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2026年6月11日木曜日

退職金制度について詳しく知らない人が増えているのでは?

 先日ネット上のニュースを見ていて明らかに「退職金制度について詳しく知らない人が増えているのでは?」と思う記事が出ていましたので紹介します。

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若手歓迎も中高年は猛反発!「退職金廃止」に動く企業の本音と、いまだ転職者を冷遇する制度の時代錯誤

退職一時金制度を縮小・廃止する動きが、日本企業で広がりつつあります。たとえば、王子ホールディングス(HD)は今春、中途採用も含めて2026年春以降に入社する従業員(一部の高卒採用を除く)の退職一時金を廃止すると決めました。一時金の廃止分は給与に上乗せします。生涯年収は、新旧制度でほぼ変わりません。また、既存従業員の退職一時金制度は存続します。したがって、会社にとっても従業員にとっても、即座に大きな影響があるわけではありません。それに対し、即座に大きな影響があるのが、伊藤忠商事の化学品子会社タキロンシーアイです。同社は、4月に退職一時金を廃止しました。一時金の廃止分は給与と存続する確定拠出年金に上乗せします。王子HDとの違いは、国内従業員約1200人すべてを対象に実施することです。また、退職一時金制度の廃止には踏み込んでいなくても、支給額を減額したり、前倒し支給で足元の支給を充実させようという動きが他社で広がっています。SMBC日興証券は、採用サイトの初任給に「退職金前払給3.7万円を含む」と明記しています。

■制度の普及は1950年代後半から

なぜ、ここにきて退職一時金を縮小・廃止する動きが広まっているのでしょうか。退職一時金制度が日本で導入されたのは、1872年(明治5年)、工部省鉄道寮(現JR)が最初とされています。そして、同制度が民間企業に普及したのは、1950年代後半以降です。当時、人手不足が深刻化しており、せっかく採用し、訓練した人材に長期勤続してもらうことが、企業の課題でした。企業は、従業員の勤続年数が一定以上(たとえば30年)に達すると支給額が急増するという制度設計をしました。これによって従業員は、1社に長期勤続することが有利になりました。退職一時金制度は、年功序列賃金と併せて、長期雇用を特徴とする日本的経営を形作ったのです。

しかし拡大の一途だった退職一時金制度が、2000年代に入って転機を迎えました。日立製作所・NEC・富士通などが退職一時金を縮小し、確定拠出年金に振り向けました。これは当時、会計基準の変更で退職給付債務が財務諸表に計上されるようになり、リスク要因である退職給付債務の削減が急務になったためです。その後、企業では中途採用のニーズが高まりました。新卒採用?長期雇用を前提とする退職一時金制度は中途採用の足かせになることから、多くの企業が退職一時金を縮小するようになりました。この流れを決定的にしたのが、昨今の新人採用難です。激化する採用競争を勝ち抜くには、初任給を引き上げる必要があります。賃金の総額をなかなか増やせない状況で初任給引き上げの原資を確保するために、各社が退職一時金の減額を打ち出しました。

■新人・若手は制度廃止に肯定的だが…

これまで退職一時金制度を縮小・廃止した企業は、たいてい「退職一時金の減少分を給与や確定拠出年金の引き上げに回している。従業員に不利益は及ばない」と説明しています。従業員全体では、おそらくその通りでしょう。ただ、給与などへの配分を新人・若手に厚く、中高年に薄くすることで、世代間で利益・不利益が出ているのではないでしょうか。この疑問について、退職一時金制度を縮小・廃止した企業の従業員にヒアリングをしました。予想通り、世代間で受け止め方の違いがありました。中高年は、会社の措置に落胆し、会社に対し憤っていました。「中高年を狙い撃ちする措置で、落胆しています。組合も会社の言いなりで、何のために存在しているのか、と思います」(機械・50代)「以前はこんなドラスティックなことをする会社ではありませんでした。従業員の幸福なんて眼中にないようで、やるせない気持ちです」(精密・40代)一方、若手・中堅には、否定的な意見はなく、歓迎する意見が多く聞かれました。「(退職一時金廃止の)説明会に参加して、会社を変えようという会社側の熱意が感じられました」(化学・20代)「数十年先の退職金よりも今の手取りを増やそうというのは、合理的な取り組みだと思います」(ゲーム・30代)

