2026年6月14日日曜日

見落とすと17万円の損…税理士が「絶対捨てないで」と警告する「6月に届く細長い紙」と、確認すべき「項目」

 手取りを増やすにはどうすればいいか。税理士の板倉京さんは「毎年、税制控除の見落としで、数万円、人によっては数十万円、余計な税金を払っている人がいる。大切なのは使える控除をきちんと使い、見落としをなくすこと。まずは年に一度、6月に届く“通知書”を確認することから始めてほしい」という――。

〇年に一度届く、税金の「答え合わせ」

毎年6月頃、会社から渡される細長い紙、ちゃんと見たことありますか?「給与所得等に係る市民税・県民税・森林環境税特別徴収税額の決定通知書」

自営業者や個人で住民税を納めている人には、自宅に「市民税・県民税・森林環境税税額決定納税通知書」などの名称で届きます。長い名前に、いろいろな数字が細かく並んだ通知書。中身を見ないで放置、という人が多いのではないでしょうか。これは、今年の住民税の計算結果を伝えてくれるもの。お住まいの自治体から「今年の住民税はこう計算したんですけど、いいですよね」という確認なのです。住民税は基本的には、年末調整や確定申告で出した内容をもとに計算されます。出し忘れた控除は、税金の計算に反映されません。毎年、ふるさと納税・扶養控除・医療費控除などの見落としで、数万円、人によっては数十万円、余計な税金を払っている人がいます。この通知書は、控除に漏れがないかなどを思い出す、年に一度の「答え合わせ表」です。でもこの通知書、どこをどう見たらいいのか、わかりにくい。見るのが面倒な気持ちも分かります。とはいえ、ちょっとチェックすることで、税金が戻ってくる可能性があるなら、確認しておいた方がいいと思うのです。そこで、今回はこの通知書をチェックする方法やその効果、間違っていた時のリカバリーの方法などについて、お伝えしていきたいと思います。

〇30秒で分かる、いますぐ通知書を確認すべき人

以下のいずれかに当てはまった人は、通知書を手元に置いて、この先を読んでください。

・去年ふるさと納税をして、医療費控除などで確定申告もした

・大学生の子どもがいる、または子どもがアルバイトをしている

・「収入が103万円を超えたら扶養は無理」と思っている

・去年、親が亡くなった

・年金暮らしの親や、遺族年金を受け取る母に仕送りをしている

・住宅ローン控除を受けている

もちろん、これ以外にも控除等の漏れが気になる人は、しっかりチェックしてください。

1.ふるさと納税

ワンストップ特例が「自動的に無効」になる人がいる

最初に確認したいのが、ふるさと納税です。会社員のAさん(年収800万円)は前年、控除上限額の範囲内と考えて12万円のふるさと納税をしました。寄付先は5自治体以内。ワンストップ特例も申請済み。「これで手続きは完了」と思っていました。ところがその年は、家族の医療費の自己負担額が大きく、医療費控除を受けるために確定申告をしました。ここに落とし穴があります。ワンストップ特例は、確定申告をしない人のための仕組み。医療費控除などで確定申告をすると、ワンストップ特例は自動的に無効になるのです。ふるさと納税の控除を受けるためには、確定申告書に、改めてふるさと納税の寄附金控除を書く必要があります。Aさんは「ワンストップを出してあるから大丈夫」と思い込み、確定申告書にそれを書かなかった。結果、Aさんの住民税には、ふるさと納税が反映されなかった――このケースは、実務でもしばしば見かけます。ふるさと納税は、控除上限額の範囲内なら実質負担は原則2000円です。手続き漏れで控除が反映されなければ、その年にした寄付額のほぼ全額分を取り戻し損ねることになる。Aさんでいえば、12万円から2000円を引いた11万8000円分、税金が高くなってしまうということ。

