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2026年3月17日火曜日

整理銘柄、監理銘柄って何?

 よく株式投資欄を見ていて整理銘柄、監理銘柄という言葉が出てきますが解説します。

〇整理銘柄

証券取引所が定めている上場廃止基準に該当し、上場廃止が決定された銘柄のことです。 東京証券取引所では、2008年1月15日より「整理ポスト」という表現の使用をやめ、「整理銘柄への指定」としています。上場有価証券の上場廃止が決定された場合、原則として、1ヵ月間「整理銘柄」に指定し、その事実を投資家に周知させ、投資者が整理銘柄の売買を行うことができるようにしています。


〇監理銘柄

上場銘柄が上場廃止基準に該当するおそれがある場合に、投資家にその事実を周知するため、証券取引所により指定された銘柄のことです。


〇特設注意市場銘柄

有価証券報告書等の虚偽記載、不適正意見や、上場契約違反等の上場廃止基準に抵触するおそれがあったものの、金融商品取引所による審査の結果、影響が重大とは言えないとして、上場廃止には至らなかった銘柄のうち、内部の管理体制等の改善が必要で、継続的に投資家に注意喚起するために取引所が指定している銘柄のことを特設注意市場銘柄と言います。これに指定された銘柄は、「特設注意市場」に置いて、通常銘柄とは区別されて売買取引が行われます。



NISAのメリットデメリット

 〇NISAってどんな制度なの?

NISA(ニーサ)とは、少額からの投資を行う人のため2014年からスタートした「少額投資非課税制度」のことで、購入した金融商品(株式・投資信託など)から得られる利益がまるまる非課税になる制度です。


〇NISAのメリット

メリット①投資で得られた運用利益が一生涯非課税

本来、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、これらを売却して出た利益に対して約20%は税金でもっていかれてしまうのですが、NISA口座で投資した場合、税金がかからないため利益をまるまる受け取ることができます。

メリット②金融庁の基準を満たした商品に投資できる

NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の定める基準を満たした商品のみです。いずれも「長期・積立・分散投資」に適した、低コストの商品が揃っています。

世の中で購入できる投資信託は6,000本以上もありますが、品数が絞り込まれているので、投資初心者でも選びやすいのがメリットです。

メリット③少額から気軽に資産運用ができる

少額から投資を始められるのもNISAの魅力の一つです。金融機関によっても変わりますが毎月100円から投資できる商品も沢山あります。

1,000円、1万円など、生活に負担をかけない範囲で長期的に資産形成を目指すことができます。


〇NISAのデメリット

デメリット①選べる金融商品が限定されている

NISA口座では株式や投資信託など、一定の条件を満たす商品しか購入できず、一般の証券口座と比べて選択肢が狭くなるため、自由に商品を選びたい人には制約と感じられることがあります。

デメリット②NISA口座は一人一口座、一つの金融機関でしか開設できない

お得なNISA口座ですが、開設できるのは一人につき一つの口座までである点には注意が必要です。

また、一つの金融機関でしか開設ができないため、複数の金融機関でNISA制度を使用するということはできない点に気を付けましょう。

デメリット③元本割れの可能性もある

前提の話となりますが、NISAで購入できる商品は投資信託、ETF、株式などになります。iDeCoのように定期預金などを選択することはできないため、NISAを利用する際には元本割れの可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。

デメリット④NISA口座は損益通算や繰越控除ができない

一般的に、複数の口座で投資信託等の商品を購入して運用を行っている場合、利益から損失を差し引くことで、税金がかかる所得を減らすことが可能です。これを損益通算と言います。しかし、NISA口座で運用している分は他の特定口座や一般口座での運用分と損益通算することができません。従って、他の口座と損益通算をしようとして、NISA口座での運用資産を慌てて売却してしまわないように注意が必要です。また、損益通算を行ってもなお、損失がでてしまうという結果になった場合には、その損失を翌年以降最長3年間にわたって繰り越して利益と相殺することができる、繰越控除というものがあります。

デメリット⑤年間の投資上限がある

NISAの投資上限の総額は1,800万円であり、年間に投資できる金額の上限も決まっています。最大で、つみたて投資枠と成長投資枠を両枠合わせて年間360万円までが一年間で投資できる金額の上限となります。従って、手元に例えば500万円があるとして、それを今すぐNISAで運用したいと思っても、500万円を一括で投資することはできません。360万円と140万円に分けて2年間かけて投資を行うなど、年間上限額を超える場合には、何年かに分割をして投資を行う必要があります。

デメリット⑥債権を購入できない

購入した金融商品(株式・投資信託など)から得られる利益がまるまる非課税なので債権から得られる利益(利息)は非課税にはできません。

デメリット⑦配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」とする必要がある

配当金の受け取り方法には「株式数比例配分方式」「一括振込方式(登録配当金受領口座方式)」「配当金領収証方式」「個別銘柄指定方式」があります。

株式数比例配分方式:各証券会社にお預けの株式などの数量に応じて、配当金をお客様の証券口座で受け取る方法です。

一括振込方式(登録配当金受領口座方式):保有する全ての株式などの配当金を一つの銀行口座で受け取る方法です。

配当金領収証方式:発行会社から郵送される配当金受領証を、ゆうちょ銀行などの窓口まで持参し、配当金を受け取る方法です。

個別銘柄指定方式:ご指定の銀行口座などで配当金を受け取る方法です(銘柄ごとのお手続きが必要です)。

株式の配当金を非課税にするためには「株式数比例配分方式」にしないとだめなんです。これに指定するとNISA口座を持っていない証券会社の株式も全て「株式数比例配分方式」で受け取ることになります。配当金を銀行で受け取りたい場合は一括振込方式(登録配当金受領口座方式)にしておき、NISAでは投資信託を購入するようにすればよいと思います。





2025年11月30日日曜日

MMFとは?MRFや一般的なファンドとの違いをわかりやすく解説

 投資家から集めた資金をひとまとめにして、専門家が運用をする投資信託。投資信託は運用対象や分配方法などによってさまざまな種類に分けられます。その中の一つに「MMF」という商品があることはご存知でしょうか。本記事ではMMFの特徴や投資するメリット・デメリット、一般的な投資信託との違いなどを詳しく解説します。どの金融商品に投資すべきか迷っている方は参考にしてみてください。

〇MMFとは?

MMFは外国投資信託の一種で、一般的な投資信託と比べると安全性の高い商品とされています。外貨預金やMRFとの違いなども含めて、まずは特徴を把握しておきましょう。

・MMFとは?

MMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、高い格付けの短期金融商品によって運用される投資信託のことです。米ドル・ユーロ・オーストラリアドル・カナダドルなどの外貨で運用されるため「外貨建てMMF」と呼ばれることも多くなっています。日本円で運用されるMMFは「マネー・マネジメント・ファンド」と呼ばれており、投資対象は似ているものの、外貨建てMMFとは別の商品です。日銀のマイナス金利が導入され、元本割れのリスクが出てきたため、運用難に陥ったMMFの繰り上げ償還が相次いだことから、現在円建てのMMFを買付することはできません。そのため、本記事では「外貨建てMMF」について解説します。MMFの主な投資対象は公社債やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金証書)などです。なお、CPとは、企業が1年未満の短期で資金調達するための無担保の約束手形のことを指し、CDは、第三者に譲渡可能な自由金利の大口定期預金のことを指します。MMFは基本的に株式を投資対象に含んでいない点が特徴であり、一般的な投資信託よりも安全性を重視した商品といえるでしょう。ただし、ほかの投資信託同様に、元本保証があるわけではなく運用実績によって利回りが変化する点には注意が必要です。また、売買手数料はかからないケースが多くなっています(為替手数料はかかります)。

〇MMFと外貨預金の違い

MMFと外貨預金は「外貨で投資する」という点は共通しているものの、MMFは外国投資信託の一種であるため、特徴には以下のように違いがあります。

・MMF

利回り:運用成果によって変動する。外貨預金よりも高い傾向あり

元本保証の有無:元本保証なし

換金性:いつでも解約可能

倒産時の資産管理:証券会社の資産と分別管理されるため、倒産時でも資産は保護される

為替手数料:外貨預金よりも低めに設定されていることが多い


・外貨預金

利回り:日々変動する

元本保証の有無:外貨ベースで元本保証あり(為替差損益はある)

