2020年3月11日水曜日

外貨預金の仕組みとメリットデメリット(リスク含む)について

○外貨預金とは
外貨預金とは銀行預金の1種であり、「金利」「為替」の両方で利益又は損失を獲得する預金である。
○外貨預金と税金
金利に対する税金:源泉分離課税(普通預金の金利と同じで確定申告する必要なし)
為替差益に対する税金:雑所得となり、総合課税が適用される。なお、給与所得者は、年間給与収入が2000万円以下で給与所得や退職所得以外の他の所得の合計額が20万円以下の場合は申告の必要がない。
為替差損に対する税金:税金は課税されません。
○外貨預金のリスク
・為替リスク
為替差益が得られる可能性がある反面、為替差損が発生する可能性がある。
・ペイオフの対象外である
これは意外と知らない人が多い。外貨預金は例え日系銀行であってもペイオフの対象外である。
・信用リスクがある
「そこの国の通貨や国債の信用性が低いと信用が低い可能性がある(カントリーリスク)」「銀行の破綻リスクがある(これはペイオフの対象外であるということと同じである)」の2つですね。「そこの国の通貨や国債の信用リスク(カントリーリスク)」「銀行の信用状態」については投資格付け会社のサイトを見て欲しい。
ムーディーズ:https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx
S&P:https://www.standardandpoors.com//ja_JP/web/guest/home
・流動性リスク
外貨預金の定期預金(定期預金の場合、一般的には中途解約ができません)の場合、「途中解約が一般的にできない場合がある(これは銀行にもよるし通貨にもよるのかもしれないが)」「仮に途中解約できても解約手数料等の兼ね合いで大幅な損失をしてしまうことがありうる」ということがある。これについては契約時に銀行で確認をして欲しい(逆に確認できないならやめた方がいい)。それと市場におけるその国の通貨の取引量が少なければ「円から外貨に換金できない」「外貨から円に換金できない」ということになりかねない(これは投資格付け会社のホームページ等では確認出来ない)。
・カントリーリスクがある
戦争やテロなど、政治や社会・経済状態の変化によって為替市場が混乱に陥り、投資した分の資産が回収できなくなったり大きな損害を被ることになってしまう危険性のことを「カントリーリスク」と言います。金利が高いという理由だけでその外貨を投資先として選ばない人が多いのは、このカントリーリスクを考慮してのことです。どのような形の投資においてもリスクは付きものですが、外貨を選ぶ際には金利だけでなくその国の情勢についてもしっかりとチェックしなければなりません(これが出来ないのなら外貨建ての金融資産を所有してはいけないですよ)。
○メリット
・金利だけでなく為替差益が得られる可能性がある。
・円建ての預金より金利が高い可能性がある。
これはあくまでも可能性です(銀行のホームページ等で確認して欲しい)。そこの国の経済情勢によっては高い可能性があるが日本と余変わらない可能性もある。
○デメリット
・為替差損が発生する可能性がある。
為替レートによっては為替差損が発生し、金利を考慮しても元本割れが発生する可能性がある。
・為替手数料が発生する。
円から外貨に換金する時と、外貨から円に換金する時に発生する。為替差損が発生しても為替差益が発生しても必ず為替手数料が2度発生する。

○外貨預金の落とし穴 -高金利キャンペーンについて注意しておきたいこと-
このように様々なメリット・デメリットがある外貨預金ですが、ここで、多くの人が陥りがちな外貨預金の落とし穴について解説します。今から外貨預金を行おうとしている方は、どの銀行を利用するか検討する際に、「金利がずば抜けて高い金融機関」を発見することがあるかもしれません。こうした場合、高金利キャンペーンの数値を提示しているものがほどんどですが、そこに落とし穴があります。高金利キャンペーンの落とし穴はその「適用期間」です。提示されている金利が適用されるのはわずか数ヶ月で、利息の全額を考慮すると微々たる合計にしかならない…というものが実際かなり多いのです。キャンペーンの数字に踊らされるのではなく、どれくらいの利息を年間で受け取れるのか冷静に計算し、どの金融機関を利用するか決めるようにしてください。