もっとも、世代を問わずに多かったのは、退職一時金制度への理解やそもそもの関心が低く、「判断できない」「わからない」という意見でした。「当社の退職一時金制度は複雑で、理解できていません。制度改正も何やら複雑で、従業員にとってプラスなのかマイナスなのか、判断できません」(金融・40代)「退職金って30年後、40年後の話で、正直なところ関心ありません」(電機・20代)

■世代間の対立を煽らない配慮が必要

では、今後はどうなるのでしょうか。大手企業の人事部門関係者にヒアリングしたところ、退職一時金制度を縮小・廃止したいという声が数多く聞かれました。「これまで退職一時金は聖域でしたが、縮小・廃止に向けてようやく組合と協議に入ることになりました」(不動産)「すでに退職一時金を減額していますが、廃止に踏み込めないものか、部内で検討しています」(エネルギー)今後も中途採用は増加するでしょう。新卒採用難が解消される見込みはありません。とすれば、退職一時金の縮小・廃止という動きが加速することは間違いなさそうです。その際、従業員、とくに不利益を受けやすい中高年に対し、人事部門は慎重に対応する必要があるという見解がありました。「退職一時金の一方的な引き下げは、労働条件の不利益変更に該当するでしょう。退職給付はただでさえ難解なので、引き下げを進めるにあたり、組合としっかり協議し、従業員に丁寧な説明をし、理解を得ようと思います」(輸送機)「退職一時金だけでなく、このところ給与・福利厚生など新人・若手に有利、中高年に不利な制度改正が続いています。『世の中のトレンドだ』という一言で済ませるのではなく、世代間の対立を煽らないよう配慮する必要があります」(商社)

■退職金税制の見直しが急務

最後に、国に退職金税制の改正を改めて要望したいと思います。現在、退職一時金には退職所得控除があり、次のような計算式になっています。

・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数

・勤続20年超:800万円+70万円 ×(勤続年数-20年)

例えば、AさんとBさんが30年間働いた場合、Aさん:30年連続勤務 → 控除額1500万円(800万円+70万円×「30年-20年」)

Bさん:20年勤務、転職して10年勤務 → 控除額1200万円(800万円+400万円)となり、同じ30年間働いても、転職したBさんは転職しないAさんよりも控除額が小さくなります。税制によって、Aさんのような長期勤続者を優遇、Bさんのような転職者を冷遇しているわけです。政府は経済界の要望を受けて、23年から「労働移動(転職)の促進」「成長産業への人材移動」を政策課題に掲げました。そして「長期勤続者だけを税制で優遇する仕組みは、転職をためらわせる要因になっている」とし、「骨太の方針」に退職金税制の見直しを明記しました。ところが、それから3年経っても税制改正は行われておらず、長期勤続者を優遇、転職者を冷遇する仕組みが続いています。長く日本の長期雇用を支えてきた退職一時金の見直しは、いわば働き方改革の総仕上げ。企業・組合・政府が協力し、知恵を出し合い、新しい日本の働き方を作っていきたいものです。


日沖 健 :経営コンサルタント2026/6/8(月) 7:00配信



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退職金は通常の給与とは異なり、「退職所得控除」という優遇措置があるため、税負担を大きく抑制することが可能です。退職金制度を廃止すると、企業は退職金という後払い用の賃金を積み立てる必要がなくなるので、積み立てに回していた賃金を現時点の給与に上乗せすることが可能になる。従業員にとっては、目先の賃金が増えるというメリットが期待できるが、「退職所得控除」という優遇措置がなくなるため、退職金制度がある場合に比べて生涯の税負担が重くなってしまうというデメリットがあることには注意が必要だろう。退職金がなくなると退職金で「住宅ローンを全額返済しよう」「大きな買い物をしよう」という考え方を持っている人にとっても困るのではないでしょうか。それに退職金制度をなくせば社会保険料負担も増えてしまうことについて知らない人が増えていることも事実だと思います。もう1度税金や社会保障制度の仕組みについてちゃんと勉強しなおした方がいい人が増えているのではないでしょうか。


2024年12月31日火曜日

信託口って何?