換金性:いつでも払出し可能

倒産時の資産管理:預金保険制度の対象外のため、資産は保護されない

為替手数料:MMFよりも高めに設定されていることが多い


〇MMFとMRFの違い

MMFと同じような公社債投資信託として、「MRF」と呼ばれる商品があります。MRFは「マネー・リザーブ・ファンド」の頭文字を取ったものでMMFと基本的に投資対象は同じです。しかし、MMFは総合口座を開設した後に都度購入する必要があるのに対して、MRFは総合口座への入金を済ませると自動的に運用されるといった違いがあります。また、MRFのほうがMMFより短期(残存期間の短い)かつ信用リスクを抑えた債券やCP、CDなどで運用されているといった点も違いです。証券会社の中には、株式や投資信託などを購入するときにMRFを自動的に売却して買付代金に充当し、逆に売却したときは売却代金で自動的にMRFを購入するといった、いわば「投資資金の置き場所」として活用できるところもあります。

・MMF

名称:Money Market Fund

投資先:国外

買い付けの有無:自己の判断による買い付け

手数料の負担:あり(会社により解約手数料や為替手数料が発生)


・MRF

名称:Money Reserve Fund

投資先:国内・国外

買い付けの有無:自動で運用される

手数料の負担:なし


〇MMFと一般的な投資信託との違い

MMFは流動性を確保しつつ安定した収益を追求する金融商品です。そのため、短期の国債や地方債、社債などを投資対象とし、最低1,000?1万円程度から1円単位で購入・売却できるようになっています。ただし、外貨で運用されるため、為替の動きが損益に影響する可能性があります。一方、一般的な投資信託は株・債券・不動産など、銘柄によって投資対象が異なるため、リスク・リターンは銘柄によって大きな違いがあります。また、最低購入額はファンドごとに基準価額は違いますが一般的に1口1万円前後からで、投資対象によって日本円で運用するものと外貨で運用するものに分かれているのも特徴です。


〇MMFのメリットとデメリット

MMFにはほかの金融商品と同様に、メリットとデメリットがあります。投資すべきか判断する際の材料にしてください。

・MMFのメリット

MMFは株式と比べて価格変動のリスクが低い公社債などで運用されているため、大きなリターンを得ることは難しいものの、安定したリターンを期待できます。また、投資信託の分配金は元本に再投資されるため、利息が利息を生み出す「複利効果」を得やすくなる点もメリットです。外貨預金は元本に対してのみ利息が発生する「単利」で運用される商品が少なくないため、外貨預金よりもMMFの方が利回りは高くなる傾向があります。さらにMMFを円高のときに購入し、円安になってから売却すれば為替差益を狙うことも可能です。例えば1ドル=140円のときに140万円分(1万ドル分)MMFを購入したとしましょう。これを、1ドル=150円のときに売却すれば、1万ドル×150円=150万円になり、差額の10万円が利益となります。そのほかに、いつでも解約できる点もMMFのメリットといえるでしょう。

・MMFのデメリット

MMFは投資信託の一種であるため、元本が保証されている商品ではありません。例えば市場金利が上昇すると、ファンドに組み込まれている債券の価格が下落して、MMFの価格が下落する可能性があります。また、円安時にMMFを購入し、その後円高が進んでから売却した場合には、為替差損を被るリスクもあるでしょう。あるいは、ファンドに組み込まれている公社債の発行体が財政難に直面し、債務不履行に陥るリスクも考えられます。比較的リスクの低い商品とはいわれているものの、損失を出す可能性が全くないわけではありません。



2025年10月23日木曜日

楽天銀行エクステ預金について

 預入期間が延長される可能性があるかわりに、好金利の円定期預金(仕組預金)です。 当初の預入期間は1年ですが、1年ごとに預入期間を1年延長するかどうかを当行が判断します。「15年もの」の場合、最長15年まで延長される可能性があります。原則として中途解約ができません。

分かりやすく書くと「預入期間1年~15年(預けた時点では何年になるか不明)」「1年ごとに銀行が預金を続けるか返金するか決める」「最長で15年まで出金できない可能性がある」「途中解約はできない」なんです。

〇リスク

・資金が拘束されるリスク

楽天エクステ預金にお金を預けると15年間にわたりお金を引き出せない可能性があります。ちなみに普通の定期預金と違い解約はできません。商品の詳細説明に『この預金の中途解約はできません』と記載されています。

・楽天エクステ預金の利回りは高いの?

「15年間使う予定がないなら、高利回りで預けられてお得でしょ?」と思われた方がいるかもしれません。「いや、15年後に金利が下がっていれば儲かるじゃないか」と思いましたか?しかし、そう思った方は楽天エクステ預金の仕組みを理解できていません。「私たちが得する金利になると返金される」という顧客に有利な金利は銀行にとって不利な金利です。延長なんかせず途中でお金を顧客に返してしまうでしょう。楽天エクステ預金の『1年ごとに返還か判断…』は「銀行に不利な金利になったら契約を終わりにしますよ」というだけなのです。

〇「楽天エクステ預金の預入期間は金利で決まる」

なお、私は金融機関の中の人ではありませんので、様々な書籍やネット情報を元にした推測であることはご了承ください。まず、大前提として預入期間は他の金融商品の利回りによって決まります。

・定期預金の金利が上がっても低金利がつづく

たとえば以下のケースで考えてみましょう。

定期預金:0.02%

楽天エクステ預金:0.6%

現在の市場金利だと楽天エクステ預金の0.6%は魅力的に感じます。しかし、これから金利が上昇し普通の定期預金が2.0%で預けられるようになったらどうなるでしょう。お金を0.6%の楽天エクステ預金より2%の定期預金の方がいいですよね。しかし、期間延長を決めるのは銀行です。途中解約もできません。私たち顧客は0.6%の低利回りで我慢するしかありません。

・私たちが有利になったら延長されない

では逆に市場の金利が下がったらどうなるでしょう。わかりますよね。銀行は高い金利を払い続けたくないのですから、預入期間を延長せず、さっさと返金してしまいます。私たち顧客は15年間0.6%の利回りで固定されるという特大のリスクを取って、楽天エクステ預金に投資しました。しかし、延長期間を決められる銀行だけが途中で「やっぱやめた」ができるのです。物凄い不公平な金融商品が楽天エクステ預金なんです。

・「短い期間でも高利回りを得たい」なんて思わないで!

ひょっとして「払い戻されても、高利回の期間は儲かるじゃないか?」と思われましたか。しかし、それは結果論です。楽天エクステ預金に投資する時点で15年間お金引き出せない『資金拘束リスク』があることを忘れてはいけません。また「金利の下落を予想するなら投資していいだろ」と思われたのなら、さらに危険な考えです。

・楽天エクステ預金は金融のプロが考えた金融商品

未来の金利予想は非常に難しいものです。そんな中で金融のプロの方々は全力で未来の金利を予想し、その結果を元に作られた金融商品が楽天エクステ預金です。そして金融商品は基本的に売る側(銀行)に有利に作られます。つまり、金利の下落を予想し楽天エクステ預金の早期払い戻しで利益を得ようとする行為は、「私は金融のプロより金利に詳しいです!」と言っているのと同じなんですよ。


〇楽天エクステ預金(ステップアップ)とは

楽天エクステ預金(ステップアップ)は、円定期預金に『JRE BANKの銀行サービス提供元である楽天銀行(以下、当行とする)が任意に預入期間を延長することができる権利』(以下「延長特約」といいます。)を組み合わせることにより、通常の円定期預金よりも預金利率を高く設定した商品です。預入期間は1年間です。ただし、当行が満期の延長を決定した場合には、預入期間は延長後満期日まで1年延長します。延長有無の判断は毎年行い、預入期間は最長で10年になります。預入期間が延長されるごとに金利が上がる。

※「楽天エクステ預金(ステップアップ)」は原則として中途解約できません。相続や差し押さえなど当行がやむを得ないと認めるもの以外は中途解約をお断りいたします。

※当行がやむを得ないと判断し中途解約を認める場合、元本割れする可能性が高くなります。

〇楽天エクステ預金(フラット)とは

楽天エクステ預金(フラット)および楽天エクステ預金(ステップアップ)は通常の円定期預金に「当行が任意に預入期間を延長することができる権利」(以下「延長特約」といいます。) を組み合わせた商品です。 延長特約を行使する権利は当行にのみ帰属し、お客さまに延長特約を行使する権利はありません(お客さまは満期日を選べません。)。全期間の金利が一定となる。

預入期間が短い場合は、フラット型の金利が有利となり、長くなるとステップアップ型が有利になります。

個人的にはエクステ預金はお勧めしません。僕自身楽天銀行に口座を持っていますがエクステ預金はやっていません。


2025年9月11日木曜日

新株予約権付社債とは?転換社債との違いやメリット・デメリットを解説

 〇転換社債とは

Convertible Bondの頭文字をとって呼ばれるCBは、かつて転換社債と呼ばれていたが「転換社債型新株予約権付社債」が商法上正しい名称である。株式に転換する権利(転換権)を持つ社債のことであり、あらかじめ決められた価格で一定期間内に株式に転換する権利を持った債券ということになる。例えば、転換価格が1,000円と定められたCBを発行した株式会社のその社債権者は株価が上昇して転換価格を上回る1,200円になったとすると、1,000円で転換できる権利があるため、その時点で債券を株式に転換し市場にて1,200円で売却すれば、その差額200円が収益となり、株式を割安に購入したことと同じ結果が得られることになる。逆に、転換価格(1,000円)を下回っていれば転換せずに債券として保有することにより、クーポン収入と額面金額は保証されることになる。このように、債券としての安全性(利息と償還金の確実性)と、株式としての収益性の両面を選択しながら投資できるという特徴がある。


