2023年1月13日金曜日

資格を取得して独立開業すればぼろ儲けできるのか。

 これは稀に雑誌等で書かれている(話題になる)事なので個人的意見を書かせてもらいたいです。これはあくまでも私自身の個人的意見であると同時に主観的意見という前提で読んで下さい。

はっきり言って「資格を取得して独立開業すればぼろ儲け」は嘘ではないが全ての人が可能なわけではないと言っておこう。子尾のように書くのにはいくつか理由があるのでよく内容を理解して読んでほしい。

理由①「資格試験を取得すれば」の前提にあるものを理解すること(あくまでも「資格試験に合格すればの話」である)

「資格試験を取得すれば」ということはあくまでも「資格試験に合格すればの話」である。そもそも資格試験に合格できなければ意味なしでしょう。「法科大学院を卒業しても司法試験に合格できない人がいる(法科大学院の合格率は法科大学院を卒業して司法試験を受験して合格した人の割合であり、受験しなかった人や中退した人は分母に含まれていない)」ということは有名である。ほかの国家試験でも同じですね。


理由②「試験に合格してもすぐに開業できるわけではない」という事実

「司法試験に合格して司法修習生を終了しても裁判官や検察官にもならず弁護士登録もしない人がいる」ほかの資格試験(国家試験)であっても「合格すれば」という前提があって成り立つ話であり、合格しても登録できない(登録しない?)がいることは容易に推測できることである。又、資格試験取得はあくまでも「試験の合格出来るだけの知識があった」というだけのことであり、実務能力があるかどうかは別であるという事実もある。資格を取得してもいきなり独立開業出来るというものではない。会社に勤めながら実務経験を積み、会社に勤めていた時と関連のある資格を取得して独立開業したのなら資格試験を取得しているだけでなく「実務経験がある」「給与所得の元を開業資金に当てることが出来る」ということも考えられるが、「学校を卒業してから一度も就職したことがない」「会社を辞めて資格試験の勉強だけをしていた」という場合だと、組閣試験に合格しても「実務経験がない」「開業資金をどうするのかという問題がある」ということに直面する。それに「実務」は「教科書にかあいてあること」とはまったく別問題であることについても理解しておかなければならない。「資格試験の勉強」に関しては教科書に書いてあることだけを勉強し、その中でも頻出問題だけ理解していれば合格できることがある(当然ヤマの問題もある)。しかし実務では頻出問題だけやればいいというものではない(まあよく聞かれる内容というものはあることは事実だが)。このことは知っておく必要がある。


理由③「独立開業すれば自分が社長(経営者)である」

いきなり何を書いているのかと思われるかもしれないが真面目な話である。会社員時代であれば「有給休暇」「健康上の都合や冠婚葬祭等の都合による休暇」を取得することが当たり前だった。それに「退職金」「ボーナス」を貰うことが当然だと思っていた人がいるはずだ。会社員時代であれば上司に言われたことを言われた通りにやっていれば会社が倒産したり余程変なことをしたりしない限り給料をもらえたし有給休暇などの権利ももらえていたはずである。しかし自分が経営者であれば「有給休暇」「健康上の都合や冠婚葬祭等の都合による休暇」「退職金」「ボーナス」を与える側の立場であり貰う側の立場ではない。サボろうと思えばいくらでもサボれるが、取引先がどのように考えるのかは知らない。自分が休めば自分の経営している組織が動かなくなり取引先が離れていくということもありうるということも考える必要性がある。


理由④「営業活動をしなければいけない」「自分が嫌な事(面倒なこと含む)でもしなければいけなくなる」

独立開業し、自分が経営者になれば当然事業活動をするにあたって「営業活動をしなければいけない」ということは当たり前です。会社員時代であれば上司に言われたことを言われた通りにやっていれば会社が倒産したり余程変なことをしたりしない限り給料をもらえたはずだ。しかし自分から営業活動をやり取引先に対して納品手続きや代金回収(請求書発行業務含む)等をしなければいけなくなる。今までは「面倒だから」と言って他人任せにしていたことでも自分でやらなければいけなくなる。人を雇えば労務管理に関する業務もしなければいけなくなる。全て経営者である自分でやらなければならなくなる。会社員時代なら自分でやらなくても他人がやってくれていて当たり前だった業務(自分が面倒だと思っていたこと等も含む)を自分でやらなければならなくなることはちゃんと覚えておかなければいけない。


理由⑤「いやな人との付き合い方も考えなければいけない」

理由④の「営業活動をしなければいけない」の項目に含まれることだが、全ての取引先が「自分の好きな人」「仲のいい人」ばかりではないと思う。学生時代であれば「考え方や価値観の似た人同士でくっついていればよい」「気に入った人とだけ仲良くすればいい」という考え方が通用したと思う。ただ社会人になってからはそういう考え方は通用しなくなってくる。「嫌な人がいるから」と言う理由だけでむやみやたらと転職することは余お勧めできない(パワハラやセクハラ等のハラスメントがあった場合は別だが)。会社を辞めることは簡単だが、次の転職先を見つけることが出来るかどうかは知りません。それに会社員時代であれば「○○という会社に勤めている人だから」と言う理由で取引先の会社の側も相手にしてくれるが辞めた後にはどのように対応してくるのかは不明です(今まで通り取引してくれえるとは考えない方がよい)。「嫌な人と取引しなかったらいいのでは」と言いますがそれを言うのなら「取引先を増やすためにどうしたらいいのですか」と言うことについて教えてくださいね。「嫌な人と取引をしない」と言うことは「仲のいい人とだけ取引する」事の何倍も無難しいと思いますよ。


独立開業を目指すのはよいが結構こういうことを考えていない人は多いと思いますよ。実際家の近所の商店街や職場の近所など自分自身の立ち回り先を見ていても数年で店が出来たかと思うと数年で閉店するような店がたまにありますからね。