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2026年5月19日火曜日

サムライ債、ショーグン債ってなに?

 サムライ債やショーグン債という言葉を聞いたことがありませんか。今回はその説明をします。

〇サムライ債とは

サムライ債(サムライさい、Samurai bond)は外国債券(外債)の一種であり、日本に居住していない海外の発行体(国際機関、外国政府・政府関係機関、外国民間企業)が、日本国内市場で募集(公募)・発行する円建て債券。日本を連想する言葉として「サムライ」の名があてられており、正式には円建外債という(※ただしより厳密には、広義の円建外債には、サムライ債には含まれない、例えば中国企業が米国内で募集するような債券も含むため、1対1の関係ではない)。発行時に日本円で払い込み、利払い・償還金も日本円で支払われるのが一般的だが、利払いを外貨にするエイバース・デュアル債、償還金を外貨にする順デュアル債などもある。日本法を準拠法とし、金融商品取引法に則って開示書類を作成し、原則として債券管理会社を設置する。

・概要

サムライ債の発行者側から見た利点としては、日本市場の規模の大きさからして巨額の資金を比較的低利で調達できる点、資金調達手段を多様化できる点があるが、欠点として日本市場特有の流動性の低さなどがある。日本国内の投資家側から見た利点としては、円建てであることから為替リスクが無い点、日本国債や日本企業の社債に比べて金利が高い点があるが、欠点として発行主体が海外にあるため信用リスクを評価しづらい点がある。最初のサムライ債は、1970年12月にアジア開発銀行が発行した60億円の債券であり、その背景には国際収支の黒字拡大と外貨準備の急増があった。当初は国際機関や政府機関などの公的機関によるストレートボンドのみだったが、1979年からは民間企業による起債が始まり、1996年には発行体の格付規制が撤廃されて途上国からの起債が活発化するなど、発行体や商品性の多様化が進んでいる。2001年にはアルゼンチン政府が起債したサムライ債が事実上デフォルトとなり、リスクの高さが改めて浮き彫りになった。

〇ショーグン債とは

海外の発行体(政府、企業、国際機関など)が日本国内で募集・発行する外貨建て債券のこと。正式には「東京外貨建て債」と呼ばれており、元本の払込み、利払い、償還などは全て外貨建てで行われます。当然為替差損益が発生するというリスクがあります。



2026年3月17日火曜日

整理銘柄、監理銘柄って何?

 よく株式投資欄を見ていて整理銘柄、監理銘柄という言葉が出てきますが解説します。

〇整理銘柄

証券取引所が定めている上場廃止基準に該当し、上場廃止が決定された銘柄のことです。 東京証券取引所では、2008年1月15日より「整理ポスト」という表現の使用をやめ、「整理銘柄への指定」としています。上場有価証券の上場廃止が決定された場合、原則として、1ヵ月間「整理銘柄」に指定し、その事実を投資家に周知させ、投資者が整理銘柄の売買を行うことができるようにしています。


〇監理銘柄

上場銘柄が上場廃止基準に該当するおそれがある場合に、投資家にその事実を周知するため、証券取引所により指定された銘柄のことです。


〇特設注意市場銘柄

有価証券報告書等の虚偽記載、不適正意見や、上場契約違反等の上場廃止基準に抵触するおそれがあったものの、金融商品取引所による審査の結果、影響が重大とは言えないとして、上場廃止には至らなかった銘柄のうち、内部の管理体制等の改善が必要で、継続的に投資家に注意喚起するために取引所が指定している銘柄のことを特設注意市場銘柄と言います。これに指定された銘柄は、「特設注意市場」に置いて、通常銘柄とは区別されて売買取引が行われます。



NISAのメリットデメリット

 〇NISAってどんな制度なの?

NISA(ニーサ)とは、少額からの投資を行う人のため2014年からスタートした「少額投資非課税制度」のことで、購入した金融商品(株式・投資信託など)から得られる利益がまるまる非課税になる制度です。


〇NISAのメリット

メリット①投資で得られた運用利益が一生涯非課税

本来、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、これらを売却して出た利益に対して約20%は税金でもっていかれてしまうのですが、NISA口座で投資した場合、税金がかからないため利益をまるまる受け取ることができます。

メリット②金融庁の基準を満たした商品に投資できる

NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の定める基準を満たした商品のみです。いずれも「長期・積立・分散投資」に適した、低コストの商品が揃っています。

世の中で購入できる投資信託は6,000本以上もありますが、品数が絞り込まれているので、投資初心者でも選びやすいのがメリットです。

メリット③少額から気軽に資産運用ができる

少額から投資を始められるのもNISAの魅力の一つです。金融機関によっても変わりますが毎月100円から投資できる商品も沢山あります。

1,000円、1万円など、生活に負担をかけない範囲で長期的に資産形成を目指すことができます。


〇NISAのデメリット

デメリット①選べる金融商品が限定されている

NISA口座では株式や投資信託など、一定の条件を満たす商品しか購入できず、一般の証券口座と比べて選択肢が狭くなるため、自由に商品を選びたい人には制約と感じられることがあります。

デメリット②NISA口座は一人一口座、一つの金融機関でしか開設できない

お得なNISA口座ですが、開設できるのは一人につき一つの口座までである点には注意が必要です。

また、一つの金融機関でしか開設ができないため、複数の金融機関でNISA制度を使用するということはできない点に気を付けましょう。

デメリット③元本割れの可能性もある

前提の話となりますが、NISAで購入できる商品は投資信託、ETF、株式などになります。iDeCoのように定期預金などを選択することはできないため、NISAを利用する際には元本割れの可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。

デメリット④NISA口座は損益通算や繰越控除ができない

一般的に、複数の口座で投資信託等の商品を購入して運用を行っている場合、利益から損失を差し引くことで、税金がかかる所得を減らすことが可能です。これを損益通算と言います。しかし、NISA口座で運用している分は他の特定口座や一般口座での運用分と損益通算することができません。従って、他の口座と損益通算をしようとして、NISA口座での運用資産を慌てて売却してしまわないように注意が必要です。また、損益通算を行ってもなお、損失がでてしまうという結果になった場合には、その損失を翌年以降最長3年間にわたって繰り越して利益と相殺することができる、繰越控除というものがあります。

デメリット⑤年間の投資上限がある

NISAの投資上限の総額は1,800万円であり、年間に投資できる金額の上限も決まっています。最大で、つみたて投資枠と成長投資枠を両枠合わせて年間360万円までが一年間で投資できる金額の上限となります。従って、手元に例えば500万円があるとして、それを今すぐNISAで運用したいと思っても、500万円を一括で投資することはできません。360万円と140万円に分けて2年間かけて投資を行うなど、年間上限額を超える場合には、何年かに分割をして投資を行う必要があります。

デメリット⑥債権を購入できない

購入した金融商品(株式・投資信託など)から得られる利益がまるまる非課税なので債権から得られる利益(利息)は非課税にはできません。

デメリット⑦配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」とする必要がある

配当金の受け取り方法には「株式数比例配分方式」「一括振込方式(登録配当金受領口座方式)」「配当金領収証方式」「個別銘柄指定方式」があります。

株式数比例配分方式:各証券会社にお預けの株式などの数量に応じて、配当金をお客様の証券口座で受け取る方法です。

一括振込方式(登録配当金受領口座方式):保有する全ての株式などの配当金を一つの銀行口座で受け取る方法です。

配当金領収証方式:発行会社から郵送される配当金受領証を、ゆうちょ銀行などの窓口まで持参し、配当金を受け取る方法です。

個別銘柄指定方式:ご指定の銀行口座などで配当金を受け取る方法です(銘柄ごとのお手続きが必要です)。

株式の配当金を非課税にするためには「株式数比例配分方式」にしないとだめなんです。これに指定するとNISA口座を持っていない証券会社の株式も全て「株式数比例配分方式」で受け取ることになります。配当金を銀行で受け取りたい場合は一括振込方式(登録配当金受領口座方式)にしておき、NISAでは投資信託を購入するようにすればよいと思います。





2025年12月8日月曜日

米国債について

 ネット証券等を利用しているのですが最近米国債に興味があり、色々調べてみました。あくまでも個人的意見ですので最終的判断は自己責任でお願いします。

〇米国債の種類

①償還期間が1年以下の短期債の「トレジャリービル」

②償還期間が1年超10年以下の中期債の「トレジャリーノート」

③償還期間が10年超の長期債(一般的に30年物)の「トレジャリーボンド」

の3種類あります。これ以外に

①トレジャリーノート

②ストリップス債券

の2種類があります。


〇米国債を購入するメリットデメリット

・メリット

日本国債より利息が高い場合がある。

為替差益が生じる場合がある

・デメリット

「為替差損が生じる場合がある」

為替の変動による利益または損失のことです。

「価格変動リスクがある」

債券も株式と同じように毎日価格が変動します。そして債券価格と金利は逆相関の関係にあり、金利が上昇する局面で債券価格は低下、金利が低下する局面では債券価格が上昇する傾向にあります。したがって米国債の購入後に金利が上昇し、債券価格が低下した局面で中途売却しなければならないときには、売却損が出る可能性があります。ただし債券は償還時には額面金額で償還されるため、金利上昇局面でも償還日が近づけば価格は額面金額に近づくという特色があります。

「政治的リスクがある」

米国は信用格付けも高く、また米ドルは基軸通貨として信用度も高いため、債務不履行になる危険性は少ないです。ただし最近では政治的な問題から一時的な債務不履行に陥る危険性が起きています。