〇発行側のメリット

・株式転換したら自己資本比率が高くなる

社債(負債)が資本になるので自己資本比率が高くなります。

・株式転換すると金利負担が減る

社債の金利負担は減るが配当金の負担は増える。


〇発行側のデメリット

・株式に転換した時に急に大口株主が現れることがある

転換社債を投資ファンド(特に物をいう株主)が取得していた時にその投資ファンドが大口株主になるため、株主総会で対応の仕方が大変になる。株式ではないためいわゆる「5%ルール」に抵触せずに買い集めることができることから、会社や他の投資家に知られることなく転換社債を買い集めて一気に転換し、突然大株主として経営の主導権を握ることも可能である。村上ファンドが阪神電気鉄道に対しこの方法で一気に大株主となり、最終的に阪神は長年のライバルであった阪急電鉄に経営統合させられることとなった。

・株式転換した時に1株当たり純利益や1株当たり純資産額が少なくなる

株式転換すると発行済み株式数の数が増えるのでそうなる

・株式転換すると配当金負担が増える

社債の金利負担は減るが配当金の負担は増える。

・自社株買いにおいて株主総会の決議が必要になる

社債の期日前償還の場合取締役会決議で償還できるが株式転換後の自社株買いを行う場合株主総会の決議が必要になる。

・株価が上昇しなかったら現金で負債を支払わなければならなくなる

株価が期待以上に上昇しなかった場合株式に転換する事が出来ず負債を現金で支払わなければならなくなるため、それが原因で破綻するケースもある。結果として資金繰りが悪化する。ヤオハンのように破綻・倒産した企業もある。


〇投資家側のメリット

・社債であれば定期的に利息収入が受けとることが出来る。

・株式転換した場合配当金が受け取れたり株価が上昇した場合売却益が受け取ることが出来る。


〇投資家側のデメリット

・株式転換した場合、株価が下落したり期待したほど配当金が受け取ることが出来なかったりする場合がある。

株式転換後株式売却前に会社が破綻した場合配当金や売却益を受けたることが出来なくなる。


MRFとは

 〇MRFとは何?

マネーリザーブファンド(追加型公社債投資信託・自動けいぞく投資専用・マル優適格)の略称です。毎日決算を行い、実績に応じて収益(運用の結果出た利益)が分配されます。このときに分配されるお金を分配金と呼びます。分配金は1か月分まとめて自動的に再投資(MRFを買い付け)されます。MRFには以下のような特徴があります。これは銀行の貯金とは異なります。

特徴①「MRFは元本割れのリスクが低い」

MRFは安定運用を行うため、国内外の公社債およびコマーシャル・ペーパー等に投資対象を限定しています。具体的にいうと、「債券を組み入れるのなら格付けが高いもの」、「組み入れた金融商品の平均残存期間は90日を超えないこと」などのルールがあります。株式は投資対象外です。

特徴②「決算、実績に応じて収益が分配される」

運用の成果を毎日計算し、決算、実績に応じて投資対象や、収益分配金が変動します。MRFは高格付け債券、CP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)などの短期金融商品で運用されており、且つ購入単位は1円以上1円単位で、購入後いつでも手数料なしで引き出しが可能です。投資対象の収益は月末にまとめて自動的にお客様のMRFに再投資されます(もちろんMRFの入金額により、月末に再投資される分配金も変わります)。

特徴③「MRFは手数料なしで入出金できる」

原則として、いつでも手数料なしで、1円単位から入出金することができます。

ATMを利用する場合、入出金は1,000円単位からとなります。

特徴④「ATMまたはオンライントレードを利用して入出金が可能」

ネット証券ではネット銀行から入金もできますね。


〇注意事項

銀行預金は元本が保証されておりさらにペイオフ制度によって1,000万円までの預金とその利息が保護されます。 一方、MRFは投資信託であり元本保証はありません。 しかし投資信託には分別管理が義務付けられており証券会社や信託銀行が破綻しても資産が保護される仕組みになっています。



2024年12月31日火曜日

信託口って何?

 よく株式の主要株主の欄を見ていると「日本トラスティサービス信託口」「日本マスタートラスト信託口」と言う言葉を見たことがありませんか。ここで言う信託口とは「投資信託」「年金(厚生年金や国民年金)を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人のこと)」「企業年金」が信託銀行を通じて資金の運用をしていることを示すことを示す表示なんですよ。こういう「投資信託」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」「企業年金」の場合極端に問題があり、信用力の低い会社に投資していることはありません。但し、誤解しないでほしいのは「信託口」が株主になっている会社が絶対に倒産しないとか、問題の会社だと言っているわけではありません。あくまでも当市は自己責任という前提で行う必要性はあります。


FIREになるメリットデメリット

 ○FIREとは

経済的に自立して早期退職を目指します。FIREは資産運用や節約によって資産を築き、働かなくても自由に暮らせる生活を実現することを目指しています。

・従来の早期リタイアとの違い

FIREも従来の早期リタイアも、定年よりも前に退職することには変わりありません。しかし、大きく異なるのが、リタイア後の暮らし方についてです。従来の早期リタイアでは、退職金やそれまでの貯蓄を切り崩しながら生活を送ることが一般的です。リタイア後の生活が長くなるほど資産が目減りしていくため、早期リタイアの実現には多額の資産を用意しなければなりません。一方、FIREでは資産運用で得た不労所得をもとに生活を送ります。リタイア後の生活費は資産運用による利益や配当金でまかなうため、一定の資産を減らさずに生活ができることが魅力のひとつです。もちろん生活費をまかなえるだけの投資元本を築く必要はあるものの、早期リタイアほどまとまった資産を準備する必要がないといえます。


○FIREになるメリット

・自分のペースで生活が出来る

・自分の自由な時間が出来る

・自分のやりたい事で生計を立てることが出来る

・嫌な人と顔を合わせなくても良いことがある

・生活する場所を好きに選べる


○FIREになるデメリット

・社会的信用性がない

銀行から融資を受けたりクレジットカードを作る時に職業が何か聞かれる事があるが無職扱い(又はそれと同等の扱いになる)ため、断られる場合がある。賃貸物件を借りたり結婚したりする時にも社会的信用がないため借りる事が出来ないことが多い

・職歴にならない

就職・転職する時に無職扱いになる(酷い場合にはニートや引きこもりと同等の扱いになる可能性もある)

・年金が国民年金のみになる

会社に勤務していれば厚生年金にも加入することになるが会社を辞めてFIREになれば自営業又は無職と同じなので国民年金だけに加入していることになる。そのため、老後に受け取る年金額も少なくなることになる。国民年金基金に加入したり確定拠出年金に加入したりすれば年金は増えるが、確定拠出年金の場合自分の運用成果によっては余増えない場合もある。

・ある程度の財産があってある程度以上の運用実績を上げることが出来なければ生活費に困ることがある

もともとある程度以上の財産がなければ運用等が出来ないしあっても運用益が少なければ生活が出来ないことは当然です。それに景気動向等によって運用実績も変わりますからね。

・資産運用等の基礎知識がなければ無理がある

・お金が必要な時に必要な金額のお金が手元になくて困る時が出てくることがある


○まとめ

たまに「本や雑誌(名前は出しません)を読んでFIREになって見たいと思った」と言う人がいるのかもしれませんがそういう事は考えない方がいい。勤務先の信用力を利用しながら副業をするとか株式投資をしてお金を稼ぐのが一番良いですよ。たまに「会社を辞めてぼろ儲けをしました」と言う人がいますがその逆もありますから。


2024年3月23日土曜日

元銀行員が教える!使わない口座にお金を放置しているとどうなる?

 残高がわずかになっている銀行口座をそのままにしている人もいるのではありませんか? 銀行口座を放置していると、残されたお金はどうなるのでしょうか? 元銀行員の筆者が説明します。

〇口座に放置したお金はどうなるの?