〇どこをチェックすればいいのか

確認方法は、通知書の「税額控除額」や「寄附金税額控除額」、摘要欄を見てください。自治体によって表示は異なりますが、ふるさと納税をしたのに寄附金控除らしき記載がない、前年より住民税が思ったほど軽くなっていない、という場合は黄信号です。確定申告をした人は、所得税の寄附金控除による軽減分と、住民税の寄附金税額控除を合わせて、寄付額から原則2000円を差し引いた程度の控除になっているかを確認してみてください。ただし、医療費控除や住宅ローン控除など他の控除もある場合、通知書だけでは判断しにくいこともあります。分からない場合は、お住まいの自治体(市区町村)に確認してみてください。

2.扶養控除

・年収の壁は103万円→123万円に

もうひとつ気を付けたいのが、扶養控除です。

Bさんは50代の会社員。大学生の子どもがいます。子どもは去年アルバイトを頑張り、収入は120万円でした。Bさんは「103万円を超えたから、もう扶養には入れられない」と思い、年末調整で子どもを扶養に入れませんでした。でも、実はこの大学生のお子さんは、Bさんの扶養控除の対象にできた可能性があるのです。令和8年度の住民税(所得税は令和7年分)から、扶養に入れる年収の壁が103万円から123万円に引き上げられました。給与収入だけなら123万円以下まで、扶養控除の対象だったのです。19歳以上23歳未満の子は、要件を満たせば「特定扶養親族」として、控除額は所得税63万円、住民税45万円を受けることができます。所得税率20%の人なら、所得税だけで12万6000円。住民税の4万5000円と合わせて、約17万円も税負担が変わる可能性があるのです。さらに、子の収入が123万円を超え188万円以下でも、新設された「特定親族特別控除」により、収入に応じて段階的な控除を受けられる可能性があります。「うちの子はバイトでかなり稼いでいるから」と、最初からあきらめるのはもったいないのです。

・「配偶者控除」も変わっている

なお、配偶者控除・配偶者特別控除も、令和8年度の住民税(所得税は令和7年分)から確認すべきラインが変わっています。配偶者の給与収入が123万円以下なら配偶者控除、123万円超201万6000円未満なら配偶者特別控除の対象になりうるので、「103万円を超えたから無理」と思い込まないこと。ただし、納税者本人の合計所得金額が1000万円(給与収入だけなら、おおむね1195万円)を超える場合は対象外です。これ以外にも、前年と家族構成が変わっていないのに住民税が急に高くなっている、扶養人数が想定と違う――こういった場合もお住まいの自治体に確認をしてみましょう。

3.老親の扶養控除

・年金暮らしの親も、扶養に入れられる

「うちの親は年金をもらっているから、扶養は無理」「同居していないから入れられない」。そう思い込んでいる人は少なくありません。でも、年金をもらっていても、同居していなくても、要件を満たせば親を税金上の扶養にできます。扶養に入れることができるのは、「生計を一にする」親族。別居していても、生活費や療養費を継続的に送っていれば扶養に入れることはできます。税金の扶養には、仕送り額の決まりもありません。そして、子の扶養と同じく、令和8年度の住民税(所得税は令和7年分)から、親を扶養に入れられるラインも上がりました。65歳以上で年金以外に所得がない親なら、年金収入168万円以下(改正前は158万円以下)までが扶養の対象となります。(65歳未満の親なら、年金収入118万円以下)。年金がある場合でも、遺族年金の場合は非課税なので、扶養の判定に使う合計所得金額に含めません。母の収入が遺族年金だけ、あるいは遺族年金のほかは少額の老齢年金だけ、という場合、生計を一にしていれば扶養控除の対象にすることが可能です。