〇米国債の種類と特徴

・トレジャリーノート

利付債券(利息が付く債権)のこと。

・ストリップス債券

ゼロクーポン債(利息は付かない)が割引価格(価格が安い)販売されており満期時に額面価格で償還される債券です。この額面価格と割引価格の差(償還差益)が利息になります


〇ストリップス債券のメリットデメリット

・ストリップス債のメリット

利付債は毎年(毎回)の利払いごとに税金が差し引かれますが、ストリップス債は償還時に一括で課税となるため、毎年(毎回)発生する利息を税控除なしで再投資するのと同様の効果があります。債券は支払われた利息を同じ債券に再投資することは難しいため、償還までの期間が長ければ長いほど、納税が後になるメリットは大きいでしょう。少額の利息を少しずつ受け取っても意味がないという方には向いているともいえますし、逆に、毎回の利払いを楽しみにしている方には向いていないのかもしれません。

・ストリップス債のデメリット

注意点としては、ストリップス債にはクーポンがついていないため、金利による価格変動の影響が利付債より大きい傾向にあります。昨日と今日では買付価格が異なることもありますし、既発債(外国債券は、一般の人が購入するほとんどが既発債で、すでに発行されているものを証券会社から購入する方法を取ります)のため、常に同じものがあるとは限りません。自分の条件に合う債券が見つかったら、その場で決断しないと翌日には買えない可能性もあります。また、途中売却するときには価格が変動しているため、利益が出ることもあれば、損が出る可能性もあるため、購入の際には、満期償還まで持つ前提で選択していただくことをおすすめします。


〇ストリップス債券の償還差益に対する税金

購入時の割引価格と額面との差額が「償還差益」として同じく20.315%で課税されます。 


2025年11月30日日曜日

MMFとは?MRFや一般的なファンドとの違いをわかりやすく解説

 投資家から集めた資金をひとまとめにして、専門家が運用をする投資信託。投資信託は運用対象や分配方法などによってさまざまな種類に分けられます。その中の一つに「MMF」という商品があることはご存知でしょうか。本記事ではMMFの特徴や投資するメリット・デメリット、一般的な投資信託との違いなどを詳しく解説します。どの金融商品に投資すべきか迷っている方は参考にしてみてください。

〇MMFとは?

MMFは外国投資信託の一種で、一般的な投資信託と比べると安全性の高い商品とされています。外貨預金やMRFとの違いなども含めて、まずは特徴を把握しておきましょう。

・MMFとは?

MMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、高い格付けの短期金融商品によって運用される投資信託のことです。米ドル・ユーロ・オーストラリアドル・カナダドルなどの外貨で運用されるため「外貨建てMMF」と呼ばれることも多くなっています。日本円で運用されるMMFは「マネー・マネジメント・ファンド」と呼ばれており、投資対象は似ているものの、外貨建てMMFとは別の商品です。日銀のマイナス金利が導入され、元本割れのリスクが出てきたため、運用難に陥ったMMFの繰り上げ償還が相次いだことから、現在円建てのMMFを買付することはできません。そのため、本記事では「外貨建てMMF」について解説します。MMFの主な投資対象は公社債やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金証書)などです。なお、CPとは、企業が1年未満の短期で資金調達するための無担保の約束手形のことを指し、CDは、第三者に譲渡可能な自由金利の大口定期預金のことを指します。MMFは基本的に株式を投資対象に含んでいない点が特徴であり、一般的な投資信託よりも安全性を重視した商品といえるでしょう。ただし、ほかの投資信託同様に、元本保証があるわけではなく運用実績によって利回りが変化する点には注意が必要です。また、売買手数料はかからないケースが多くなっています(為替手数料はかかります)。

〇MMFと外貨預金の違い

MMFと外貨預金は「外貨で投資する」という点は共通しているものの、MMFは外国投資信託の一種であるため、特徴には以下のように違いがあります。

・MMF

利回り:運用成果によって変動する。外貨預金よりも高い傾向あり

元本保証の有無:元本保証なし

換金性:いつでも解約可能

倒産時の資産管理:証券会社の資産と分別管理されるため、倒産時でも資産は保護される

為替手数料:外貨預金よりも低めに設定されていることが多い


・外貨預金

利回り:日々変動する

元本保証の有無:外貨ベースで元本保証あり(為替差損益はある)

換金性:いつでも払出し可能

倒産時の資産管理:預金保険制度の対象外のため、資産は保護されない

為替手数料:MMFよりも高めに設定されていることが多い


〇MMFとMRFの違い

MMFと同じような公社債投資信託として、「MRF」と呼ばれる商品があります。MRFは「マネー・リザーブ・ファンド」の頭文字を取ったものでMMFと基本的に投資対象は同じです。しかし、MMFは総合口座を開設した後に都度購入する必要があるのに対して、MRFは総合口座への入金を済ませると自動的に運用されるといった違いがあります。また、MRFのほうがMMFより短期(残存期間の短い)かつ信用リスクを抑えた債券やCP、CDなどで運用されているといった点も違いです。証券会社の中には、株式や投資信託などを購入するときにMRFを自動的に売却して買付代金に充当し、逆に売却したときは売却代金で自動的にMRFを購入するといった、いわば「投資資金の置き場所」として活用できるところもあります。

・MMF

名称:Money Market Fund

投資先:国外

買い付けの有無:自己の判断による買い付け

手数料の負担:あり(会社により解約手数料や為替手数料が発生)


・MRF

名称:Money Reserve Fund

投資先:国内・国外

買い付けの有無:自動で運用される

手数料の負担:なし


〇MMFと一般的な投資信託との違い

MMFは流動性を確保しつつ安定した収益を追求する金融商品です。そのため、短期の国債や地方債、社債などを投資対象とし、最低1,000?1万円程度から1円単位で購入・売却できるようになっています。ただし、外貨で運用されるため、為替の動きが損益に影響する可能性があります。一方、一般的な投資信託は株・債券・不動産など、銘柄によって投資対象が異なるため、リスク・リターンは銘柄によって大きな違いがあります。また、最低購入額はファンドごとに基準価額は違いますが一般的に1口1万円前後からで、投資対象によって日本円で運用するものと外貨で運用するものに分かれているのも特徴です。


〇MMFのメリットとデメリット

MMFにはほかの金融商品と同様に、メリットとデメリットがあります。投資すべきか判断する際の材料にしてください。

・MMFのメリット

MMFは株式と比べて価格変動のリスクが低い公社債などで運用されているため、大きなリターンを得ることは難しいものの、安定したリターンを期待できます。また、投資信託の分配金は元本に再投資されるため、利息が利息を生み出す「複利効果」を得やすくなる点もメリットです。外貨預金は元本に対してのみ利息が発生する「単利」で運用される商品が少なくないため、外貨預金よりもMMFの方が利回りは高くなる傾向があります。さらにMMFを円高のときに購入し、円安になってから売却すれば為替差益を狙うことも可能です。例えば1ドル=140円のときに140万円分(1万ドル分)MMFを購入したとしましょう。これを、1ドル=150円のときに売却すれば、1万ドル×150円=150万円になり、差額の10万円が利益となります。そのほかに、いつでも解約できる点もMMFのメリットといえるでしょう。

・MMFのデメリット

MMFは投資信託の一種であるため、元本が保証されている商品ではありません。例えば市場金利が上昇すると、ファンドに組み込まれている債券の価格が下落して、MMFの価格が下落する可能性があります。また、円安時にMMFを購入し、その後円高が進んでから売却した場合には、為替差損を被るリスクもあるでしょう。あるいは、ファンドに組み込まれている公社債の発行体が財政難に直面し、債務不履行に陥るリスクも考えられます。比較的リスクの低い商品とはいわれているものの、損失を出す可能性が全くないわけではありません。



2025年10月23日木曜日

楽天銀行エクステ預金について

 預入期間が延長される可能性があるかわりに、好金利の円定期預金(仕組預金)です。 当初の預入期間は1年ですが、1年ごとに預入期間を1年延長するかどうかを当行が判断します。「15年もの」の場合、最長15年まで延長される可能性があります。原則として中途解約ができません。

分かりやすく書くと「預入期間1年~15年(預けた時点では何年になるか不明)」「1年ごとに銀行が預金を続けるか返金するか決める」「最長で15年まで出金できない可能性がある」「途中解約はできない」なんです。

〇リスク

・資金が拘束されるリスク

楽天エクステ預金にお金を預けると15年間にわたりお金を引き出せない可能性があります。ちなみに普通の定期預金と違い解約はできません。商品の詳細説明に『この預金の中途解約はできません』と記載されています。

・楽天エクステ預金の利回りは高いの?

