2021年12月16日木曜日

吉村知事大阪市議の時も在職2日でボーナス・月給を316万円満額受給

 2015年10月に衆院議員を辞職した際、在職1日で10月分の文書通信交通滞在費(文通費)100万円を満額受給していたことが判明した吉村洋文・大阪府知事が、2014年12月に大阪市議会議員を辞職した際にも、在職2日でボーナスに相当する期末手当と12月分の月給にあたる歳費を満額受給していたことが「週刊文春」の取材でわかった。

○11月中に辞職していれば125万が…

吉村氏は日本維新の会の前身である維新の党から同年11月25日に衆院選候補者として公認を受け、12月2日に市会議員を辞職。同年12月14日の衆院選に大阪4区から出馬し、比例近畿ブロックで復活当選を果たしている。小誌が大阪市議会事務局に確認すると、吉村氏が11月末までに辞職すれば、期末手当の支給額は満額の238万6千円ではなく、その8割の190万8千円だったが、12月1日以降に辞職したために満額支給されていた。また、歳費も12月分の満額である77万6千円が支給されていた。つまり、吉村氏は12月に2日間だけ市議に在職したことで、ボーナスと月給の合計約316万円を満額受給していたのだ。11月中に辞職していれば、期末手当の差額と歳費の約125万円分、税金の負担が減ったことになる。吉村氏に質問状を送ると事務所が次のように回答した。

○職責を果たしたもので、何ら問題はない

――期末手当をもらうために、辞職日を調整した?

「期末手当を念頭に置いての立候補、辞職はございません。衆議院選挙への立候補に伴う自動失職という形での失職です」

――歳費も満額受給しているが、税金のムダを省くためには11月中に辞職すべきだったのでは?

「自動失職となる立候補日まで大阪市北区選出の大阪市議会議員として活動し、その職責を果たしたものでございます。よって何ら問題はないかと存じます」

○文通費では<これが国会の常識、おかしいよ>と厳しく批判

立候補日まで「職責を果たした」と主張する吉村氏だが、実際には11月25日付で市会運営委員会の委員を辞任し、それ以降は委員会等には出席していない。日本維新の会は今年10月末の衆院選で当選した議員に、在職1日で1カ月分の文通費が満額支給されていた問題を追及し、副代表の吉村知事も<これが国会の常識。おかしいよ>と厳しく批判していた。しかし、吉村氏は衆院議員を辞職した際に、在職1日でひと月分の文通費を受給していたことが判明した際、受給分を寄付する意向を示したが、今回の“満額受給”についての対応も注目される。12月15日(水)16時配信の「 週刊文春 電子版 」及び12月16日(木)発売の「週刊文春」では、吉村氏が国会議員の文通費問題を厳しく追及する様子や、立候補日までに辞職が可能だったことについて報じる。


2021/12/15(水) 16:12配信「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年12月23日号


これこそ維新の言う身を切る改革である。2014年に衆議院議員選挙に立候補した時には「職責を果たした」と言っているが、「2015年10月に衆院議員を辞職した際、在職1日で10月分の文書通信交通滞在費(文通費)100万円を満額受給していたことが判明した」については職責を果たしていたのか。2014年12月の衆議院議員に立候補した際に在職2日でボーナス・月給を316万円満額受給したことについては職責を果たしたから貰うのは当然といいながら「日本維新の会は今年10月末の衆院選で当選した議員に、在職1日で1カ月分の文通費が満額支給されていた問題を追及し、副代表の吉村知事も<これが国会の常識。おかしいよ>と厳しく批判していた。しかし、吉村氏は衆院議員を辞職した際に、在職1日でひと月分の文通費を受給していたことが判明した際、受給分を寄付する意向を示した」という今年の事実は明らかに矛盾していると思うが。