・年の途中で亡くなったら要注意

さらに見落とされやすいのが、年の途中で親が亡くなった年です。通常なら年金額が多くて扶養に入れられない親も、年の途中で亡くなれば、その年に受け取る年金は亡くなるまでの分だけになります。扶養に当たるかどうかは、亡くなった時点の状況で判断するので、その年に受け取った年金が少なく、所得が要件に収まれば、亡くなった親を扶養控除の対象にすることが可能なのです。親の扶養控除額は小さくありません。70歳以上の親なら老人扶養親族として、別居でも所得税48万円・住民税38万円、同居老親等に該当すれば所得税58万円・住民税45万円の控除になります。所得税率20%の人なら、所得税と住民税を合わせて、別居の親で約13万4000円、同居なら約16万1000円の節税が可能というわけ。すでに納めた税金があれば、その分を取り戻せる。さらに親の医療費を負担していれば、その分を医療費控除に加えることができます。親が亡くなった年は、相続や葬儀などの手続きに追われ、気持ちにも時間にも余裕がなく、扶養控除まで気が回らないという人も多いと思います。だからこそ、後からでも確認してほしいと思います。最初から「年金があるから無理」「別居だから無理」と決めつけず、わからなければ自治体や税務署に聞いてみることをおすすめします。

・通知書で見るべき「4つの項目」

ここからは、通知書の見方です。細かい数字をすべて理解する必要はありません。見るべきは、次の4カ所です。ひとつ目は寄附金税額控除額。ふるさと納税が反映されているか。とくに医療費控除などで確定申告をした人は要注意です。ふたつ目は扶養の人数と扶養控除額。子ども、配偶者、年金暮らしの親、遺族年金を受給している母など、対象になりうる家族がいる人は必ず見てください。3つ目は所得控除の欄。医療費控除、生命保険料控除、iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)などが入っているか。4つ目は住宅ローン控除の反映。所得税から引ききれなかった分は、住民税からも一定額まで差し引かれます。判断に迷ったら、前年の源泉徴収票や確定申告書の控えと見比べてみましょう。控除額が大きく違う、あるはずの控除が見当たらない、住民税が急に上がった――どれかに当てはまれば、要確認です。

・取り戻せる期間の目安は、5年以内

漏れや誤りを見つけたら、期限内であれば、取り戻せる可能性があります。手続きは状況で分かれます。年末調整しかしていない会社員が控除漏れに気づいたら、自分で「還付申告(確定申告)」を税務署にします。すでに確定申告をしている人が控除を入れ忘れていたら、「更正の請求」です。いずれも税務署で行い、所得税が直れば、その内容は自治体にも連携されて住民税にも反映されます。住民税だけの問題に見える場合や、判断に迷う場合は、お住まいの自治体に相談してください。取り戻せる期間の目安は、5年以内です。漏れや誤りを見つけたら、早めに手続きを確認しましょう。

・最強の「裏技」は、控除を落とさないこと

手取りを増やすというと、特別な節税テクニックを探したくなります。でも実際は、使える控除をきちんと使うことが、いちばん確実な節税対策です。ふるさと納税を申告し忘れた。大学生の子を扶養に書き忘れた。亡くなった親や別居の親の扶養を、最初からあきらめていた。どれも知っているか、チェックしているかの違いで、数十万円単位の税金の違いになることもあります。だから、6月に届く住民税決定通知書を、ただのお知らせとして放置しないで、しっかりチェックしていただきたい。数分のチェックで、税金を取り戻せるならすごくオトクだと思いませんか。


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板倉 京(いたくら・みやこ) 税理士、マネージャーナリスト 保険会社・財産コンサルティング会社、税理士法人等で税理士業務に携わる。開業独立している女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。テレビ出演や全国での講演、書籍の執筆などの活動も多数。著書に『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)、『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)など。

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2026年6月11日木曜日

退職金制度について詳しく知らない人が増えているのでは?