卒業や転勤、引越し等で新しい銀行口座を開設し、それまで使っていた銀行を利用しなくなるということは多いでしょう。そのとき、今まで使っていた銀行口座のお金をすべて引き出していれば問題はないのですが、使わない口座にお金を残したままでは、いずれそのお金は休眠預金となってしまいます。

休眠預金とは、休眠預金等活用法に基づいて決められており、2009年1月1日以降の取引から10年以上、一度も取引のない預金等(休眠預金等)のことです。休眠預金となってしまった場合には、民間公益活動に活用される決まりになっています。つまり、使わない口座にお金を放置していると、自分のお金が公的なお金に変わってしまうということです。

〇休眠預金の対象になるもの、ならないもの

預金等にはさまざまな種類があるため、すべての預金が一律、休眠預金になるわけではありません。休眠預金になるもの、ならないものは決まっています。

休眠預金になり得る預金等にあたるもの

・普通・通常預貯金、定期預貯金

・当座預貯金、別段預貯金

・貯蓄預貯金、定期積金

・相互掛金

・金銭信託(元本補填のもの)

・金融債(保護預りのもの)

〇休眠預金になり得る預金等にあたらないもの

・外貨預貯金、譲渡性預貯金

・金融債(保護預りなし)

・2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等

・財形貯蓄

・仕組預貯金

・マル優口座

〇休眠預金からお金を引き出すにはどうする?

一度、休眠預金となってしまった場合は、通常の預金等のように引き出すことはできません。休眠預金からお金を引き出すときには、まず取引のあった金融機関に問い合わせてみましょう。手続きをするときには、通帳やキャッシュカード、本人確認書類等が必要になります。なお、通帳等を紛失している場合には、本人確認書類(身分証明書)等があれば対応してもらえますので、あきらめずに問い合わせてみてください。ただし、お金を引き出すまでには時間がかかります。金融機関にもよりますが、少なくても1週間から1カ月程度の時間がかかりますので注意してください。また、相続等ですでに亡くなった人の口座が発見されて休眠預金になっているときにも、所定の手続きを行えば、お金を引き出すことは可能です。ただし、何十年も前の預金でお金の価値が変わっていたとしても、引き出せるのは額面通りの金額です。一番大切なことは、自分の預金等を休眠預金にしないことです。もう、使わない口座があるなら、解約しておくようにしましょう。


文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)


オールアバウト/2024年3月8日 21時40分


2024年2月11日日曜日

NISAなのに課税?「配当金」は受け取り方式に注意

 「憧れの配当生活」「今こそ配当株投資」――。来年始まる新NISA(少額投資非課税制度)を機に「配当金」が改めて注目を集めている。株式投資のリターンは売買益と配当収入に大別できるが、どちらもNISA口座での取引なら、通常なら差し引かれる20.315%の税金がかからない。

〇NISAを機に注目される配当収入

夢があって派手なのは値上がり益だが、結果は株価次第で予測は困難だ。一方の配当は会社が業績予想に基づき、半ば公約的に発表するもの。地味だが堅実で比較的あてにできる存在だ。持っている限り毎年チャリンチャリンと現金収入が得られる。はやりの「ほったらかし投資」向きだが、「ある設定」を間違えたままほったらかすと「NISAにもかかわらずずっと課税されていた」なんて悲劇が起きかねない。一度しっかり確認しておこう。

〇配当金の受け取り方法は4つもある

問題は配当金の受け取り方法の設定だ。証券口座を開く際、どれを選ぶか聞かれるがなんと4つもあるのだ。

①配当金領収証方式

②登録配当金受領口座方式

③個別銘柄指定方式

④株式数比例配分方式

いずれも何度読んでも頭に残らないネーミングな上、証券会社ごとに微妙に呼び方も違うので覚えにくい。ざっくり理解すると、証券口座に入れるか(④)、銀行口座に入れるか(②、③)、現金で受け取るか(①)の違いだ。銀行口座はまとめて1つか(②)、銘柄ごとに口座を変えるか(③)で分かれる。

NISAの場合「株式数比例配分方式」を選ぶ

このうちNISA口座で配当の非課税メリットを享受できるのは④の株式数比例配分方式だけだ。他の方式を選ぶと自分では非課税のつもりでも20.315%の税金が引かれての入金になってしまう。これからNISAを始めるために証券口座を開設する人は悩まず株式数比例配分方式を選び、証券口座で受け取ると覚えておけばいい。問題はむしろベテラン投資家かもしれない。なぜなら昔からのなじみの方法は①配当金領収証方式。ゆうちょ銀行や郵便局で領収証と引き換えに配当金を現金でもらうやり方だ。後に③が始まり、株券の電子化とともに2009年以降、②、④が可能になった。

〇あとで選んだ方式に「上書き」

ベテラン投資家の場合、「配当は領収証を持っていって現金でもらうもの」という認識の人もいるかもしれない。それでもNISAで配当金非課税メリットを享受したければ、株式数比例配分方式を選ぶ必要がある。厄介なのは、配当金の受け取り方法はどれか一つしか選べず、しかも最後に選んだものが全ての口座で適用されることになる。いわば上書きだ。これまで課税口座で①や②、③を選んでいた人がNISA口座開設時に④を選ぶと、すべての課税口座での配当受け取り方法も自動的に変わってしまう。「証券会社に『なぜ入金先が証券口座に変わったんだ』と顧客からの苦情が寄せられるケースもある」(日本証券業協会)

〇「デフォルト」は領収証方式

さらに厄介なのは、もし選ばなかった場合、自動的に振り当てられる「デフォルト」の受け取り方は配当金領収証方式であることだ。NISA口座開設時に自ら確実に株式数比例配分方式を選んでいないと、自動的に領収証方式に振り分けられて課税されている可能性はある。証券保管振替機構によると、個人投資家を中心とする残高のある証券口座は日本に約2898万口座。うち株式数比例配分方式は約1681万口座だが、NISA口座(一般、つみたて)は6月末時点で1941万口座まで増えている。NISAとは関係なく株式数比例配分方式を選んでいる人がいることを考えると「NISAなのに配当の非課税メリットがある口座を選んでいない人」は少なくとも300万人以上はいる計算になる。

〇変更は可能 まずは確認

あくまで株式投資の配当に関する話で、売買益についてはNISAならどの受け取り方式でも非課税になるし、投資信託の分配金は無関係だ。一度選んだ受け取り方式を変更することも可能。対面証券なら丁寧に説明してくれるはずだし、ネット証券の場合はマイページにログインして口座管理画面の自分の情報を変更する項目を操作すればいい。配当の権利確定日前に余裕を持って、一度確認しておくと安心だ。


2023年11月21日 4:00 日本経済新聞


2023年11月16日木曜日

年利9%のドル定期も登場高金利が魅力「外貨定期預金」これだけの落とし穴…FPが解説

 日米の金利差拡大が意識され、10日現在、円相場は1ドル=151円台をうろうろしている。同じ定期預金でも米ドルなどの外貨の場合、年利3%や4%はザラで、キャンペーンで9%を提示する銀行も。かなり魅力的だが、手を出していいものなのか。「銀行に円を預けてもほとんど金利がつかないので、つい始めたくなる気持ちは理解できますが、いくつか注意が必要です」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの飯村久美氏。外貨預金の最大のリスクが為替変動だと指摘する。「1ドル=150円で買ってさらに円安になれば、為替差益が得られますが、逆に円高に振れた場合、為替差損が発生します」昨年10月、32年ぶりに1ドル=150円を突破。円相場は歴史的円安ドル高圏に入ったが、政策金利の高止まりで景気悪化が懸念される米国が利下げに転じ、日本でマイナス金利が解除されれば円高ドル安に傾くことが予想される。「ここから円安になるか円高になるかは日米の金融政策次第で、高い利息を得られても為替差損で大損することも。財務省が為替介入を行えば、一気に5円程度動くこともあります」年利6%の米ドルの6カ月定期に150万円(1万ドル)を預けた場合、6%×2分の1(半年分)の3%から、利息にかかる20.315%が課税されると2.39%になるので、実際の利息は3万5850円になる。ここで要注意なのが、前述の為替変動リスクだ。1ドル=150円で1万ドルを買い、6カ月後に1ドル=160円に上昇すれば、10万円の差益が発生し、利息と合わせれば13万円超のプラスになる。逆に140円に下落して10万円の差損が発生すれば、3万5000円超の利息がパーになるどころか、6万5000円ほど損することに。「為替差益は雑所得なので課税対象になり、雑所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です」さらに、円から米ドル、米ドルから円に替える際に手数料がかかる。「1ドル当たりの手数料はメガバンクで1円、ネットバンクで15銭のところが多く、ネット銀で150万円を1万ドルに替えると1500円が取られ、米ドルを円に替える際も手数料がかかります」外貨の場合、日本円の預金と異なる点も。「金融機関が破綻した場合、外貨は1000万円まで補償されるペイオフ対象外なので、信用力の高い銀行に預けることも大事です」リスクと手間が伴うことを忘れてはならない。


日刊ゲンダイDIGITAL / 2023年11月12日 9時26分


2023年3月3日金曜日

メリットだらけにみえるが…来年スタート「新NISA」に潜む“2つの落とし穴”【投資のプロが解説】

 近年認知度が高まり、徐々に始める人が増えている「NISA(少額投資非課税制度)」。しかし、デメリットも少なくなかったことからこれが大幅に見直され、2024年から「新NISA制度」が導入されることとなりました。今回は、鎌倉投信の代表取締役社長である鎌田恭幸氏が、この新NISA制度に潜む「2つの落とし穴」を解説します。

〇来年から始まる「新NISA制度」…主な変更点は?

