預入期間が延長される可能性があるかわりに、好金利の円定期預金(仕組預金)です。 当初の預入期間は1年ですが、1年ごとに預入期間を1年延長するかどうかを当行が判断します。「15年もの」の場合、最長15年まで延長される可能性があります。原則として中途解約ができません。
分かりやすく書くと「預入期間1年~15年(預けた時点では何年になるか不明)」「1年ごとに銀行が預金を続けるか返金するか決める」「最長で15年まで出金できない可能性がある」「途中解約はできない」なんです。
〇リスク
・資金が拘束されるリスク
楽天エクステ預金にお金を預けると15年間にわたりお金を引き出せない可能性があります。ちなみに普通の定期預金と違い解約はできません。商品の詳細説明に『この預金の中途解約はできません』と記載されています。
・楽天エクステ預金の利回りは高いの?
「15年間使う予定がないなら、高利回りで預けられてお得でしょ?」と思われた方がいるかもしれません。「いや、15年後に金利が下がっていれば儲かるじゃないか」と思いましたか?しかし、そう思った方は楽天エクステ預金の仕組みを理解できていません。「私たちが得する金利になると返金される」という顧客に有利な金利は銀行にとって不利な金利です。延長なんかせず途中でお金を顧客に返してしまうでしょう。楽天エクステ預金の『1年ごとに返還か判断…』は「銀行に不利な金利になったら契約を終わりにしますよ」というだけなのです。
〇「楽天エクステ預金の預入期間は金利で決まる」
なお、私は金融機関の中の人ではありませんので、様々な書籍やネット情報を元にした推測であることはご了承ください。まず、大前提として預入期間は他の金融商品の利回りによって決まります。
・定期預金の金利が上がっても低金利がつづく
たとえば以下のケースで考えてみましょう。
定期預金:0.02%
楽天エクステ預金:0.6%
現在の市場金利だと楽天エクステ預金の0.6%は魅力的に感じます。しかし、これから金利が上昇し普通の定期預金が2.0%で預けられるようになったらどうなるでしょう。お金を0.6%の楽天エクステ預金より2%の定期預金の方がいいですよね。しかし、期間延長を決めるのは銀行です。途中解約もできません。私たち顧客は0.6%の低利回りで我慢するしかありません。
・私たちが有利になったら延長されない
では逆に市場の金利が下がったらどうなるでしょう。わかりますよね。銀行は高い金利を払い続けたくないのですから、預入期間を延長せず、さっさと返金してしまいます。私たち顧客は15年間0.6%の利回りで固定されるという特大のリスクを取って、楽天エクステ預金に投資しました。しかし、延長期間を決められる銀行だけが途中で「やっぱやめた」ができるのです。物凄い不公平な金融商品が楽天エクステ預金なんです。
・「短い期間でも高利回りを得たい」なんて思わないで!
ひょっとして「払い戻されても、高利回の期間は儲かるじゃないか?」と思われましたか。しかし、それは結果論です。楽天エクステ預金に投資する時点で15年間お金引き出せない『資金拘束リスク』があることを忘れてはいけません。また「金利の下落を予想するなら投資していいだろ」と思われたのなら、さらに危険な考えです。
・楽天エクステ預金は金融のプロが考えた金融商品
未来の金利予想は非常に難しいものです。そんな中で金融のプロの方々は全力で未来の金利を予想し、その結果を元に作られた金融商品が楽天エクステ預金です。そして金融商品は基本的に売る側(銀行)に有利に作られます。つまり、金利の下落を予想し楽天エクステ預金の早期払い戻しで利益を得ようとする行為は、「私は金融のプロより金利に詳しいです!」と言っているのと同じなんですよ。
〇楽天エクステ預金(ステップアップ)とは
楽天エクステ預金(ステップアップ)は、円定期預金に『JRE BANKの銀行サービス提供元である楽天銀行(以下、当行とする)が任意に預入期間を延長することができる権利』(以下「延長特約」といいます。)を組み合わせることにより、通常の円定期預金よりも預金利率を高く設定した商品です。預入期間は1年間です。ただし、当行が満期の延長を決定した場合には、預入期間は延長後満期日まで1年延長します。延長有無の判断は毎年行い、預入期間は最長で10年になります。預入期間が延長されるごとに金利が上がる。
※「楽天エクステ預金(ステップアップ)」は原則として中途解約できません。相続や差し押さえなど当行がやむを得ないと認めるもの以外は中途解約をお断りいたします。
※当行がやむを得ないと判断し中途解約を認める場合、元本割れする可能性が高くなります。
〇楽天エクステ預金(フラット)とは
楽天エクステ預金(フラット)および楽天エクステ預金(ステップアップ)は通常の円定期預金に「当行が任意に預入期間を延長することができる権利」(以下「延長特約」といいます。) を組み合わせた商品です。 延長特約を行使する権利は当行にのみ帰属し、お客さまに延長特約を行使する権利はありません(お客さまは満期日を選べません。)。全期間の金利が一定となる。
預入期間が短い場合は、フラット型の金利が有利となり、長くなるとステップアップ型が有利になります。
個人的にはエクステ預金はお勧めしません。僕自身楽天銀行に口座を持っていますがエクステ預金はやっていません。