 先日ネット上のニュースを見ていて明らかに「退職金制度について詳しく知らない人が増えているのでは?」と思う記事が出ていましたので紹介します。

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若手歓迎も中高年は猛反発!「退職金廃止」に動く企業の本音と、いまだ転職者を冷遇する制度の時代錯誤

退職一時金制度を縮小・廃止する動きが、日本企業で広がりつつあります。たとえば、王子ホールディングス(HD)は今春、中途採用も含めて2026年春以降に入社する従業員(一部の高卒採用を除く)の退職一時金を廃止すると決めました。一時金の廃止分は給与に上乗せします。生涯年収は、新旧制度でほぼ変わりません。また、既存従業員の退職一時金制度は存続します。したがって、会社にとっても従業員にとっても、即座に大きな影響があるわけではありません。それに対し、即座に大きな影響があるのが、伊藤忠商事の化学品子会社タキロンシーアイです。同社は、4月に退職一時金を廃止しました。一時金の廃止分は給与と存続する確定拠出年金に上乗せします。王子HDとの違いは、国内従業員約1200人すべてを対象に実施することです。また、退職一時金制度の廃止には踏み込んでいなくても、支給額を減額したり、前倒し支給で足元の支給を充実させようという動きが他社で広がっています。SMBC日興証券は、採用サイトの初任給に「退職金前払給3.7万円を含む」と明記しています。

■制度の普及は1950年代後半から

なぜ、ここにきて退職一時金を縮小・廃止する動きが広まっているのでしょうか。退職一時金制度が日本で導入されたのは、1872年(明治5年)、工部省鉄道寮(現JR)が最初とされています。そして、同制度が民間企業に普及したのは、1950年代後半以降です。当時、人手不足が深刻化しており、せっかく採用し、訓練した人材に長期勤続してもらうことが、企業の課題でした。企業は、従業員の勤続年数が一定以上(たとえば30年)に達すると支給額が急増するという制度設計をしました。これによって従業員は、1社に長期勤続することが有利になりました。退職一時金制度は、年功序列賃金と併せて、長期雇用を特徴とする日本的経営を形作ったのです。

しかし拡大の一途だった退職一時金制度が、2000年代に入って転機を迎えました。日立製作所・NEC・富士通などが退職一時金を縮小し、確定拠出年金に振り向けました。これは当時、会計基準の変更で退職給付債務が財務諸表に計上されるようになり、リスク要因である退職給付債務の削減が急務になったためです。その後、企業では中途採用のニーズが高まりました。新卒採用?長期雇用を前提とする退職一時金制度は中途採用の足かせになることから、多くの企業が退職一時金を縮小するようになりました。この流れを決定的にしたのが、昨今の新人採用難です。激化する採用競争を勝ち抜くには、初任給を引き上げる必要があります。賃金の総額をなかなか増やせない状況で初任給引き上げの原資を確保するために、各社が退職一時金の減額を打ち出しました。

■新人・若手は制度廃止に肯定的だが…

これまで退職一時金制度を縮小・廃止した企業は、たいてい「退職一時金の減少分を給与や確定拠出年金の引き上げに回している。従業員に不利益は及ばない」と説明しています。従業員全体では、おそらくその通りでしょう。ただ、給与などへの配分を新人・若手に厚く、中高年に薄くすることで、世代間で利益・不利益が出ているのではないでしょうか。この疑問について、退職一時金制度を縮小・廃止した企業の従業員にヒアリングをしました。予想通り、世代間で受け止め方の違いがありました。中高年は、会社の措置に落胆し、会社に対し憤っていました。「中高年を狙い撃ちする措置で、落胆しています。組合も会社の言いなりで、何のために存在しているのか、と思います」(機械・50代)「以前はこんなドラスティックなことをする会社ではありませんでした。従業員の幸福なんて眼中にないようで、やるせない気持ちです」(精密・40代)一方、若手・中堅には、否定的な意見はなく、歓迎する意見が多く聞かれました。「(退職一時金廃止の)説明会に参加して、会社を変えようという会社側の熱意が感じられました」(化学・20代)「数十年先の退職金よりも今の手取りを増やそうというのは、合理的な取り組みだと思います」(ゲーム・30代)