「15年間使う予定がないなら、高利回りで預けられてお得でしょ?」と思われた方がいるかもしれません。「いや、15年後に金利が下がっていれば儲かるじゃないか」と思いましたか?しかし、そう思った方は楽天エクステ預金の仕組みを理解できていません。「私たちが得する金利になると返金される」という顧客に有利な金利は銀行にとって不利な金利です。延長なんかせず途中でお金を顧客に返してしまうでしょう。楽天エクステ預金の『1年ごとに返還か判断…』は「銀行に不利な金利になったら契約を終わりにしますよ」というだけなのです。

〇「楽天エクステ預金の預入期間は金利で決まる」

なお、私は金融機関の中の人ではありませんので、様々な書籍やネット情報を元にした推測であることはご了承ください。まず、大前提として預入期間は他の金融商品の利回りによって決まります。

・定期預金の金利が上がっても低金利がつづく

たとえば以下のケースで考えてみましょう。

定期預金:0.02%

楽天エクステ預金:0.6%

現在の市場金利だと楽天エクステ預金の0.6%は魅力的に感じます。しかし、これから金利が上昇し普通の定期預金が2.0%で預けられるようになったらどうなるでしょう。お金を0.6%の楽天エクステ預金より2%の定期預金の方がいいですよね。しかし、期間延長を決めるのは銀行です。途中解約もできません。私たち顧客は0.6%の低利回りで我慢するしかありません。

・私たちが有利になったら延長されない

では逆に市場の金利が下がったらどうなるでしょう。わかりますよね。銀行は高い金利を払い続けたくないのですから、預入期間を延長せず、さっさと返金してしまいます。私たち顧客は15年間0.6%の利回りで固定されるという特大のリスクを取って、楽天エクステ預金に投資しました。しかし、延長期間を決められる銀行だけが途中で「やっぱやめた」ができるのです。物凄い不公平な金融商品が楽天エクステ預金なんです。

・「短い期間でも高利回りを得たい」なんて思わないで!

ひょっとして「払い戻されても、高利回の期間は儲かるじゃないか?」と思われましたか。しかし、それは結果論です。楽天エクステ預金に投資する時点で15年間お金引き出せない『資金拘束リスク』があることを忘れてはいけません。また「金利の下落を予想するなら投資していいだろ」と思われたのなら、さらに危険な考えです。

・楽天エクステ預金は金融のプロが考えた金融商品

未来の金利予想は非常に難しいものです。そんな中で金融のプロの方々は全力で未来の金利を予想し、その結果を元に作られた金融商品が楽天エクステ預金です。そして金融商品は基本的に売る側(銀行)に有利に作られます。つまり、金利の下落を予想し楽天エクステ預金の早期払い戻しで利益を得ようとする行為は、「私は金融のプロより金利に詳しいです!」と言っているのと同じなんですよ。


〇楽天エクステ預金(ステップアップ)とは

楽天エクステ預金(ステップアップ)は、円定期預金に『JRE BANKの銀行サービス提供元である楽天銀行(以下、当行とする)が任意に預入期間を延長することができる権利』(以下「延長特約」といいます。)を組み合わせることにより、通常の円定期預金よりも預金利率を高く設定した商品です。預入期間は1年間です。ただし、当行が満期の延長を決定した場合には、預入期間は延長後満期日まで1年延長します。延長有無の判断は毎年行い、預入期間は最長で10年になります。預入期間が延長されるごとに金利が上がる。

※「楽天エクステ預金(ステップアップ)」は原則として中途解約できません。相続や差し押さえなど当行がやむを得ないと認めるもの以外は中途解約をお断りいたします。

※当行がやむを得ないと判断し中途解約を認める場合、元本割れする可能性が高くなります。

〇楽天エクステ預金(フラット)とは

楽天エクステ預金(フラット)および楽天エクステ預金(ステップアップ)は通常の円定期預金に「当行が任意に預入期間を延長することができる権利」(以下「延長特約」といいます。) を組み合わせた商品です。 延長特約を行使する権利は当行にのみ帰属し、お客さまに延長特約を行使する権利はありません(お客さまは満期日を選べません。)。全期間の金利が一定となる。

預入期間が短い場合は、フラット型の金利が有利となり、長くなるとステップアップ型が有利になります。

個人的にはエクステ預金はお勧めしません。僕自身楽天銀行に口座を持っていますがエクステ預金はやっていません。


2024年12月31日火曜日

自社株買をするメリットデメリット

 新聞をよく読んでいると「○○株式会社が自社株買をする」「今年自社株買をした金額が○○円だった」と言う話を聞きますね。自社株買をするメリットデメリットについて書きたいと思います。

〇自社株買いとは

自社株買いとは、企業が自社の株式を市場から買い戻す行為を指します。自社株買いを行うと、市場に出回る株式の数が減少するため、結果的に株価の安定・上昇の可能性が高まります。

○メリット

1、1株当りの純資産額や当期純利益額が増える

「1株当りの純資産額や当期純利益額」は発行済株式数から自己株式の株式数を引いた株式数で計算するため、自社株買をすればするほど1株当りの純資産額や当期純利益額は経営状態が同じであれば増えることになる。

2、株価が高くなる可能性がある

株価とは会社の業績だけでなく流通している株式数等によっても左右される部分があるため、業績が良くて自社株買をすれば株価が上昇する可能性がある(あくまでも可能性)。

3、株主への利益還元

自社株買を行うと前述の通り株式数が減り、株主にとっては1株当たりの利益配分が増えるため、間接的に 株主への利益還元 につながります。

4、財務体質の改善

株式数が減少することで、これまで株主に支払っていた配当金の支払い額も減少します。その結果、企業の財務体質改善という効果が期待できます。

5、敵対的買収リスクの低減

市場から買い戻すことで自社株の持ち株比率を高め、敵対的買収など外部から買い占められるリスク低減への対応策として自社株買いが行われる場合もあります。

6、ストックオプションへの活用

ストックオプションとは、自社株をあらかじめ定めた価格において購入できる権利を指します。このストックオプションで付与するための株式の調達方法として、自社株買いを用いるケースがあります。従業員は自社株を取得することで株主になり、業務をとおして企業価値を高められれば、個人資産を増やすことが可能です。企業への貢献や自身の働くモチベーションの向上にもつながることが考えられます。

7、非上場株式の現金化

非上場企業の場合、株式を保有する個人株主が相続などにおいて株式を現金化したい場合、企業に対して株式の買い戻し請求を行い、現金化するケースがあります。

企業側にとっては株主数が減少するため株主の管理がしやすく、株式の分散化を抑制できるという効果もあります。


○デメリット

1、自社株買をするために株主総会の決議が必要である

自社株買を行うにあたって株主総会が必要になるので会社側にとって手続きが増えることになる。

2、処分可能額以下の金額でなければ自社株買いが出来ない(業績が悪く配当可能額が少なければ自社株買いで切る金額も限られてくる)

3、株価が高いと当初予定していた株式数を自社株買出来ない場合がある

処分可能額(配当限度額)内でなければ自社株買が出来ないため、自社株買をする時に株価が高いと当初期待していた金額の自社株買が出来ても株式数を取得出来ない場合がある。

4、自社株買をするための資金が必要である。

自社株を市場から購入するための資金が必要になってくる。そのための現金預金があればよいのだがなかった場合、銀行等から資金を調達する必要が出てくる。企業の業績がよく投資格付け等がよければ資金調達できるが、調達できなければ自社株買自体出来ないことになる。

5、自己資本比率の低下

自社株買いは、手元のキャッシュ(自己資本)を使って行われるため、自己資本比率(自己資本÷総資本)が低下します。自己資本比率が低下することで財務リスクがあると見なされ、株主や投資家から懸念を持たれる可能性があります。

6、企業の成長を阻害

自社株買いは計画と実行に多くの時間や経営リソースを要します。企業はこれらのリソースを自社株買いに充てることで、他の重要な業務や戦略的な活動に割くことができなくなり、成長を阻害する可能性も考えられます。

7、取得した株式の処分で株価下落の可能性

自社株買いによって取得した自己株式の取扱い方法は、「資産として自社で保有」「売却して処分する」「消却」の3つがあります。

処分した場合、売却資金を獲得できる一方、売却した株式は市場に戻り、発行済株式総数が増える(元に戻る)ため1株当たりの利益は減少します。そのため株価下落の可能性も考えられます。

8、処分・消却には手間とコストがかかる

自社株買いで取得した株式の処分や消却には、手間とコストがかかるというデメリットがあります。企業が自社の株を買い戻したあとは、保有、消却、売却、などが考えられますが、処分する場合には手続きや費用が伴います。消却する場合は株主総会の承認や登記が必要となり、ある程度の時間と手間がかかります。

またストックオプションとして使用する場合(自己株式の処分)には、従業員に対するインセンティブとしての評価や、行使価格設定における慎重な検討が必要になるでしょう。


○その他

自社株買をするのは良いのだが、自社株買した株式をその会社がどのように活用しようとしているのかと言うことも見ておく必要性がある。買取った株式を「消却する予定なのか」「M&Aに活用するのか」「ストックオプション等に利用するのか」と言った方向についても見ておく必要性がある。


信託口って何?