 よく株式の主要株主の欄を見ていると「日本トラスティサービス信託口」「日本マスタートラスト信託口」と言う言葉を見たことがありませんか。ここで言う信託口とは「投資信託」「年金(厚生年金や国民年金)を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人のこと)」「企業年金」が信託銀行を通じて資金の運用をしていることを示すことを示す表示なんですよ。こういう「投資信託」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」「企業年金」の場合極端に問題があり、信用力の低い会社に投資していることはありません。但し、誤解しないでほしいのは「信託口」が株主になっている会社が絶対に倒産しないとか、問題の会社だと言っているわけではありません。あくまでも当市は自己責任という前提で行う必要性はあります。


2024年7月16日火曜日

NISA制度"改悪"で譲渡益に課税の悪夢…エコノミストが「老後はNISAを使ってはいけない」と断言するワケ

 老後にストレスフリーでお金を運用するにはどうすればいいか。エコノミストの崔真淑さんは「高齢者は一般口座や特定口座での投資に加えて、資産を『分散投資』することが大切。そのための具体的な対策がある」という――。

■運用資金は5年は使うあてのない金額にする

2025年の年金改正を控えて、「65歳まで保険料を支払う」、あるいは「支給開始年齢が70歳や75歳に引き上がる」といった案が出ていますが、今後、年金制度はどんどん“改悪”されていく可能性は高いです。前回も述べたように、おそらく年金だけで暮らすことは、非常に難しくなるでしょう。年金だけで暮らせないとなると、働くほか、「運用する」ことを考えていかなければいけません。老後の運用について、大事な前提は、次の2つです。

前提①余裕資金で行う

80歳、90歳までカツカツで余裕資金がないといった高齢者は、そもそも株式投資をすべきか再考が必要だと思います。投資するなら、5年は使うあてのないお金を回しましょう。かつて金融業界にいた私がつくづく思うのは、10年に一度は、大きい金融ショックがくる可能性が高いということです。今は景気がよくても、この先、何が起こるかわからない。だからこそ、せめて5年は手元になくても辛抱できるお金をあててほしいのです。

■老後はNISAを使ってはいけない

前提②NISA口座は使わない

今、新NISAが大流行ですが、高齢者の方にはNISAはお勧めしていません。なぜならNISAには「すべてが非課税ではない」「譲渡税が課税される可能性がある」「損益通算できない」といった落とし穴があるからです。一つずつ、説明していきましょう。

・すべてが非課税ではない

NISAを完全非課税だと思っている人は少なくありません。

ですが、NISAは完全非課税ではありません。今、人気のアメリカ株式市場に上場しているような「S&P500」に連動するETF(上場投資信託)や、個別のアメリカ株式を購入する場合は注意が必要です。通常(一般口座や特定口座の場合)、海外からの配当金にはその国に税金を払ったうえで、日本でも20.315%が源泉徴収されます。確定申告をすることにより外国税額控除を受けられるしくみです。新NISAではこの20.315%が非課税になることで、二重課税でなくなるため、“海外に税金を支払う”必要が生じるのです。たとえば、米国株や米国ETFの配当には10%の税金がかかります。

