2025年9月11日木曜日

新株予約権付社債とは?転換社債との違いやメリット・デメリットを解説

 〇転換社債とは

Convertible Bondの頭文字をとって呼ばれるCBは、かつて転換社債と呼ばれていたが「転換社債型新株予約権付社債」が商法上正しい名称である。株式に転換する権利(転換権)を持つ社債のことであり、あらかじめ決められた価格で一定期間内に株式に転換する権利を持った債券ということになる。例えば、転換価格が1,000円と定められたCBを発行した株式会社のその社債権者は株価が上昇して転換価格を上回る1,200円になったとすると、1,000円で転換できる権利があるため、その時点で債券を株式に転換し市場にて1,200円で売却すれば、その差額200円が収益となり、株式を割安に購入したことと同じ結果が得られることになる。逆に、転換価格(1,000円)を下回っていれば転換せずに債券として保有することにより、クーポン収入と額面金額は保証されることになる。このように、債券としての安全性(利息と償還金の確実性)と、株式としての収益性の両面を選択しながら投資できるという特徴がある。


〇発行側のメリット

・株式転換したら自己資本比率が高くなる

社債(負債)が資本になるので自己資本比率が高くなります。

・株式転換すると金利負担が減る

社債の金利負担は減るが配当金の負担は増える。


〇発行側のデメリット

・株式に転換した時に急に大口株主が現れることがある

転換社債を投資ファンド(特に物をいう株主)が取得していた時にその投資ファンドが大口株主になるため、株主総会で対応の仕方が大変になる。株式ではないためいわゆる「5%ルール」に抵触せずに買い集めることができることから、会社や他の投資家に知られることなく転換社債を買い集めて一気に転換し、突然大株主として経営の主導権を握ることも可能である。村上ファンドが阪神電気鉄道に対しこの方法で一気に大株主となり、最終的に阪神は長年のライバルであった阪急電鉄に経営統合させられることとなった。

・株式転換した時に1株当たり純利益や1株当たり純資産額が少なくなる

株式転換すると発行済み株式数の数が増えるのでそうなる

・株式転換すると配当金負担が増える

社債の金利負担は減るが配当金の負担は増える。

・自社株買いにおいて株主総会の決議が必要になる

社債の期日前償還の場合取締役会決議で償還できるが株式転換後の自社株買いを行う場合株主総会の決議が必要になる。

・株価が上昇しなかったら現金で負債を支払わなければならなくなる

株価が期待以上に上昇しなかった場合株式に転換する事が出来ず負債を現金で支払わなければならなくなるため、それが原因で破綻するケースもある。結果として資金繰りが悪化する。ヤオハンのように破綻・倒産した企業もある。


〇投資家側のメリット

・社債であれば定期的に利息収入が受けとることが出来る。

・株式転換した場合配当金が受け取れたり株価が上昇した場合売却益が受け取ることが出来る。


〇投資家側のデメリット

・株式転換した場合、株価が下落したり期待したほど配当金が受け取ることが出来なかったりする場合がある。

株式転換後株式売却前に会社が破綻した場合配当金や売却益を受けたることが出来なくなる。


MRFとは

 〇MRFとは何?

マネーリザーブファンド(追加型公社債投資信託・自動けいぞく投資専用・マル優適格)の略称です。毎日決算を行い、実績に応じて収益(運用の結果出た利益)が分配されます。このときに分配されるお金を分配金と呼びます。分配金は1か月分まとめて自動的に再投資(MRFを買い付け)されます。MRFには以下のような特徴があります。これは銀行の貯金とは異なります。

特徴①「MRFは元本割れのリスクが低い」

MRFは安定運用を行うため、国内外の公社債およびコマーシャル・ペーパー等に投資対象を限定しています。具体的にいうと、「債券を組み入れるのなら格付けが高いもの」、「組み入れた金融商品の平均残存期間は90日を超えないこと」などのルールがあります。株式は投資対象外です。

特徴②「決算、実績に応じて収益が分配される」

運用の成果を毎日計算し、決算、実績に応じて投資対象や、収益分配金が変動します。MRFは高格付け債券、CP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)などの短期金融商品で運用されており、且つ購入単位は1円以上1円単位で、購入後いつでも手数料なしで引き出しが可能です。投資対象の収益は月末にまとめて自動的にお客様のMRFに再投資されます(もちろんMRFの入金額により、月末に再投資される分配金も変わります)。

特徴③「MRFは手数料なしで入出金できる」

原則として、いつでも手数料なしで、1円単位から入出金することができます。

ATMを利用する場合、入出金は1,000円単位からとなります。

特徴④「ATMまたはオンライントレードを利用して入出金が可能」

ネット証券ではネット銀行から入金もできますね。


〇注意事項

銀行預金は元本が保証されておりさらにペイオフ制度によって1,000万円までの預金とその利息が保護されます。 一方、MRFは投資信託であり元本保証はありません。 しかし投資信託には分別管理が義務付けられており証券会社や信託銀行が破綻しても資産が保護される仕組みになっています。