 よく株式の主要株主の欄を見ていると「日本トラスティサービス信託口」「日本マスタートラスト信託口」と言う言葉を見たことがありませんか。ここで言う信託口とは「投資信託」「年金(厚生年金や国民年金)を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人のこと)」「企業年金」が信託銀行を通じて資金の運用をしていることを示すことを示す表示なんですよ。こういう「投資信託」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」「企業年金」の場合極端に問題があり、信用力の低い会社に投資していることはありません。但し、誤解しないでほしいのは「信託口」が株主になっている会社が絶対に倒産しないとか、問題の会社だと言っているわけではありません。あくまでも当市は自己責任という前提で行う必要性はあります。


デットエクイティスワップとは

 デットエクイティスワップという言葉を知っているだろうか。あまり聞いたことがない人が多いのでメリットデメリット等を含めて説明させてほしい。

○デットエクイティスワップとは

債務の株式化のこと。デット(=債務)とエクイティ(=株式)をスワップ(=交換)することをいう。デットエクイティスワップとは銀行等貸付金を持っている企業が貸付金を資本に変え(借入金等の融資を受けている会社が借入金を資本に変え)て財務体質を改善したり事業再生を行ったりする場合に行われる金融取引です。事業再生や財務体質改善だけでなく金融支援や不良債権処理等の一環として行われる場合もあります。


○銀行側のメリット

・不良債権が形の上で減少する

・株式を取得した会社から配当金が入ってくる

・株式を取得した会社の経営が改善して株価が上がればその時に売却して売却益が得られる


○銀行側のデメリット

・融資先(貸付先)からの受取利息が減少する

・もし株式を取得した会社の経営が悪くなれば(経営再建が出来なければ)配当金が入ってこないだけでなく株式が紙くず同然になるリスクがある(こうなれば株式を減損処理しなければいけないだけでなく金融機関の信用問題になる可能性がある)

・債権よりも回収順位が後回しになる

債権と株式を比較した場合、債権の方が回収できる順位が早く、株式は後回しとなります。さらに、本来回収できるはずのキャッシュを、株式に交換したことで回収できなくなるリスクがあります。


○企業側のメリット

・借入金が減少し資本が増えるため、自己資本比率が向上する

・支払利息を減らすことが出来る


○企業側のデメリット

・金融機関や取引先から役員が送り込まれることがあるため、経営の自由度が下がる(役員が送り込まれなかったとしても金融機関等の株主から色々株主総会で追求される可能性がある)

・株式数が増えるため、1株当りの「当期純利益額」「純資産額」が減少する


FIREになるメリットデメリット

 ○FIREとは

経済的に自立して早期退職を目指します。FIREは資産運用や節約によって資産を築き、働かなくても自由に暮らせる生活を実現することを目指しています。

・従来の早期リタイアとの違い

FIREも従来の早期リタイアも、定年よりも前に退職することには変わりありません。しかし、大きく異なるのが、リタイア後の暮らし方についてです。従来の早期リタイアでは、退職金やそれまでの貯蓄を切り崩しながら生活を送ることが一般的です。リタイア後の生活が長くなるほど資産が目減りしていくため、早期リタイアの実現には多額の資産を用意しなければなりません。一方、FIREでは資産運用で得た不労所得をもとに生活を送ります。リタイア後の生活費は資産運用による利益や配当金でまかなうため、一定の資産を減らさずに生活ができることが魅力のひとつです。もちろん生活費をまかなえるだけの投資元本を築く必要はあるものの、早期リタイアほどまとまった資産を準備する必要がないといえます。


○FIREになるメリット

・自分のペースで生活が出来る

・自分の自由な時間が出来る

・自分のやりたい事で生計を立てることが出来る

・嫌な人と顔を合わせなくても良いことがある

・生活する場所を好きに選べる


○FIREになるデメリット

・社会的信用性がない

銀行から融資を受けたりクレジットカードを作る時に職業が何か聞かれる事があるが無職扱い(又はそれと同等の扱いになる)ため、断られる場合がある。賃貸物件を借りたり結婚したりする時にも社会的信用がないため借りる事が出来ないことが多い

・職歴にならない

就職・転職する時に無職扱いになる(酷い場合にはニートや引きこもりと同等の扱いになる可能性もある)

・年金が国民年金のみになる

会社に勤務していれば厚生年金にも加入することになるが会社を辞めてFIREになれば自営業又は無職と同じなので国民年金だけに加入していることになる。そのため、老後に受け取る年金額も少なくなることになる。国民年金基金に加入したり確定拠出年金に加入したりすれば年金は増えるが、確定拠出年金の場合自分の運用成果によっては余増えない場合もある。

・ある程度の財産があってある程度以上の運用実績を上げることが出来なければ生活費に困ることがある

もともとある程度以上の財産がなければ運用等が出来ないしあっても運用益が少なければ生活が出来ないことは当然です。それに景気動向等によって運用実績も変わりますからね。

・資産運用等の基礎知識がなければ無理がある

・お金が必要な時に必要な金額のお金が手元になくて困る時が出てくることがある


○まとめ

たまに「本や雑誌(名前は出しません)を読んでFIREになって見たいと思った」と言う人がいるのかもしれませんがそういう事は考えない方がいい。勤務先の信用力を利用しながら副業をするとか株式投資をしてお金を稼ぐのが一番良いですよ。たまに「会社を辞めてぼろ儲けをしました」と言う人がいますがその逆もありますから。


2024年7月16日火曜日

NISA制度"改悪"で譲渡益に課税の悪夢…エコノミストが「老後はNISAを使ってはいけない」と断言するワケ

 老後にストレスフリーでお金を運用するにはどうすればいいか。エコノミストの崔真淑さんは「高齢者は一般口座や特定口座での投資に加えて、資産を『分散投資』することが大切。そのための具体的な対策がある」という――。

■運用資金は5年は使うあてのない金額にする

2025年の年金改正を控えて、「65歳まで保険料を支払う」、あるいは「支給開始年齢が70歳や75歳に引き上がる」といった案が出ていますが、今後、年金制度はどんどん“改悪”されていく可能性は高いです。前回も述べたように、おそらく年金だけで暮らすことは、非常に難しくなるでしょう。年金だけで暮らせないとなると、働くほか、「運用する」ことを考えていかなければいけません。老後の運用について、大事な前提は、次の2つです。

前提①余裕資金で行う

80歳、90歳までカツカツで余裕資金がないといった高齢者は、そもそも株式投資をすべきか再考が必要だと思います。投資するなら、5年は使うあてのないお金を回しましょう。かつて金融業界にいた私がつくづく思うのは、10年に一度は、大きい金融ショックがくる可能性が高いということです。今は景気がよくても、この先、何が起こるかわからない。だからこそ、せめて5年は手元になくても辛抱できるお金をあててほしいのです。

■老後はNISAを使ってはいけない

前提②NISA口座は使わない

今、新NISAが大流行ですが、高齢者の方にはNISAはお勧めしていません。なぜならNISAには「すべてが非課税ではない」「譲渡税が課税される可能性がある」「損益通算できない」といった落とし穴があるからです。一つずつ、説明していきましょう。

・すべてが非課税ではない

NISAを完全非課税だと思っている人は少なくありません。

ですが、NISAは完全非課税ではありません。今、人気のアメリカ株式市場に上場しているような「S&P500」に連動するETF(上場投資信託)や、個別のアメリカ株式を購入する場合は注意が必要です。通常(一般口座や特定口座の場合)、海外からの配当金にはその国に税金を払ったうえで、日本でも20.315%が源泉徴収されます。確定申告をすることにより外国税額控除を受けられるしくみです。新NISAではこの20.315%が非課税になることで、二重課税でなくなるため、“海外に税金を支払う”必要が生じるのです。たとえば、米国株や米国ETFの配当には10%の税金がかかります。

・譲渡益が課税される可能性がある

政府は現在、将来の税制改正を見越して、NISAの配当金などインカムゲインには課税をしていません。ですが、譲渡益などキャピタルゲインには税金をかけようという議論が出ています。「安くなった株を買って高く売りたい」「含み益が出たら利益を確定して売りたい」などと、譲渡益狙いでNISAを使っている人にとっては寝耳に水。この先、制度変更される可能性があると考えるなら、NISAでキャピタルゲインありきの保有にのめり込まない姿勢が必要でしょう。

■NISAで予想される悪循環

老後のお金の設計にNISAが向いていない理由はまだあります。

・損益通算できない

「損益通算」とは、株式や投資信託を売却して利益や損失が出た場合、利益と損失を合算して合計が利益になっていれば、その利益に対して課税されるしくみ。たとえば、ある株式を売って50万円の利益が出る一方、別の株式で30万円の損失が出たら、50万円-30万円=20万円に税金がかかる、ということ。これが損益通算のしくみです。また1年間の合算した損益が結果的に損失になった場合、翌年以降、最小3年間、繰り越せる「繰越控除」が適用されます。たとえば、ある年に30万円の損失で、翌年の利益が40万円であれば、繰り越した30万円の損失と40万円の利益を合算し、40万円-30万円=10万円に対して課税されるのです。この損益通算と繰越控除が、NISA口座ではできません。株式投資は正直、これで儲かると思っても、なかなか理想通りに利益が出ることはありません。“塩漬け”になっているお金をさっさと損切りして、次の新しい運用に使いたいけれど、損益通算できないとそれもなかなか踏ん切りがつかない。こんな悪循環は多々起きます。株式投資は、ある程度“損をする”ことが前提であれば、私は損益通算できるほうが結果的にオトクになると思っています。ですから運用するなら、NISA口座ではなく、一般口座や特定口座で行うことをお勧めします。