金融業界では、令和5年度税制改正に盛り込まれた「資産所得倍増プラン」の実現に向け、目玉施策である「新NISA制度」への関心と、その準備に向けた機運が高まっています。つみたてNISA(年間投資上限額40万円、非課税期間20年)と一般NISA(年間投資上限額120万円、非課税期間5年)のいずれか1つを選択する 現行のNISA制度は、令和6年(2024年)1月から主に以下のような点が変わろうとしています。「1.「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に枠組みが変わり、その併用が可能 」「2.年間投資上限額が、最大360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)に大幅に拡大」「 3.非課税保有期間の無期限化」「 4.生涯非課税限度額が設定され、最大1,800万円に(非課税限度額は生涯利用可能であり、「簿価(=取得価額)」で総枠が管理され、保有する有価証券をいったん売却して再投資した場合も適用されるなど、非課税枠の再利用が可能)」「 5.制度の恒久化」このこと自体は、現在のNISA制度と比べると利便性も高まり、個人投資家の資産形成に大きく貢献する可能性があるので、筆者は好ましいと考えます。その一方で、個人投資家や運用商品を提供する資産運用会社は、次のような落とし穴に入り込まないように、自らの投資姿勢をしっかりと持っておきたいところです。

〇新NISA制度の「2つの落とし穴」

1.投資家…販売会社による「囲い込み」

NISA口座が複数の金融機関で同時に利用できないことから、1,800万円の投資資金の総取りを狙って、金融機関による獲得競争が激化することが想定されます。その際、成長枠については株式投資も可能なため、株式を扱える証券会社の営業マンから「銀行などの他の金融機関よりも有利である」などといった誘い文句が聞こえてきそうです。また、違う観点からは、「簿価(=取得価額)」で総枠が管理されるため、短期売買を目的とした投資勧誘や、個人投資家のリスク許容度や運用姿勢などに適合しない投資勧誘が増えることも気がかりです。そのため個人投資家は、本当に顧客の立場に立って運用商品を提供したり、説明責任をしっかりと果たしてくれる金融機関を選択する必要があります。筆者が経営する資産運用会社でも新NISAに係る勉強会などを実施していますが、書籍を読んだり、そうした勉強会に参加したりするなどして、自ら改めて考えて資産形成に取り組むことが肝要です。「自ら考えること」は、資産形成で成功するうえで、とても重要な要素なのです。

2.運用会社…「販売会社依存」の業界体質への逆戻り

一方、運用商品を供給する側である資産運用会社にも、新NISA制度によって明確なポリシーが求められることになります。富裕層を除く多くの個人投資家の場合、生涯を通じた資産運用額は、新NISAの生涯非課税枠1,800万円の範囲内に収まる可能性が高いです。その結果として、NISA口座を多く保有する販売力の強い販売会社は、資産運用会社よりも立場が強くなるかもしれません。そのため、資産運用会社は、販売会社依存の体質から脱却し、資産運用会社の独立性を高め、運用力の高度化を図ろうとする現在の流れに逆行しないよう、受託者責任を強く意識したいものです。

〇より重要視される「金融教育」

こうした動きとは別に、近年、「金融教育」や「金融リテラシー」という言葉をよく見聞きするようになりました。今年度から段階的に、小・中・高校向けの教育指導要領のなかに、経済や金融の仕組み、生活設計や資産運用、さらにはキャリア形成が盛り込まれるなど、今後、金融についての学びがより身近なものになりそうです。また、学校だけではなく、社員教育の一環として「資産形成」を社員自らが考える機会を提供する会社も増えており、弊社もそうした場に声をかけられることが多くなりました。長く地道な取り組みになりますが、なるべく早い時期からお金や資産形成に係る学びに触れることは、新たなNISA制度を活かすうえで、重要な施策のひとつです。

・「金融教育」の定義

そもそも、金融教育や金融リテラシーといった言葉で表現される金融の学びとは、どのように定義されるものなのでしょうか。広く金融の学びを推進している金融広報中央委員会によると、「金融教育は、お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育である」として、金融教育プログラムは「社会のなかで生きる力を育む授業である」と謳っています。筆者は、お金について考えることは、単なる知識を得ることではなく、人生そのもの、つまり自分の価値観や人生観を深めるためのものだと思ってきましたから、こうした定義に違和感はありません。一方で、学生向けの授業を「主体的に行動できる態度」や「生きる力を育む」ものにしていくためには、単に教える授業で終わらせずに、より生徒に腹落ちさせることが求められのではないでしょうか。

〇金融教育キャンプに参加して…筆者が得た「気づき」

昨年夏、ある団体が主催し、弊社が協賛する小・中学生向けの「金融教育キャンプ」に参加してきました。2泊3日で開催されたキャンプでは、前半で金融についてひと通り学んだあと、最終日には「自分や周り、社会の困りごとはなにか」という視点から自ら事業を考え、発表するというプログラムがありました。参加した子供たちは、いくぶん緊張気味のなか、一所懸命に考えた事業アイデアを披露していました。たとえば、国民が健康に暮らすための保険会社を考えた小学2年生、自由に出歩くことができない高齢者などの買い物をサポートする事業を考えた小学4年生、子供の発想力を高めるための場をつくる事業を考えた小学6年生……。筆者はその豊かな創造力とたくましさに感心しました。しかし、それと同時に、「子供たちのなかには、主体的に行動できる態度や生きる力はすでに備わっており、それを大人が教えるというのは、おこがましいのではないか。むしろ、その潜在的な力を“発揮させる場”が必要ではないか」と思ったのです。また、こうした子供達に、“表面的”な金融の知識を教えることは必要ない、とも感じました。そこで検討に値すると考えるのが、「高校にある『普通科』といった曖昧な学科をやめ、たとえば「起業科」などといった、目的を明確にした学科を設置する」という案です。大学受験を目的とした進学クラスを設置している高校はよく見かけますが、それと同じように、起業家を目指す起業科クラスをつくってはどうでしょうか。そこで、金融にとどまらず、経済の仕組みや会社経営に必要な知識を学び、社会課題やそれを解決する事業アイデアを創出し、その事業を実現するために必要な語学やITなどのスキルを自ら選択して学ぶのです。実際に会社を設立したり、学生起業家が集う海外の高校に留学したりできる仕組みをつくることもよいでしょう。この構想は、筆者の知人である山本敏行氏(Chatwork株式会社の創業者)が、起業家と投資家の育成支援に取り組むなかで提唱されているものですが、筆者もこの意見に賛成です。時間はかかると思いますが、新NISA制度と、人の自立心や好奇心などを喚起する真の金融教育とが上手くかみ合って、個人の資産形成のみならず、日本の社会・経済の発展につながることを願っています。そこに、新NISA制度の究極の目的があるのではないでしょうか。

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鎌田 恭幸

鎌倉投信株式会社

代表取締役社長

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幻冬舎ゴールドオンライン / 2023年3月3日 9時15分


2022年5月8日日曜日

「FXで稼ぎませんか」という詐欺、その巧妙な手口とは2020年から被害急増、背景にアプリとSNS

 「FXで稼ぎませんか。損はさせません」。こんな誘い文句で投資を勧められ、金をだまし取られる被害が多発している。国民生活センターへの相談件数も2020年度から急増。原因のひとつは、悪質業者が勧誘時にアプリやSNSを駆使し、より多くの人に簡単にアクセスできるようになったこととみられる。さらに、手口も巧妙化している。(共同通信=成田隼、岩井美郷)

まず、FXについて簡単に説明する。FXは外国為替証拠金取引のことで「Foreign Exchange」の略称だ。日本円と米ドルなど、異なる国の為替相場を予測して売買し、利益を狙う。一定の証拠金を業者に預ければその何倍もの金額を運用できる。このため、元手が少なくても多額の利益を得られる可能性がある。一方で相場急変時など、失敗をすれば巨額の損失を出す危険もある。インターネットを通じて手軽に売買できるため、会社員や主婦にも広まった。