・譲渡益が課税される可能性がある

政府は現在、将来の税制改正を見越して、NISAの配当金などインカムゲインには課税をしていません。ですが、譲渡益などキャピタルゲインには税金をかけようという議論が出ています。「安くなった株を買って高く売りたい」「含み益が出たら利益を確定して売りたい」などと、譲渡益狙いでNISAを使っている人にとっては寝耳に水。この先、制度変更される可能性があると考えるなら、NISAでキャピタルゲインありきの保有にのめり込まない姿勢が必要でしょう。

■NISAで予想される悪循環

老後のお金の設計にNISAが向いていない理由はまだあります。

・損益通算できない

「損益通算」とは、株式や投資信託を売却して利益や損失が出た場合、利益と損失を合算して合計が利益になっていれば、その利益に対して課税されるしくみ。たとえば、ある株式を売って50万円の利益が出る一方、別の株式で30万円の損失が出たら、50万円-30万円=20万円に税金がかかる、ということ。これが損益通算のしくみです。また1年間の合算した損益が結果的に損失になった場合、翌年以降、最小3年間、繰り越せる「繰越控除」が適用されます。たとえば、ある年に30万円の損失で、翌年の利益が40万円であれば、繰り越した30万円の損失と40万円の利益を合算し、40万円-30万円=10万円に対して課税されるのです。この損益通算と繰越控除が、NISA口座ではできません。株式投資は正直、これで儲かると思っても、なかなか理想通りに利益が出ることはありません。“塩漬け”になっているお金をさっさと損切りして、次の新しい運用に使いたいけれど、損益通算できないとそれもなかなか踏ん切りがつかない。こんな悪循環は多々起きます。株式投資は、ある程度“損をする”ことが前提であれば、私は損益通算できるほうが結果的にオトクになると思っています。ですから運用するなら、NISA口座ではなく、一般口座や特定口座で行うことをお勧めします。

■資産を分散投資するときのポイント

高齢者は「一般口座や特定口座で投資する」ことに加えて、資産を「分散投資」することが大切になります。増やすより、とにかく今ある資産を目減りさせないことが先決です。

もちろん80代でも、特定の資産に集中投資して成功しているトレーダーの方もいます。しかし、そういう人は、ずっと昔から投資をしてきたベテランの人。私の知り合いにもいますが、そういう人は本当に株式投資が好きで、『会社四季報』を24時間見ていても飽きない。それほど好きな人であれば、集中投資もよいと思いますが、そうでなければやめたほうがいいというのが私の考えです。では、どうやって分散させればいいか。ここ数年、日経平均が最高値を更新したり、戦争で世界的に物価が上がったりと想像を超えることが起きています。こうした景気リスクや地政学リスクの“有事”に備えるには、それらに敏感に「反応するもの」と逆に「反応しにくいもの」といったように、感応度の異なるものに分散させるのがおススメです。具体的には、株式、債券、不動産、金や原油などはのコモディティは、それぞれ有事や景気に対しての反応の仕方が違う傾向にあり、こうしたところに分散させるのが重要でしょう。株式も日本株と外国株に分散させます。日本円の目減りがこわいならば外貨にする、または外貨で「外貨建て社債を買う」、あるいはインド株などこれから伸びそうなインデックスファンドを買う、といった対策をします。

■不動産投資信託を持つメリット

ちなみに私は、不動産ではなく、「REIT(リート)」と呼ばれる不動産投資信託にも注目しています。不動産投資信託とは、投資家から集めたお金で不動産を所有し、そこから得られた賃料収入を分配するもの。ホテルリートや物流リート、オフィスリートなど、いろいろな商品があり、小口で投資できるのがメリットです。現物の不動産投資は、借金して投資できるメリットがある一方、頭金を用意するのが大変だったり、手数料が非常に高くそれで損することもあるなどのデメリットもあります。そう考えると、不動産投資に興味があっても、そこまではしたくないという人は多い。私もその一人です。そんな人にリートはおススメといえるでしょう。今は金利が上がったことでマイナスになっていますが、もともと不動産投資は、戦争や金融ショックで多少は変動しても、賃料自体は景気に左右されにくいもの。過去のデータからは、「平均的には長期でインカムゲインでしっかりとリターンが出やすい」ことも実証されています。ですから配当金狙いでリートを持つというのは悪くないと思います。もちろん注意点もあります。歴史のあるリートは、想定外に修繕費用などのコストが出ることで、配当金が減る可能性もあります。リートの構成や中身を、しっかり確認してください。