■資産を分散投資するときのポイント

高齢者は「一般口座や特定口座で投資する」ことに加えて、資産を「分散投資」することが大切になります。増やすより、とにかく今ある資産を目減りさせないことが先決です。

もちろん80代でも、特定の資産に集中投資して成功しているトレーダーの方もいます。しかし、そういう人は、ずっと昔から投資をしてきたベテランの人。私の知り合いにもいますが、そういう人は本当に株式投資が好きで、『会社四季報』を24時間見ていても飽きない。それほど好きな人であれば、集中投資もよいと思いますが、そうでなければやめたほうがいいというのが私の考えです。では、どうやって分散させればいいか。ここ数年、日経平均が最高値を更新したり、戦争で世界的に物価が上がったりと想像を超えることが起きています。こうした景気リスクや地政学リスクの“有事”に備えるには、それらに敏感に「反応するもの」と逆に「反応しにくいもの」といったように、感応度の異なるものに分散させるのがおススメです。具体的には、株式、債券、不動産、金や原油などはのコモディティは、それぞれ有事や景気に対しての反応の仕方が違う傾向にあり、こうしたところに分散させるのが重要でしょう。株式も日本株と外国株に分散させます。日本円の目減りがこわいならば外貨にする、または外貨で「外貨建て社債を買う」、あるいはインド株などこれから伸びそうなインデックスファンドを買う、といった対策をします。

■不動産投資信託を持つメリット

ちなみに私は、不動産ではなく、「REIT(リート)」と呼ばれる不動産投資信託にも注目しています。不動産投資信託とは、投資家から集めたお金で不動産を所有し、そこから得られた賃料収入を分配するもの。ホテルリートや物流リート、オフィスリートなど、いろいろな商品があり、小口で投資できるのがメリットです。現物の不動産投資は、借金して投資できるメリットがある一方、頭金を用意するのが大変だったり、手数料が非常に高くそれで損することもあるなどのデメリットもあります。そう考えると、不動産投資に興味があっても、そこまではしたくないという人は多い。私もその一人です。そんな人にリートはおススメといえるでしょう。今は金利が上がったことでマイナスになっていますが、もともと不動産投資は、戦争や金融ショックで多少は変動しても、賃料自体は景気に左右されにくいもの。過去のデータからは、「平均的には長期でインカムゲインでしっかりとリターンが出やすい」ことも実証されています。ですから配当金狙いでリートを持つというのは悪くないと思います。もちろん注意点もあります。歴史のあるリートは、想定外に修繕費用などのコストが出ることで、配当金が減る可能性もあります。リートの構成や中身を、しっかり確認してください。

■「仕組債」は様子見で検討を

注意すべきは「仕組債」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)を利用することでキャッシュフローを生み出す債券です。証券会社や銀行がすすめる仕組債については、手数料や格付けなど、商品の中身が金額に見合っているかどうか、いったん立ち止まって確認してほしいですね。「利回りがよい=リスクが高い」ので、飛びつくのは危険。いったん様子を見ましょう。同じように株価は安いのに、配当利回りがいい銘柄も、様子見が必要です。安いには、ちゃんとワケがある。業績が悪くて、会社の持続可能性が失われているのかもしれませんし、機関投資家が手放しているだけかもしれません。

■世界はアメリカ一極から多極化へ

株式投資の世界には「利大損小」という言葉があります。これは100万円投資して、99万円損したら、残りの1万円から100万円にするのは非常に難しい。でも、100万円の損失を10万円に抑えて、90万円を原資にまた分散投資すれば、100万円を超えるかもしれない――そうした「いかに負けを小さく、そして利益を大きくするかが大事」といった意味です。私自身、分散投資を徹底していますが、それは今後、地政学的に大きなうねりが起こり、これまでの世界のルールが変わるかもしれないと予想しているからです。戦後80年、アメリカが世界の覇権を握ってきましたが、数々の戦争が重なり、アメリカはいよいよ体力が失われてきています。一方、中国が力をつけて、ロシアとタッグを組み始めている。つまり今は、アメリカ一極の世界から、多極化の世界への過渡期である。だからこそ、米ドルが今後も変わらず基軸通貨であり続けるかどうかはわからない――。私はこのように考えています。実際、中東の石油は米ドルではなく、人民元で買えるようになったり、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)では、ドルを使わないしくみをつくろうという動きが起きています。また中国は、自国の通貨の価値を上げるためか、金をどんどん買い増しています。つまり米ドルに今のように価値があるのは、ここ80年ぐらいの流れなのです。米ドル覇権がすぐに消滅することはないにせよ、リーマン・ショック級の経済ショックが頻発したら、アメリカ経済はどうなるかわかりません。

■自給自足は究極のリスクヘッジ

ここからは私の予想です。今後、アメリカ一極が衰えて、世界が戦争状態になってしまったら、かなりの確率でインフレが加速すると思います。そうなると資源を持っている国が強い。たとえば食料や鉄鉱石などの資源が豊富なオーストラリアなどは、しっかりと生き残れるだろう。だから私は今、オーストラリアドルやオーストラリアドル建の債券に関心を持っています。もちろんアメリカも資源がありますが、覇権から衰退する過程で何が起きるかわからないことを考えると、米国債の追加保有は様子見したいと考えています。もしも台湾有事が起きれば、真っ先に飢えやすいのは東京だという試算もあります。それぐらい日本の食料自給率は低い。その自衛策として私は、趣味も兼ねて畑作業での作物づくりの準備に動いています。「自給自足」の準備です。東京にも手放された農地はたくさんあるので、共同でそこを耕し作物をつくり続けるのは、次世代にも価値があることだと。


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崔真淑(さい・ますみ)

エコノミスト

2008年に神戸大学経済学部(計量経済学専攻)を卒業。2016年に一橋大学大学院にてMBA in Financeを取得。一橋大学大学院博士後期課程在籍中。研究分野はコーポレートファイナンス。新卒後は、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)でアナリストとして資本市場分析に携わる。債券トレーダーを経験したのち、2012年に独立。著書に『投資一年目のための経済と政治のニュースが面白いほどわかる本』(大和書房)などがある。

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(エコノミスト 崔 真淑 構成=池田純子)


プレジデントオンライン/2024年7月15日 9時15分


2024年3月23日土曜日

元銀行員が教える!使わない口座にお金を放置しているとどうなる?

 残高がわずかになっている銀行口座をそのままにしている人もいるのではありませんか? 銀行口座を放置していると、残されたお金はどうなるのでしょうか? 元銀行員の筆者が説明します。

〇口座に放置したお金はどうなるの?

卒業や転勤、引越し等で新しい銀行口座を開設し、それまで使っていた銀行を利用しなくなるということは多いでしょう。そのとき、今まで使っていた銀行口座のお金をすべて引き出していれば問題はないのですが、使わない口座にお金を残したままでは、いずれそのお金は休眠預金となってしまいます。

休眠預金とは、休眠預金等活用法に基づいて決められており、2009年1月1日以降の取引から10年以上、一度も取引のない預金等(休眠預金等)のことです。休眠預金となってしまった場合には、民間公益活動に活用される決まりになっています。つまり、使わない口座にお金を放置していると、自分のお金が公的なお金に変わってしまうということです。

〇休眠預金の対象になるもの、ならないもの

預金等にはさまざまな種類があるため、すべての預金が一律、休眠預金になるわけではありません。休眠預金になるもの、ならないものは決まっています。

休眠預金になり得る預金等にあたるもの

・普通・通常預貯金、定期預貯金

・当座預貯金、別段預貯金

・貯蓄預貯金、定期積金

・相互掛金

・金銭信託(元本補填のもの)

・金融債(保護預りのもの)

〇休眠預金になり得る預金等にあたらないもの

・外貨預貯金、譲渡性預貯金

・金融債(保護預りなし)

・2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等

・財形貯蓄

・仕組預貯金

・マル優口座

〇休眠預金からお金を引き出すにはどうする?

一度、休眠預金となってしまった場合は、通常の預金等のように引き出すことはできません。休眠預金からお金を引き出すときには、まず取引のあった金融機関に問い合わせてみましょう。手続きをするときには、通帳やキャッシュカード、本人確認書類等が必要になります。なお、通帳等を紛失している場合には、本人確認書類(身分証明書)等があれば対応してもらえますので、あきらめずに問い合わせてみてください。ただし、お金を引き出すまでには時間がかかります。金融機関にもよりますが、少なくても1週間から1カ月程度の時間がかかりますので注意してください。また、相続等ですでに亡くなった人の口座が発見されて休眠預金になっているときにも、所定の手続きを行えば、お金を引き出すことは可能です。ただし、何十年も前の預金でお金の価値が変わっていたとしても、引き出せるのは額面通りの金額です。一番大切なことは、自分の預金等を休眠預金にしないことです。もう、使わない口座があるなら、解約しておくようにしましょう。


文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)


オールアバウト/2024年3月8日 21時40分


2024年2月11日日曜日

NISAなのに課税?「配当金」は受け取り方式に注意

 「憧れの配当生活」「今こそ配当株投資」――。来年始まる新NISA(少額投資非課税制度)を機に「配当金」が改めて注目を集めている。株式投資のリターンは売買益と配当収入に大別できるが、どちらもNISA口座での取引なら、通常なら差し引かれる20.315%の税金がかからない。

〇NISAを機に注目される配当収入

夢があって派手なのは値上がり益だが、結果は株価次第で予測は困難だ。一方の配当は会社が業績予想に基づき、半ば公約的に発表するもの。地味だが堅実で比較的あてにできる存在だ。持っている限り毎年チャリンチャリンと現金収入が得られる。はやりの「ほったらかし投資」向きだが、「ある設定」を間違えたままほったらかすと「NISAにもかかわらずずっと課税されていた」なんて悲劇が起きかねない。一度しっかり確認しておこう。