▽逮捕者は8人、被害額は1億5千万円

「預かったお金はこちらで運用いたします。あなたは何もしなくていいですから」電話でこんな風に誘い、FXへの投資を持ちかけて現金をだまし取ったとして、警視庁は2~4月に詐欺容疑で20~30代の男9人を逮捕した。警視庁によると、被害者は全国20都道府県に住む20~80代の男女約50人で、被害総額は計約1億5千万円に上るという。だまし取った金の一部は暗号資産(仮想通貨)に換えていた。逮捕された男らは架空の証券会社代理店「オーシャンプロジェクト」の社員を名乗っていた。彼らの手口はこうだ。まず、勧誘した人に「Trading Forex(トレーディングフォレックス)」という海外の証券会社で口座を開設すれば「取引で使えるポイントが付与される」と持ちかける。次に取引用のアプリ「Meta Trader4(メタトレーダーフォー)」をスマートフォンなどにインストールするよう勧める。このアプリ自体は多くの投資家が実際に利用しているもので、利用者が証券会社を選んで取引できるプラットフォームだ。実際、長崎県の50代の男性は担当者から「特典で最初に50万ポイントが付きます」と説明を受け、取引を始めた。アプリを見ていると、特典の50万ポイントが値上がりし、1万5千円ほどの利益が出たと表示された。

▽でっちあげられていた運用状況のチャート

さらに、担当者は「利益を大きくするために100万円投資しませんか」と持ちかけた。男性は21年7月に約70万円、翌8月に約30万円を入金した。その後もアプリを開いて見ていると「面白いように利益が上がっていた」。このため、担当者に電話し「利益が出ているので出金したい」と伝えた。ところが、担当者からは「運用開始から3カ月は出金できません」と拒まれた。男性はそこで初めて「おかしい」と疑念を抱いた。事前にそんな説明はなかったためだ。詐欺の可能性が脳裏をよぎり、何度も出金するよう訴えたが、応じてもらえなかった。入金から約2カ月後の10月、別の担当者から電話がかかってきた。「アプリのシステムトラブルが発生してFX投資の運用に支障が生じています。申し訳ないですが、現段階で残金の出金手続きを取りましょう」と言われた。男性は利益が上乗せされて戻ってくると思っていたが、実際返金されたのは約3万円だけ。担当者は「投資の損失が発生した」と説明した。もうかっていたはずなのに、どうして3万円しか戻ってこないのか。実は、指定されたアプリで証券会社を「トレーディングフォレックス」と選択すると、運用状況をでっち上げたチャートが表示される仕組みになっていた。トレーディングフォレックスはホームページなどでインド洋の島国セーシェルに本店があるとしていたが、経営実態は分かっていない。ホームページも現在は閉鎖されている。関東財務局は昨年10月、無登録でFXの勧誘をしたとして金融商品取引法に基づき同社に警告を出していた。警視庁の捜査幹部は「実在のアプリを使って信用させるなど、非常に手が込んでいる。実際の被害の規模はもっと膨らむ可能性がある」と話している。

▽被害急増、連絡が取れなくなる業者

国民生活センターによると、FXに関する相談件数は11~19年度まで500~700件台で推移していたが、20年度に1586件と急増し、21年度は3千件に迫る。相談者は40代、50代の男性が目立つ。マッチングアプリやSNSを使って犯行グループがターゲットと接触しやすくなっているのが要因とみられる。九州に住む40代の男性は、SNSで知り合った外国人から海外業者のサイトを紹介された。日本国内にある銀行の個人名義の口座を指定され、まず約60万円を入金。取引開始後、業者に「利益の一部を引き出したい」と伝えた。すると、引き出す金額の40%を先に振り込むよう指示された。紹介者の外国人からも「手数料として必要だ」と説明を受けた。怪しいと思ったが、そのうち業者とも外国人とも連絡が取れなくなった。東京投資被害弁護士研究会代表の坂勇一郎弁護士は「勧誘の手口がアプリやSNSにシフトし、電話や訪問より少ない労力で大人数に接触できるようになった。プロフィルから資産が多そうな相手を絞り込むなど、効率的にアプローチしている」と指摘する。

▽悪質業者の照会に応じない運営会社

では、勧誘してくる業者が悪質かどうかをどうやって見分ければいいのか。金融庁によると、FXは金融商品取引法に基づいて登録を受けた業者しか取り扱えない。海外でライセンスを持っている業者でも、日本で無登録のまま営業をすることは禁じられている。金融庁はホームページで「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」を公表しているため、まずはここで実在する業者かどうかを確認した方がいい。

※金融庁のホームページのURLは https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html

金融庁の担当者は「必ず事前に業者の登録の有無を確認し、無登録の業者との取引は避けてほしい」と注意を促している。坂弁護士によると、悪質な業者がはびこる背景にはアプリやSNSの運営会社の対応もある。取引した相手がどういった人物だったのかという照会を運営会社に依頼しても、個人情報保護や通信の秘密を理由に、開示に応じないことが多いという。開示されたとしても、本人確認が甘く、登録情報がでたらめの場合もよくある。このため犯人までたどり着けず、泣き寝入りせざるを得ないケースが後を絶たない。「被害者が被害回復を求めたり、捜査機関に相談したりしやすくするためにも、運営会社の協力を得て情報を適切に開示する仕組みが必要だ」と訴えている。


2022/4/23(土) 10:02配信 47NEWS


2022年3月12日土曜日

ロシア発「世界金融危機」への秒読みが始まった! デフォルトの“Xデー”は4月4日

 格付け大手フィッチ・レーティングスは8日、ロシアの信用格付けを6段階引き下げ、「C」とした。欧米などによる制裁強化を受け、ロシアが「デフォルト(債務不履行)寸前」の状態にあるとの見方を示した。デフォルトの「Xデー」はズバリ、4月4日と目され、ロシア発の「世界金融危機」に発展する恐れがある。

 ◇  ◇

デフォルトとは期限通りに債権の元本や利息が払われないこと。経済制裁を食らうロシアが、これから迎える期限に耳をそろえて支払えるのか、世界が注目している。プーチン大統領は日本などを「非友好国」に指定。ドルなどの外貨ではなく、自国通貨ルーブルで債務を返済しようとしているが、持ちこたえられるのか。ロシア国債や政府機関債など「ソブリン債」の次の支払期限は3月16日。3月中に計7.3億ドル(約840億円)が期限を迎える。「3月は何とか乗り切っても、4月4日期限の21.3億ドル(約2400億円)のドル建て元本返済払いは、ほぼ不可能でしょう。日に日に価値が下がるルーブル払いに債権者が納得するはずはない。4日の不払いを受け、4月中にデフォルトが確定する公算が大きい」(兜町関係者)

金融ジャーナリストの小林佳樹氏はこう言う。「世界的に低金利が長期化する中、利回りの高いロシア債は人気がありました。天然ガス、原油、アルミなど豊富な資源に恵まれ、経済的にも比較的安定していたからです。2014年のクリミア併合以降、経済制裁を科されても、投資家はロシア債を買い続けました」ロシア向け債権は世界で約18兆円に上り、日本の3大メガバンクは5000億円を抱える。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は昨年3月末時点で約2200億円のロシア関連資産を保有。うち債券が約500億円、最大手ズベルバンクなどの株式が約1700億円だ。


○守られない海外債権者の債権は紙くず同然に

1998年の通貨危機でロシアはデフォルトを経験している。原油価格が低迷し、苦しい経済環境の下、米国の利上げに引きずられ、政策金利を大幅に上げたためだ。ロシア国債を大量に抱えていた米大手ヘッジファンドのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)は破綻に追い込まれた。今回は当時よりも、タチが悪いという。「世界的な金融危機に発展する恐れがあります。今回、デフォルトを機にロシア投資で稼いできたファンドや商社が破綻に追い込まれるケースも十分考えられます。さらに、98年のロシア通貨危機より深刻な事態に陥る恐れがある。この際のデフォルトでは、IMF(国際通貨基金)を中心に世界がロシアに手を差し伸べました。その結果、ロシア経済はV字回復し、ロシア債を保有する海外の債権者もある程度、守られたのです。当時、ロシア国内はソ連崩壊後の混乱が続いていましたが、世界とケンカしていたわけではなかった。しかし、今回は少なくとも西側諸国やIMFがロシアを助けることはあり得ません。ロシア経済の破綻に加え、海外の債権者は守られることなく、債券が紙くず同然になりかねません」(小林佳樹氏)戦争の長期化に加えて、深刻な金融危機に見舞われたら、世界経済は一体、どうなるのか。