もっとも、世代を問わずに多かったのは、退職一時金制度への理解やそもそもの関心が低く、「判断できない」「わからない」という意見でした。「当社の退職一時金制度は複雑で、理解できていません。制度改正も何やら複雑で、従業員にとってプラスなのかマイナスなのか、判断できません」(金融・40代)「退職金って30年後、40年後の話で、正直なところ関心ありません」(電機・20代)

■世代間の対立を煽らない配慮が必要

では、今後はどうなるのでしょうか。大手企業の人事部門関係者にヒアリングしたところ、退職一時金制度を縮小・廃止したいという声が数多く聞かれました。「これまで退職一時金は聖域でしたが、縮小・廃止に向けてようやく組合と協議に入ることになりました」(不動産)「すでに退職一時金を減額していますが、廃止に踏み込めないものか、部内で検討しています」(エネルギー)今後も中途採用は増加するでしょう。新卒採用難が解消される見込みはありません。とすれば、退職一時金の縮小・廃止という動きが加速することは間違いなさそうです。その際、従業員、とくに不利益を受けやすい中高年に対し、人事部門は慎重に対応する必要があるという見解がありました。「退職一時金の一方的な引き下げは、労働条件の不利益変更に該当するでしょう。退職給付はただでさえ難解なので、引き下げを進めるにあたり、組合としっかり協議し、従業員に丁寧な説明をし、理解を得ようと思います」(輸送機)「退職一時金だけでなく、このところ給与・福利厚生など新人・若手に有利、中高年に不利な制度改正が続いています。『世の中のトレンドだ』という一言で済ませるのではなく、世代間の対立を煽らないよう配慮する必要があります」(商社)

■退職金税制の見直しが急務

最後に、国に退職金税制の改正を改めて要望したいと思います。現在、退職一時金には退職所得控除があり、次のような計算式になっています。

・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数

・勤続20年超:800万円+70万円 ×(勤続年数-20年)

例えば、AさんとBさんが30年間働いた場合、Aさん:30年連続勤務 → 控除額1500万円(800万円+70万円×「30年-20年」)

Bさん:20年勤務、転職して10年勤務 → 控除額1200万円(800万円+400万円)となり、同じ30年間働いても、転職したBさんは転職しないAさんよりも控除額が小さくなります。税制によって、Aさんのような長期勤続者を優遇、Bさんのような転職者を冷遇しているわけです。政府は経済界の要望を受けて、23年から「労働移動(転職)の促進」「成長産業への人材移動」を政策課題に掲げました。そして「長期勤続者だけを税制で優遇する仕組みは、転職をためらわせる要因になっている」とし、「骨太の方針」に退職金税制の見直しを明記しました。ところが、それから3年経っても税制改正は行われておらず、長期勤続者を優遇、転職者を冷遇する仕組みが続いています。長く日本の長期雇用を支えてきた退職一時金の見直しは、いわば働き方改革の総仕上げ。企業・組合・政府が協力し、知恵を出し合い、新しい日本の働き方を作っていきたいものです。


日沖 健 :経営コンサルタント2026/6/8(月) 7:00配信



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退職金は通常の給与とは異なり、「退職所得控除」という優遇措置があるため、税負担を大きく抑制することが可能です。退職金制度を廃止すると、企業は退職金という後払い用の賃金を積み立てる必要がなくなるので、積み立てに回していた賃金を現時点の給与に上乗せすることが可能になる。従業員にとっては、目先の賃金が増えるというメリットが期待できるが、「退職所得控除」という優遇措置がなくなるため、退職金制度がある場合に比べて生涯の税負担が重くなってしまうというデメリットがあることには注意が必要だろう。退職金がなくなると退職金で「住宅ローンを全額返済しよう」「大きな買い物をしよう」という考え方を持っている人にとっても困るのではないでしょうか。それに退職金制度をなくせば社会保険料負担も増えてしまうことについて知らない人が増えていることも事実だと思います。もう1度税金や社会保障制度の仕組みについてちゃんと勉強しなおした方がいい人が増えているのではないでしょうか。