〇配当金の受け取り方法は4つもある

問題は配当金の受け取り方法の設定だ。証券口座を開く際、どれを選ぶか聞かれるがなんと4つもあるのだ。

①配当金領収証方式

②登録配当金受領口座方式

③個別銘柄指定方式

④株式数比例配分方式

いずれも何度読んでも頭に残らないネーミングな上、証券会社ごとに微妙に呼び方も違うので覚えにくい。ざっくり理解すると、証券口座に入れるか(④)、銀行口座に入れるか(②、③)、現金で受け取るか(①)の違いだ。銀行口座はまとめて1つか(②)、銘柄ごとに口座を変えるか(③)で分かれる。

NISAの場合「株式数比例配分方式」を選ぶ

このうちNISA口座で配当の非課税メリットを享受できるのは④の株式数比例配分方式だけだ。他の方式を選ぶと自分では非課税のつもりでも20.315%の税金が引かれての入金になってしまう。これからNISAを始めるために証券口座を開設する人は悩まず株式数比例配分方式を選び、証券口座で受け取ると覚えておけばいい。問題はむしろベテラン投資家かもしれない。なぜなら昔からのなじみの方法は①配当金領収証方式。ゆうちょ銀行や郵便局で領収証と引き換えに配当金を現金でもらうやり方だ。後に③が始まり、株券の電子化とともに2009年以降、②、④が可能になった。

〇あとで選んだ方式に「上書き」

ベテラン投資家の場合、「配当は領収証を持っていって現金でもらうもの」という認識の人もいるかもしれない。それでもNISAで配当金非課税メリットを享受したければ、株式数比例配分方式を選ぶ必要がある。厄介なのは、配当金の受け取り方法はどれか一つしか選べず、しかも最後に選んだものが全ての口座で適用されることになる。いわば上書きだ。これまで課税口座で①や②、③を選んでいた人がNISA口座開設時に④を選ぶと、すべての課税口座での配当受け取り方法も自動的に変わってしまう。「証券会社に『なぜ入金先が証券口座に変わったんだ』と顧客からの苦情が寄せられるケースもある」(日本証券業協会)

〇「デフォルト」は領収証方式

さらに厄介なのは、もし選ばなかった場合、自動的に振り当てられる「デフォルト」の受け取り方は配当金領収証方式であることだ。NISA口座開設時に自ら確実に株式数比例配分方式を選んでいないと、自動的に領収証方式に振り分けられて課税されている可能性はある。証券保管振替機構によると、個人投資家を中心とする残高のある証券口座は日本に約2898万口座。うち株式数比例配分方式は約1681万口座だが、NISA口座(一般、つみたて)は6月末時点で1941万口座まで増えている。NISAとは関係なく株式数比例配分方式を選んでいる人がいることを考えると「NISAなのに配当の非課税メリットがある口座を選んでいない人」は少なくとも300万人以上はいる計算になる。

〇変更は可能 まずは確認

あくまで株式投資の配当に関する話で、売買益についてはNISAならどの受け取り方式でも非課税になるし、投資信託の分配金は無関係だ。一度選んだ受け取り方式を変更することも可能。対面証券なら丁寧に説明してくれるはずだし、ネット証券の場合はマイページにログインして口座管理画面の自分の情報を変更する項目を操作すればいい。配当の権利確定日前に余裕を持って、一度確認しておくと安心だ。


2023年11月21日 4:00 日本経済新聞


2023年11月16日木曜日

年利9%のドル定期も登場高金利が魅力「外貨定期預金」これだけの落とし穴…FPが解説

 日米の金利差拡大が意識され、10日現在、円相場は1ドル=151円台をうろうろしている。同じ定期預金でも米ドルなどの外貨の場合、年利3%や4%はザラで、キャンペーンで9%を提示する銀行も。かなり魅力的だが、手を出していいものなのか。「銀行に円を預けてもほとんど金利がつかないので、つい始めたくなる気持ちは理解できますが、いくつか注意が必要です」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの飯村久美氏。外貨預金の最大のリスクが為替変動だと指摘する。「1ドル=150円で買ってさらに円安になれば、為替差益が得られますが、逆に円高に振れた場合、為替差損が発生します」昨年10月、32年ぶりに1ドル=150円を突破。円相場は歴史的円安ドル高圏に入ったが、政策金利の高止まりで景気悪化が懸念される米国が利下げに転じ、日本でマイナス金利が解除されれば円高ドル安に傾くことが予想される。「ここから円安になるか円高になるかは日米の金融政策次第で、高い利息を得られても為替差損で大損することも。財務省が為替介入を行えば、一気に5円程度動くこともあります」年利6%の米ドルの6カ月定期に150万円(1万ドル)を預けた場合、6%×2分の1(半年分)の3%から、利息にかかる20.315%が課税されると2.39%になるので、実際の利息は3万5850円になる。ここで要注意なのが、前述の為替変動リスクだ。1ドル=150円で1万ドルを買い、6カ月後に1ドル=160円に上昇すれば、10万円の差益が発生し、利息と合わせれば13万円超のプラスになる。逆に140円に下落して10万円の差損が発生すれば、3万5000円超の利息がパーになるどころか、6万5000円ほど損することに。「為替差益は雑所得なので課税対象になり、雑所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です」さらに、円から米ドル、米ドルから円に替える際に手数料がかかる。「1ドル当たりの手数料はメガバンクで1円、ネットバンクで15銭のところが多く、ネット銀で150万円を1万ドルに替えると1500円が取られ、米ドルを円に替える際も手数料がかかります」外貨の場合、日本円の預金と異なる点も。「金融機関が破綻した場合、外貨は1000万円まで補償されるペイオフ対象外なので、信用力の高い銀行に預けることも大事です」リスクと手間が伴うことを忘れてはならない。


日刊ゲンダイDIGITAL / 2023年11月12日 9時26分


2023年10月25日水曜日

タンス預金を続けて「600万円」貯まりました。銀行に預けると税金はかかりますか?

 〇タンス預金を銀行に預けたら課税されるの?

源泉徴収された給与の手取り収入や、確定申告を行った後の所得からのお金をタンス預金にしていた場合はすでに所得税などが差し引かれているので、銀行に預けるときには新たな課税の対象になりません。銀行に預けた預金に利息が発生したときには、所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%を合計した20.315%が利息から「源泉分離課税」として差し引かれます。タンス預金に親や他人などからもらったお金が含まれている場合は、贈与税の課税対象になることもあります。

1:給与の手取り収入からタンス預金を続けて600万円を貯めたAさんの場合、贈与税・所得税などは非課税

2:自営業で、確定申告と納税を行ったあとのお金からタンス預金を続けて600万円を貯めたBさんの場合、贈与税・所得税などは非課税

3:給与の手取り収入からと、親からもらった400万円をタンス預金にして600万円を貯めたCさんの場合、親からもらった400万円が贈与税の課税対象となる可能性があり、試算すると以下のような計算式となります。__

(400万円-贈与税の基礎控除額110万円)×贈与税特例税率15%-贈与税控除10万円=33万5000円を贈与税として申告し納税する必要が出てきます。

贈与されたお金がある場合には、いつ・だれから・いくらもらったのかを記録しておき、必要に応じて贈与税の申告を行いましょう。

〇タンス預金のメリットとデメリットは?

タンス預金のメリットとしては、急に現金が必要な事態が起きた際にすぐ使えることです。それであれば普通預金で問題ないと感じるかもしれませんが、冠婚葬祭でまとまったお金が必要になった場合にATM手数料などが不要で、自宅にいながら現金を手にすることができますし、銀行が破綻するリスクにも備えることも可能です。デメリットとしては「紛失・盗難・火災などでお金を失くしても保険の補償対象外であること」と「タンス預金をどこに収納したのか忘れてしまう可能性があること」などです。タンス預金を収納していたことを忘れると、タンス預金を収納していた家具ごと捨てられてしまうこともないとはいえません。

またタンス預金をしていた人が亡くなった後にお金が見つかった場合には、タンス預金は相続財産となり、相続税の課税対象になる可能性が出てきます。遺族がタンス預金の存在にすぐに気づかずに相続税の申告を行い、後でタンス預金を発見した場合には修正申告が必要です。

〇まとめ

給与の手取り収入や確定申告を行ったあとのお金から貯めたタンス預金を銀行に預けるときには、新たな課税対象にはなりません(銀行に預けて発生した利息からは源泉分離課税20.315%が徴収されます)。タンス預金に、他からもらったお金が含まれている場合には贈与税、タンス預金を収納したまま亡くなった場合には相続税の課税対象となる可能性が出てきます。後々のトラブルを防ぐためにも、預金記録をこまめに行うと良いでしょう。


2023年9月19日火曜日

仕組預金

 仕組預金とは、デリバティブを使って銀行に有利な特約を付ける代わりに金利を上乗せされた定期預金のことをいう。

〇概要

仕組債の外側の箱を預金に変えたものと考えればわかりやすい。

仕組預金の例としては、(a)円で預け入れてその時に約定した外貨で運用し、満期日に外貨の価値が下がっていれば元本を外貨で払い戻す権利を銀行側が持つなどの二重通貨定期預金、(b)預け入れ期間が複数設定されており、市場環境によって満期日を選択する権利を銀行が持つ満期日変更特約付定期預金などがある。仕組債は証券会社が販売する際に十分といえないまでも、証券取引法によって規制されてきた。銀行法はリスク商品を販売することを想定していなかったため、証券取引法と比べて緩やかであった。銀行法の下元本が割れるリスクを説明せずに販売された仕組預金は社会問題にまで発展したため、証券取引法から改正された金融商品取引法は仕組預金まで規制を広げている。全国銀行公正取引協議会は、平成19年4月19日に『仕組預金にかかる表示について』という仕組預金の広告に関するガイドラインを公表した。「デリバティブ預金」として仕組預金を売っていた三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行は、販売停止にまで追い込まれた。

