットカードのリボルビング(リボ)払いを利用してしまう人もいることでしょう。しかし、リボ払いは、実は損な支払い方法ということをご存知でしょうか。なぜリボ払いが損かというと、まず、利息が非常に高いことがあげられます。現在、利息制限法が定める上限金利は元本の額が100万円以上の場合は15%ですが、ほとんどのリボ払いの利息は、この15%かそれに近い金利が設定されているのです。2018年1月現在、大手の金融機関の定期預金金利がほぼ0.01%であることを考えれば、15%というのは高い数字であることがわかります。もう一つ、リボ払いでは支払いが長期化する恐れが高いことがあげられます。月々1万円ずつの返済と聞くと、計画的な支払いができるように感じるかもしれませんが、30万円の品物を購入した場合、利息がつかなくてもすべて払い終えるまでには30ヵ月かかります。2年6ヵ月という期間になりますが、もちろん、通常ならばその間ずっと利息がついていくことになるのです。
■借金は雪だるま式に……
ローンは、返済が滞って時間が経てば経つほどその利息が膨らんでいくため、雪だるま式に返済額も増えていくことでしょう。少し難しい用語ですが、「複利」という言葉があります。複利とは、その期間に元金についた利息にも次期の利息がつくことです。たとえば、100万円のローンを10%の金利で組んだ場合、1年後には10万円の利息がついて110万円になります。そして返済が滞れば、2年後はその110万円の10%である11万円の利息がつくのです。このように、複利で増えていく借金やローンは、時間が経てば経つほど支払額が増えていくことになります。
■ローンがあるなら、まずは借金の返済を優先
健全なライフプランを考えるうえで、借金やローンというのはできるだけなくしたほうが良いでしょう。現在は低金利の時代のため、ローンを返すよりも資産運用をしたほうが効率的なのではないかという話も聞きますが、たとえば3%のローンを組んでいる場合、ローンを返済せずに資産を5%で運用するほうが果たして良いのでしょうか。実はこの比較は単純に行うことができません。なぜなら、投資はリターンとリスクを総合的に考えて判断する必要があるからです。仮に期待リターンが5%と7%の投資信託が2種類あったとします。5%のほうは比較的情勢が安定している先進国を対象としたファンドで、7%の期待リターンが見込まれるほうは、新興国を中心としたものとします。この場合、新興国に投資をしたファンドのほうがリターンは大きいのですが、当然、情勢の変化でその価格が大きく上下することもあり得ます。よって、2つのファンドは投資額やリスク許容度など、各々でさまざまな面から判断することが必要でしょう。さて、ローンと資産運用も同じように判断することが必要です。資産を5%で運用できれば、3%のローン返済より投資効率は高いのですが、当然リスクも生じます。一方、3%のローンを返済するだけでは大きく資産を増やすことはできないかもしれませんが、ローンを集中して返済するということは、必ず3%の金利を減らしていけるということであり、堅実な投資方法ともいえるのです。
■資産運用は、借金完済後のほうが効果が見られる
ライフプランを健全に保とうとする場合、リボ払いはできるだけ避けたほう良いですし、借金やローンも極力少ないに越したことはありません。そして、15%の利息を長期間払い続けるリボ払いが、いかに消費者にとって損なローンであるかも理解できたのではないでしょうか。もし高い利息のローンがあるなら、まずそれを返済し、そのあとに資産運用をはじめるという順番がいいでしょう。借金やローンがある状態で資産運用を考える場合は、リターンとリスクを考える必要がありますが、借金を返済してから資産運用をはじめるという順序を踏むと、投資額も増やせ、高い複利効果も期待できます。まずは確実に借金を返済し、健全な家計を目指してみるといいでしょう。
(提供:フィデリティ投信)


ZUU online / 2018年11月9日 19時30分