日刊ゲンダイDIGITAL / 2022年3月9日 15時42分 


2020年3月14日土曜日

株式投資初心者がやってはいけない投資運用の方針

どこからどこまでを投資初心者というのかという明確な基準はないのだが、「経験が浅い」「自分で判断するのに自信がない」(それ以外にも基準はあるのだろうが)と思う人はここで言う「投資初心者」という範疇であるという前提で話は聞いておいて欲しい。あくまでもここに書いてある内容は私自身の主観的意見であるという前提で話は聞き流しておいて欲しい(投資はあくまでも自己責任であり私には責任を取ることは出来ませんので参考意見というふうに聞き流してくださいね)。
投資においてやってはいけない(やらない方が良い)方法をいくつか挙げておきます(ここに書いてある内容はあくまでも参考程度にしておいてください)。
①外貨建て投資
外貨建ての投資運用の全てが悪いというわけではない。円建て運用に比べて為替リスクというリスクの項目が増えるということを考えて欲しい。確かに外貨建ての運用をすることにより円建ての通常の運用と為替差益の両方で儲けることが出来る場合もある。ただし為替差益が発生するということは為替差損による損失が発生する可能性があるということである。円建ての運用であれば「国内の情勢だけを見ればよい」「為替リスクや国外の経済情勢(カントリーリスク)について考える必要がない」「発行している企業の情報だけ(厳密に言えばこれだけ見ていてもよいというわけではないが)を見ていれば良い」という意味で楽である。但し外貨建ての金融商品になれば「国外情勢(カントリーリスク)」「為替リスク」という部分にまで気を配らなければならないという事をよく考えて欲しい。
②新興市場(マザーズ等)に上場している銘柄に投資する時は慎重に
新興市場(マザーズ等)に上場している銘柄が全ての意味で悪くて東証等に上場している企業が全ての意味で優れているとは言い切れないことは事実だ。しかし新興市場(マザーズ等)に上場している銘柄は東証等に上場している銘柄に比べて上場審査が緩いため、不安な部分がある事は事実だ。特に平成27(2015)年3月末日までに新興市場(マザーズ等)に上場した会社は絶対にやめておいたほうがよい。平成27(2015)年3月末日までに新興市場(マザーズ等)に上場した会社は平成27(2015)年4月1日以降に新興市場に上場した銘柄に比べて審査が緩かった(株式上場後に業績見通しを下方修正する会社が多かったため、証券取引所が上場後の業績見通しについて慎重な見通しを上場時に公表するようにと通知したらしいです)。これを知っていて投資をするのなら止めはしない。但し損をしても私の責任ではない。
③自分の勤めている会社の株式を購入してはいけない(ストックオプションも気をつけた方が良い)
自分の勤めている会社については自分がよく知っているので積極的に投資すべきではないかと思う人が多いが、この考え方は根本的に間違えている。よく考えて欲しい。高度経済成長期やバブルの時期には上場企業が倒産することはほとんどなかった。この時期はまともに仕事をしなくても給料があがり、株価が上がり配当収入も増えた。しかし、バブルが崩壊してからは倒産する会社が増えていることは言われなくても分かるはずだ。仮に倒産しなかったとしても上場廃止になった会社はいくらでもある。「上場廃止になったが経営状態がよくなって再上場する会社はほとんどない(あるにはあるが再上場せずに人知れず破綻する企業もある)」「上場企業が会社更生法や民事再生法を適用して上場廃止になり再上場する会社はほとんどない(あるにはあるが再上場せずに人知れず破綻したり、再度会社更生法や民事再生法を適用して話題に企業もある)」という事実から考えて自分の勤めている会社の会社の株は購入しない方がよい(自分の勤め先がなくなり、給与所得がなくなり、配当収入がなくなり、所有していた株式が紙くずになったらどうなるのか考えようということです)。
④自分の給与振込口座(又は給与振込口座のグループの証券会社)で「運用」をしてはいけない
自分の給与振込口座(又は給与振込口座のグループの証券会社)で「運用」をするなというと「なぜ駄目なのですか」と聞く人がいるがこれは非常に重要なことである。銀行側に「自分のボーナスや給料の振り込まれる時期が把握されている」「ローン残高やクレジットカードの残高や引き落とし日などが全て把握されている」からなんですよ。この情報を把握されている状態で運用をすると相手のペースに乗せられてしまうということを理解しておこう。
⑤無配の会社は気をつけよう
無配の会社が全ての意味で悪いというわけではない。「意図的に配当金を出さない(又は少ない目に配当金を出す)」という会社はある。例えば「財務体質強化のため(借入金や仕入れ債務等を減らすことにより銀行や仕入先との関係を円滑にしたいという事を含む)」「投資家よりも従業員の方が大切だから(こういう会社は勤めるのには最適な会社だが投資をするのには余り良くない場合が多い)」「自社株買いを行うため(自社株買いは配当限度額以下でないと行えない)」「時期以降の会社の成長戦略のためにお金を利用をしたい」というケースがある。こういう場合は前向きな考えによるものだと思う。しかし「経営状態が悪いから配当金を出せない」というケースは後ろ向きな場合ですね。こういうケースは株主総会でも嫌な雰囲気になりますね。それと1番よくないのは「経営状態がよい時に配当金をがばがば出すくせに経営状態が悪くなった時に急に無配にする(又は配当金を減らす)」というのも考え物です(こういう経営者は調子に乗りやすい性格である可能性もあります)。
⑥会社の財務諸表を見る(「連結剰余金マイナス(利益剰余金がマイナス)」「キャッシュフロー計算書において営業活動におけるキャッシュフローが2期以上連続してマイナスである」「継続企業に関する注記に関する記載がある」場合は新規に投資をしないだけでなく即売却の準備をすること)
・「連結剰余金マイナス(利益剰余金がマイナス)」
「連結剰余金マイナス(利益剰余金がマイナス)」とは企業に利益の蓄積がない(経済的余裕はない)実質的に債務超過状態にあるということです。わざわざこういう会社の株を買う必要性は無いですね。
・「キャッシュフロー計算書において営業活動におけるキャッシュフローが2期以上連続してマイナスである」
キャッシュフロー計算書とは貸借対照表や損益計算書では分からない、キャッシュ(現金)の流れを表したものである。この中における「営業活動におけるキャッシュフロー」とは本業におけるキャッシュフローの流れを示している。「営業活動におけるキャッシュフロー」は「会社が企業活動による現金を生み出す能力」に直結しているのでプラスであることが好ましい(マイナスだったからといって絶対的に悪いというわけではない)。しかし、明確な理由もなく2期以上連続して「営業活動におけるキャッシュフロー」がマイナスになっている企業は何がしかの不安要素がある。「売上が悪い」「売上債権(売掛金等)の回収が上手く行っていない(貸し倒れが発生している)」「赤字決算を避けるため、売上を意図的に増やす(売上と売掛金を計上してごまかしている)粉飾決算を行っている可能性がある」などの事情が考えられる。こういう企業に関しては新規投資をしない方がよい(近寄らない方が良い)。
・「継続企業に関する注記に関する記載がある」
「継続企業に関する注記」って何という人もいるので解説しておこう。「継続企業に関する注記」とは赤字を継続するなど企業活動としての存続が怪しい(疑わしい)企業(要は危ない会社と思えばよい)に対して会計監査を担当する監査法人は決算書に「継続企業に関する注記」という注記を付け加えなければいけないことになっている(決算書の財務諸表にあるキャッシュフロー計算書の次にある「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況」という項目で確認できる)。この注記が記載されているということは、会社がもう存続するだけの価値がない(会社が継続して事業活動をしていくだけの余裕がない)という事を示していることです。この注記が掲載されている会社に関しては新規投資をしないということだけでなくその会社の株式をすぐに売却することにしたほうがよい(例え希望する金額で株式が売却できなったとしても)。損切りの意味で売却しよう(株価が回復するのではという変な期待は持たない方が良い)。