〇メリット

金利がプレミアム分、他の定期預金より高めに設定されている。

円建て仕組預金は中途解約の際には違約金はあるが、預金保険の対象となり、満期まで預けるなら元本は保証される。

〇デメリット

外貨建て仕組預金は預金保険の対象とならず(ペイオフの対象外ということ)、中途解約の違約金、為替手数料、為替リスク、元本を外貨で払い戻されるリスク、満期日の変更リスクなどのデメリットを顧客が負うことになる。

デリバティブが組み込まれて運用される中途解約が不可能な定期預金であり、やむを得ず中途解約した場合には元本を割れ込む可能性がある。

預金利息の保護は、通常の定期預金利息の範囲に限られることが明確化されている。

〇金利タイプ

円建て仕組預金には、満期まで金利が一定のフラット型や、預入年度ごとに金利がゆるやかに上昇するステップアップ型がある。金利は仕組預金契約前に確定しており、ステップアップ型でも預入後に金利が変動することはない。


2023年5月24日水曜日

銀行セールスに狙われる客の3つの特徴

 銀行セールスの主な目的は、生命保険や投資信託などを販売することです。「残高が少ないのに勧誘の電話が掛かってきた」と驚く人もいますが、銀行員が狙うのはお金持ちに限りません。狙われやすい人の特徴とセールス方法を、現役銀行員に聞いてみました。

■特徴1定年退職を控えている

銀行員は、銀行に口座がある“59歳”の“会社員または公務員”に片端から電話を掛けます。なぜなら、数年以内に退職金が入金となる可能性が高いからです。セールスの電話がセカンドライフについて考えるきっかけになります。住宅ローンの一括返済や退職金の税金、年金などの相談に乗りつつ、老後に向けた資産運用を勧めます。

■特徴2身近な家族を亡くした

親や配偶者を亡くした人は、遺産を相続する可能性が高いため銀行員から狙われます。銀行員は遺族と面談する機会が多く、相続手続きのサポートを通じて信頼を得やすいです。じっくりと時間を掛けて遺族の信頼を得てから、大切な遺産の有効活用として資産運用を勧めます。

■特徴3児童手当を受け取っている

児童手当は中学校卒業までの子どもがいる家庭に支給されます。銀行員は教育費に関する情報を提供した後、教育資金を補う方法として学資保険や積立投資信託を提案します。なお児童手当は、第一子かどうか、生まれ月などで変わりますが、受け取り総額は子ども一人当たり200万円前後です。大学卒業までにかかる平均的な教育費は、全て国立の場合でも約800万円かかると言われており、児童手当だけでは足りない可能性が高いです。

■銀行員に相談するメリットもある

セールスの電話や訪問は忙しい人にとっては迷惑かもしれません。しかし銀行員の中にはファイナンシャルプランニング(FP)の資格を保有している人もいますし、お金に関する相談を無料で出来るいい機会でもあります。日時が決まっているセミナーと違い、都合の良い日時に合わせて面談が出来ることもメリットです。自分にとって有益な情報を得るために、銀行セールスを逆に利用するのも良いかもしれません。

文/編集・dメニューマネー編集部(2021年12月14日公開記事)


2023年4月25日火曜日

「ゆうちょ銀行」は普通の銀行と何が違うの?

 〇郵便局時代の名残がある、ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、郵政3事業の民営化により2007年10月に誕生しました。郵便局の貯金を取り扱う部門が、株式会社ゆうちょ銀行として民間の銀行になったわけです。その際、商品やサービスの見直しが行われました。とはいえ、郵便局時代の商品の多くが、ゆうちょ銀行に引き継がれ、今もほかの銀行とは違ういくつかの特徴が残っています。

〇ゆうちょ銀行の預入は、定期性貯金で1人1300万円まで

ゆうちょ銀行に預けることができる金額は、民営化後、段階的に引き上げられ、2019年4月1日からは、通常貯金(普通の銀行の普通預金にあたる)は1人1300万円まで、定期性貯金(普通の銀行の定期預金に相当する定期貯金や定額貯金)は1人1300万円までとなりました。普通の銀行には、こういった限度はありません。そもそも郵便貯金は、庶民に貯蓄をすすめ、貯金として集めたお金を政府の方針で社会整備のために使おうということから始まったものです。少ない金額から、誰でも貯金できることが原点。しかも、後ろ盾として国がついていました。そのため、限度額が決められてきました。民営化後も、この限度額は生きています。

〇ゆうちょ銀行には、郵便局といえばの定額貯金も健在

普通の銀行で一定の期間お金を預けるといえば、定期預金ですね。ゆうちょ銀行にも定期貯金があります。さらにゆうちょ銀行には「定額貯金」という独自の貯金があります。年配の方の中には、金利の高い時期に郵便局の定額貯金に預けて、たくさんの利息をもらった方がいらっしゃるはずです。定額貯金の特徴は、次の3つです。

・預けて6カ月経てばいつでも解約ができ、最長10年まで預けられる=使い勝手がいい

・最初の3年は6カ月ごとに金利が上がっていく段階金利、全期間にわたって半年複利=長く預けるほど複利効果で利子が増える

・固定金利=高金利のときの預入が有利

現在は低金利なので、残念ながら定額貯金はあまり有利ではありません。ただし、6カ月経てばいつでも解約できるので、いざというときのお金の預け先によさそうです。

〇ゆうちょ銀行の住宅ローンは?

普通の銀行は、お金を預かる一方で、そのお金を企業に貸し付けています。住宅ローンや教育ローンなど、個人にもお金を貸しています。そうすることで利益を得て、その利益から預金者に利子を払っています。郵便局の場合、郵便貯金として預かったお金は、国の事業に使われてきました。このお金の使い道に無駄が多く不透明だという批判が、民営化につながりました。民間の銀行になったことで、預かったお金の運用先も、自ら決めることになりました。現在ゆうちょ銀行が個人向けに行う貸し付けには、貯金を担保とした貸し付けや住宅ローンなどがあります。住宅ローンは、次の3つです。

・ゆうちょフラット35

・ソニー銀行の住宅ローン

・SBI新生銀行の住宅ローン

ゆうちょフラット35は、ゆうちょ銀行と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。2023年3月の金利は、団体信用生命保険付きで1%台。ソニー銀行の住宅ローンとSBI新生銀行の住宅ローンは、申し込みなどを媒介しています。

〇ゆうちょ銀行と普通の銀行との共通点は?

ゆうちょ銀行は郵便局時代の特徴を残しながら民間の銀行になったのですが、変わったこともあります。もっとも大きな点は、万一の場合の保護です。銀行が倒産したときのために、民間の銀行は預金保険制度に加入しています。民営化にともない、ゆうちょ銀行も預金保険制度に加入しました。普通の銀行と同様に、万一のときの後ろ盾が、国から預金保険制度になったわけですね。つまり、ゆうちょ銀行の経営が行き詰まり倒産したときは、1人1000万円までの預金とその利息が、預金保険制度により保護されます。

〇まだ、国がついている?

ゆうちょ銀行は、株式会社になったものの、その株式をたくさん持っているのは日本郵政という持ち株会社です。さらに、政府はこの日本郵政の株式の一定割合を保有しています。

今後どうなっていくのか、注目されますね。


文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)

大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後にライターとして独立。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、マネー全般の記事を執筆に加えて、生活者向けのお金のセミナーや家計相談も行う。

(文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー))


オールアバウト / 2023年4月23日 20時30分


2023年4月1日土曜日

使っていない「銀行口座」、そのままで大丈夫?

 普通預金、定期預金、当座預金、貯蓄預金、通常貯金、定期貯金、当座貯金、定期積金、金銭信託(元本補填のもの)、金融債(保護預かりのもの)など。個人が日常的に使う預貯金はほとんどが対象です。ただし外貨預貯金、財形貯蓄やマル優の適用となっている預貯金は対象にはなりません。さらに、2007年10月1日より前(郵政民営化前)に、郵便局に預けられた定期性の郵便貯金(定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金)は除きます。民営化前の郵便貯金には、郵便貯金法が適用されるからです。郵便貯金法においては、定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金については満期の翌日から20年間引き出しの請求がなく、文書で知らせてもなお引き出しが行われないと、その2カ月後に権利が消滅するとされています。つまり、自分名義のお金ではなくなります。いかがでしょうか? 思い当たる預貯金はありませんか?では、いったん休眠預金になってしまったら、もう引き出すことはできないのでしょうか。

〇「休眠預金等」になっても引き出しは可能

いったん「休眠預金等」の扱いになっても、いつでも引き出すことが可能です。引き出したい場合は、預金の取引を行っていた金融機関に、通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持参して手続きをしてください。口座を作った支店でなくても最寄りの支店で大丈夫です。通帳やキャッシュカードをなくした場合は、金融機関に問い合わせて必要書類を確認してください。本人確認ができれば、引き出せることになっています。いつでも引き出せるとはいえ、それなりの残高があって引き出したいなら、なるべく早く手続きを。そうしないと、結局、引き出さないままになってしまいがちです。せっかくの自分のお金をなくすことになります。ただし、忘れてしまう、ほったらかしにしてしまう理由は、残高が少ないからではないでしょうか。実際、休眠預金等になる預金の多くは少額だそうです。金額もわずかだし、手続きも面倒だし、社会の役に立つのなら引き出さなくてもいいと思うのなら、預金は次のように取り扱われます。