⑦会社の財務諸表を見る(「担当している監査法人と関係が上手く行っているかについて注意する」ことも重要な要素である)
「監査法人が適性意見を出さない(又は出せない)」については気をつけた方がいいと思う。監査法人が適性意見を出さない(又は出せない)又は結果発表について一時保留みたいなことを言った場合は何がしかの悪い事情があるケースが多いですね(絶対に悪いとは断定できないが後ろ向き名話があると思ってよい)。
「監査法人が変わるということは何か事情がある」という意見がありますが、この点については説明が必要ですね。「前向きな場合」「後ろ向きな場合」に分けて説明しようと思う。
・「前向きな場合」とは
「監査法人を4~5年毎に変更しなければいけないというルールがありそれに従って変更した(永年同じ監査法人の同じ担当者が監査すると癒着の様なことが起こり、粉飾等を見落としたり、意図的にいい加減な監査を行ってしまうケースがあるそうです)」「他社の連結対象の会社になたっため、親会社(筆頭株主含む)と同じ監査法人に変更した」「監査法人側の都合により監査法人を変更せざるを得なくなった(監査法人が廃業をしたとか、監査法人が金融庁から営業停止処分を受けたとか、監査法人がよその上場企業の監査で粉飾決算を見落とした等で話題になってしまった等)」という場合です。この場合については会社のホームページ(IR関係のページ等)に理由が書いてあったり、決算書類に書いてあるケースがあります(書かないといけないという法律があるわけでない)。
・「後ろ向きな場合」とは
監査法人が適性意見を出さない(又は出せない)状態(この状態を「意見不表明」という)になったため変更せざるを得なくなった。監査法人が適性意見を出さない(又は出せない)状態(この状態を「意見不表明」という)になると、監査法人が「決算書の内容が正しいかどうか判断できない」と表明した事になり、企業は上場廃止に直面する重大な局面を迎えることになる。そのため、企業は審査の甘い監査法人を変更して意見不表明を回避することがある。突然の監査法人の変更について明確な理由が分からない場合は何か裏があると見ていい。
⑧投資格付け会社における投資格付けが投資不適格の場合は投資してはいけない。
株式に対する指標ではないが、投資格付け会社の評価も参考にしたほうがよい。「債務不履行の可能性が高い」「債務不履行の安全性が低い」という評価がされている来魚への投資は避けた方がよい。確かに投資格付け会社の評価がA格の銘柄でも突然破綻することもたまにある。確かにアナリストは自分の資金で株式投資をしてはいけない(職務上株式投資が禁止されているのが普通)ため、一般投資家に比べて必死さがかけている面があるのかもしれない。しかし素人に比べれば、格付け対象企業の財務状況をかなり詳しく調査しているはずなので、少なくとも「アナリストが危険信号を発している銘柄」に近づくことは避けたほうが良い。
参考に投資格付け会社のサイトを紹介しておく。
ムーディーズ:https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx
S&P:https://www.standardandpoors.com//ja_JP/web/guest/home

2019年11月30日土曜日

高金利はエサ? 退職金を背負ったカモにならないために

○サケの産卵を待ち構えている数多くの敵
鮭(サケ)は、川でふ化して海洋に向かい、数年間を経た後に母川へ戻って産卵活動を行います。川を遡上する時は、ヒグマや猛禽類(鷹やミサゴなど)など天敵の餌食となるサケも少なくありません。そして、険しい川を遡上し切り、産卵を終了した後で命が絶えます。しかし、その産卵を待ち構えている敵も多く、苦難の末に産み付けられた卵が、キツネなどの小動物、鳥、ヤマメなど他の魚によってあっという間に食べられてしまうケースが少なくありません。
○退職金は人生で最も大きい金額を手にする機会
さて、話は変わりますが、長い人生で、まとまったお金を一度に手にする機会が何度かあります。人によって異なると思いますが、多くの場合、最大の金額は退職金(正確には退職一時金、以下「退職金」)ではないでしょうか。2000年代以降、企業の退職給付制度の見直し・多様化により、必ずしも退職時にまとまった金額を手にするというわけではなくなりました(退職金の分割前払い制度など)。それでも、多くの人にとっては依然、退職金は重要な財産になっています。特に、定年まで長期間勤め上げた人は、その金額も多額になり、老後の生活を左右する重要な財源になることは間違いないでしょう。また、定年を待たずに早期退職を適用した人にとっても同じ状況と考えられます。退職金の額は、職種、勤務期間、勤務時の待遇面、勤務先の業績など様々な要因で異なりますが、支給される金額が数千万円になることも珍しくありません。もちろん、数百万円の人もいるでしょうが、その人その人にとって大きな金額であることは確かです。いずれにせよ、ほとんどの人にとって、退職金の受領は、人生で「最大」の金額を手にする「最後」の機会と思われます。
○退職金を標的とする金融機関の商品サービスは多い
したがって、この退職金の使用は、慎重の上にも慎重を期すべきであることは言うまでもありません。ギャンブルや無計画の浪費は論外であり、リスクの高い投機的な投資も避けるべきです。確かに、65歳など一定年齢に達すると多くの人は(退職金とは別に)年金を受給できます。しかし、ある程度の余裕がある老後生活を過ごすためには、それだけでは十分でないことは、今年話題になった「老後の2,000万円不足問題」を持ち出すまでもなく明らかではないでしょうか。しかし、世の中には、そうした退職金を目当てにするビジネスが数多くあります。ビジネスということは、相手が利益獲得を目的にしていることであり、言い換えれば、重要な退職金が“標的”とされていることを意味します。そう、冒頭に記したサケの卵のように狙われているのです。その1つが、金融機関(主に信託銀行やメガバンク等)の“退職者向け特別プラン”という類の金融商品です。これは、支払調書などで退職金であることが証明された資金に対し、優遇金利や無料相談などを提供し、預入に結び付けるサービスを指します。
○3カ月定期預金が税引前7.05%! 大盤振る舞いの「退職金特別プラン」
それでは、その商品(サービス)を具体的に見てみましょう。実例として、M信託銀行が提供するその商品は「退職金特別プラン~退職者とそのご家族限定」というネット広告で、様々なところで見ることができます。そこからM信託銀行のHPにアクセスすると、「定期預金コース」と「投資運用コース」の2つが紹介されます。以下、見出しの抜粋です。
定期預金コース:スーパー定期3カ月 最大年1.05%、新型定期預金3年 最大年0.28%
投資運用コース:スーパー定期3カ月 <運用50タイプ>最大年7.05%、<運用20タイプ>最大年2.85%
この中で断トツに目を引くのが、何と言っても投資運用コースの「スーパー定期3カ月 <運用50タイプ>最大年7.05%」でしょう。3カ月限定とはいえ、7.05%(税引後5.617%)です!
現在、スーパー定期や大口定期の金利は預入期間・金額に関係なく年0.01%(税引後0.00796%)です。つまり、たとえば1,000万円預けても利息が年800円弱(税引後)しか付きません。それが、3カ月で約138,500円(税引後、注)も利息が付くなんて、にわかには信じられない商品です。
注:1,000万円×5.617%×(90日÷365日)=約138,500円
○大盤振る舞いの高金利は、投資信託の購入とセットでないと享受できない
“何て魅力的なプランなんだ!”と歓喜する人が大勢いるのではないでしょうか。しかし、冷静に考えて下さい。金融機関がそんなに親身で親切なはずがありません。実は、この商品の内容には続きがあります。実際の商品説明は細かくて長いので、筆者が大枠だけザックリ説明すると、この信じられない高金利(税引前7.05%)を享受するためには、スーパー定期に預入する金額と同額以上の金額で投資信託(含むファンドラップ、以下同)を購入しなければならないのです。しかも、総額(=定期預金+投資信託)は500万円以上でなければなりません。商品にあった「運用50タイプ」とは、50%以上を投資信託で運用するという意味だったのです。
○投資信託は元本保証のないリスク金融商品であること再認識するべき
言うまでもなく、投資信託は元本保証でないリスク金融商品です。一方で、販売手数料が高く、運用手数料も徴収できる投資信託は、金融機関の収益の柱の1つになっています。そのため、このM信託銀行だけでなく、どの金融機関も投資信託の販売を強化しています。M信託銀行の商品に戻ります。たとえば、支給された退職金が2,000万円とします。このうち半分の1,000万円を特別プランの高金利定期預金に預入するためには、残りの1,000万円で投資信託を購入しなければなりません。確かに、3カ月後には138,500円(税引後)の利息を得られます。しかし、購入した投資信託が値下がりすれば、その得た利息額は一気に吹き飛ぶどころか、その何倍もの評価損失(あるいは実現損失)を抱え込む可能性もあるのです。目先3カ月間の高金利に魅せられたため、結果的には大切な退職金を大幅に減らすリスクがあるというわけです。もちろん、購入した投資信託が値上がりすれば、定期預金の高額利息の何倍ものリターンを得る可能性もあります。こうしたリスクを承知の上で、老後の生活を見据えて退職金をさらに増加する方法を選択するのかは、まさしく“自己責任”となりましょう。
○金融機関へ相談するときには「カモネギ」になるな
そうは言っても、人生で最後に手にする多額のお金です。退職金の運用方法などで金融機関にアドバイスを求めたい人も少なくないと思われます。筆者も決して反対しません。ただ、何の予備知識も持たず、“もう、全てお任せします”というスタンスで相談しに行くのは絶対に止めるべきです。それは、金融機関から見れば典型的な「カモネギ」(鴨がネギを背負ってやって来る)になるからです。最後に一言だけ言わせて下さい。退職金は人生で最後にもらうまとまった金額です。次はありません。失敗は許されないのです。
LIMO / 2019年11月29日20時20分