〇休眠預金等は民間公益活動の促進に使われる

「休眠預金等」になると、そのお金は財団法人やNPO法人などが公益活動をするための助成金として提供されます。

「休眠預金等」が使われる公益活動の分野は、「子どもおよび若者の支援に係る活動」「日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る活動」「地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動」と決まっています。また「休眠預金等」の活用にあたっては、コロナ禍やウクライナ情勢により、子どもの貧困や女性の経済的自立への支援の必要性が高まっていることが事業選考の際に考慮されるとのことです。

例えば、2021年は「シングルマザーのデジタル就労支援」「災害時食支援ラストワンマイルへの到達事業」「地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消」などの事業に活用されました。「休眠預金等」は毎年、何百億円も発生しているといわれていて、その取扱いが課題となっていました。社会のために活用されるのはいいことです。しかし、そもそも休眠預金等がなるべく発生しないようにすることが大事です。それには預金の持ち主が、預金をちゃんと管理することです。具体的には、使わなくなった口座は速やかに解約する、引越しの際には必ず住所変更の届け出を行う。インターネット時代ではありますが、金融機関から登録された住所宛てに重要書類が郵便で届くこともあるので、住所変更は忘れずに対応しましょう。光熱費や食料品の値上がりで、数百円、数千円単位の節電や節約に励む人も多いはず。自分のお金を減らさないために、銀行口座の管理もしっかり行いましょう。

文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)

大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後にライターとして独立。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、マネー全般の記事を執筆に加えて、生活者向けのお金のセミナーや家計相談も行う。

(文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー))


オールアバウト / 2023年3月25日 19時30分


2023年3月3日金曜日

メリットだらけにみえるが…来年スタート「新NISA」に潜む“2つの落とし穴”【投資のプロが解説】

 近年認知度が高まり、徐々に始める人が増えている「NISA(少額投資非課税制度)」。しかし、デメリットも少なくなかったことからこれが大幅に見直され、2024年から「新NISA制度」が導入されることとなりました。今回は、鎌倉投信の代表取締役社長である鎌田恭幸氏が、この新NISA制度に潜む「2つの落とし穴」を解説します。

〇来年から始まる「新NISA制度」…主な変更点は?

金融業界では、令和5年度税制改正に盛り込まれた「資産所得倍増プラン」の実現に向け、目玉施策である「新NISA制度」への関心と、その準備に向けた機運が高まっています。つみたてNISA(年間投資上限額40万円、非課税期間20年)と一般NISA(年間投資上限額120万円、非課税期間5年)のいずれか1つを選択する 現行のNISA制度は、令和6年(2024年)1月から主に以下のような点が変わろうとしています。「1.「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に枠組みが変わり、その併用が可能 」「2.年間投資上限額が、最大360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)に大幅に拡大」「 3.非課税保有期間の無期限化」「 4.生涯非課税限度額が設定され、最大1,800万円に(非課税限度額は生涯利用可能であり、「簿価(=取得価額)」で総枠が管理され、保有する有価証券をいったん売却して再投資した場合も適用されるなど、非課税枠の再利用が可能)」「 5.制度の恒久化」このこと自体は、現在のNISA制度と比べると利便性も高まり、個人投資家の資産形成に大きく貢献する可能性があるので、筆者は好ましいと考えます。その一方で、個人投資家や運用商品を提供する資産運用会社は、次のような落とし穴に入り込まないように、自らの投資姿勢をしっかりと持っておきたいところです。

〇新NISA制度の「2つの落とし穴」

1.投資家…販売会社による「囲い込み」

NISA口座が複数の金融機関で同時に利用できないことから、1,800万円の投資資金の総取りを狙って、金融機関による獲得競争が激化することが想定されます。その際、成長枠については株式投資も可能なため、株式を扱える証券会社の営業マンから「銀行などの他の金融機関よりも有利である」などといった誘い文句が聞こえてきそうです。また、違う観点からは、「簿価(=取得価額)」で総枠が管理されるため、短期売買を目的とした投資勧誘や、個人投資家のリスク許容度や運用姿勢などに適合しない投資勧誘が増えることも気がかりです。そのため個人投資家は、本当に顧客の立場に立って運用商品を提供したり、説明責任をしっかりと果たしてくれる金融機関を選択する必要があります。筆者が経営する資産運用会社でも新NISAに係る勉強会などを実施していますが、書籍を読んだり、そうした勉強会に参加したりするなどして、自ら改めて考えて資産形成に取り組むことが肝要です。「自ら考えること」は、資産形成で成功するうえで、とても重要な要素なのです。

2.運用会社…「販売会社依存」の業界体質への逆戻り

一方、運用商品を供給する側である資産運用会社にも、新NISA制度によって明確なポリシーが求められることになります。富裕層を除く多くの個人投資家の場合、生涯を通じた資産運用額は、新NISAの生涯非課税枠1,800万円の範囲内に収まる可能性が高いです。その結果として、NISA口座を多く保有する販売力の強い販売会社は、資産運用会社よりも立場が強くなるかもしれません。そのため、資産運用会社は、販売会社依存の体質から脱却し、資産運用会社の独立性を高め、運用力の高度化を図ろうとする現在の流れに逆行しないよう、受託者責任を強く意識したいものです。

〇より重要視される「金融教育」

こうした動きとは別に、近年、「金融教育」や「金融リテラシー」という言葉をよく見聞きするようになりました。今年度から段階的に、小・中・高校向けの教育指導要領のなかに、経済や金融の仕組み、生活設計や資産運用、さらにはキャリア形成が盛り込まれるなど、今後、金融についての学びがより身近なものになりそうです。また、学校だけではなく、社員教育の一環として「資産形成」を社員自らが考える機会を提供する会社も増えており、弊社もそうした場に声をかけられることが多くなりました。長く地道な取り組みになりますが、なるべく早い時期からお金や資産形成に係る学びに触れることは、新たなNISA制度を活かすうえで、重要な施策のひとつです。

・「金融教育」の定義

そもそも、金融教育や金融リテラシーといった言葉で表現される金融の学びとは、どのように定義されるものなのでしょうか。広く金融の学びを推進している金融広報中央委員会によると、「金融教育は、お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育である」として、金融教育プログラムは「社会のなかで生きる力を育む授業である」と謳っています。筆者は、お金について考えることは、単なる知識を得ることではなく、人生そのもの、つまり自分の価値観や人生観を深めるためのものだと思ってきましたから、こうした定義に違和感はありません。一方で、学生向けの授業を「主体的に行動できる態度」や「生きる力を育む」ものにしていくためには、単に教える授業で終わらせずに、より生徒に腹落ちさせることが求められのではないでしょうか。

〇金融教育キャンプに参加して…筆者が得た「気づき」

昨年夏、ある団体が主催し、弊社が協賛する小・中学生向けの「金融教育キャンプ」に参加してきました。2泊3日で開催されたキャンプでは、前半で金融についてひと通り学んだあと、最終日には「自分や周り、社会の困りごとはなにか」という視点から自ら事業を考え、発表するというプログラムがありました。参加した子供たちは、いくぶん緊張気味のなか、一所懸命に考えた事業アイデアを披露していました。たとえば、国民が健康に暮らすための保険会社を考えた小学2年生、自由に出歩くことができない高齢者などの買い物をサポートする事業を考えた小学4年生、子供の発想力を高めるための場をつくる事業を考えた小学6年生……。筆者はその豊かな創造力とたくましさに感心しました。しかし、それと同時に、「子供たちのなかには、主体的に行動できる態度や生きる力はすでに備わっており、それを大人が教えるというのは、おこがましいのではないか。むしろ、その潜在的な力を“発揮させる場”が必要ではないか」と思ったのです。また、こうした子供達に、“表面的”な金融の知識を教えることは必要ない、とも感じました。そこで検討に値すると考えるのが、「高校にある『普通科』といった曖昧な学科をやめ、たとえば「起業科」などといった、目的を明確にした学科を設置する」という案です。大学受験を目的とした進学クラスを設置している高校はよく見かけますが、それと同じように、起業家を目指す起業科クラスをつくってはどうでしょうか。そこで、金融にとどまらず、経済の仕組みや会社経営に必要な知識を学び、社会課題やそれを解決する事業アイデアを創出し、その事業を実現するために必要な語学やITなどのスキルを自ら選択して学ぶのです。実際に会社を設立したり、学生起業家が集う海外の高校に留学したりできる仕組みをつくることもよいでしょう。この構想は、筆者の知人である山本敏行氏(Chatwork株式会社の創業者)が、起業家と投資家の育成支援に取り組むなかで提唱されているものですが、筆者もこの意見に賛成です。時間はかかると思いますが、新NISA制度と、人の自立心や好奇心などを喚起する真の金融教育とが上手くかみ合って、個人の資産形成のみならず、日本の社会・経済の発展につながることを願っています。そこに、新NISA制度の究極の目的があるのではないでしょうか。

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鎌田 恭幸

鎌倉投信株式会社

代表取締役社長

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幻冬舎ゴールドオンライン / 2023年3月3日 9時15分