■「仕組債」は様子見で検討を

注意すべきは「仕組債」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)を利用することでキャッシュフローを生み出す債券です。証券会社や銀行がすすめる仕組債については、手数料や格付けなど、商品の中身が金額に見合っているかどうか、いったん立ち止まって確認してほしいですね。「利回りがよい=リスクが高い」ので、飛びつくのは危険。いったん様子を見ましょう。同じように株価は安いのに、配当利回りがいい銘柄も、様子見が必要です。安いには、ちゃんとワケがある。業績が悪くて、会社の持続可能性が失われているのかもしれませんし、機関投資家が手放しているだけかもしれません。

■世界はアメリカ一極から多極化へ

株式投資の世界には「利大損小」という言葉があります。これは100万円投資して、99万円損したら、残りの1万円から100万円にするのは非常に難しい。でも、100万円の損失を10万円に抑えて、90万円を原資にまた分散投資すれば、100万円を超えるかもしれない――そうした「いかに負けを小さく、そして利益を大きくするかが大事」といった意味です。私自身、分散投資を徹底していますが、それは今後、地政学的に大きなうねりが起こり、これまでの世界のルールが変わるかもしれないと予想しているからです。戦後80年、アメリカが世界の覇権を握ってきましたが、数々の戦争が重なり、アメリカはいよいよ体力が失われてきています。一方、中国が力をつけて、ロシアとタッグを組み始めている。つまり今は、アメリカ一極の世界から、多極化の世界への過渡期である。だからこそ、米ドルが今後も変わらず基軸通貨であり続けるかどうかはわからない――。私はこのように考えています。実際、中東の石油は米ドルではなく、人民元で買えるようになったり、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)では、ドルを使わないしくみをつくろうという動きが起きています。また中国は、自国の通貨の価値を上げるためか、金をどんどん買い増しています。つまり米ドルに今のように価値があるのは、ここ80年ぐらいの流れなのです。米ドル覇権がすぐに消滅することはないにせよ、リーマン・ショック級の経済ショックが頻発したら、アメリカ経済はどうなるかわかりません。

■自給自足は究極のリスクヘッジ

ここからは私の予想です。今後、アメリカ一極が衰えて、世界が戦争状態になってしまったら、かなりの確率でインフレが加速すると思います。そうなると資源を持っている国が強い。たとえば食料や鉄鉱石などの資源が豊富なオーストラリアなどは、しっかりと生き残れるだろう。だから私は今、オーストラリアドルやオーストラリアドル建の債券に関心を持っています。もちろんアメリカも資源がありますが、覇権から衰退する過程で何が起きるかわからないことを考えると、米国債の追加保有は様子見したいと考えています。もしも台湾有事が起きれば、真っ先に飢えやすいのは東京だという試算もあります。それぐらい日本の食料自給率は低い。その自衛策として私は、趣味も兼ねて畑作業での作物づくりの準備に動いています。「自給自足」の準備です。東京にも手放された農地はたくさんあるので、共同でそこを耕し作物をつくり続けるのは、次世代にも価値があることだと。


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崔真淑(さい・ますみ)

エコノミスト

2008年に神戸大学経済学部(計量経済学専攻)を卒業。2016年に一橋大学大学院にてMBA in Financeを取得。一橋大学大学院博士後期課程在籍中。研究分野はコーポレートファイナンス。新卒後は、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)でアナリストとして資本市場分析に携わる。債券トレーダーを経験したのち、2012年に独立。著書に『投資一年目のための経済と政治のニュースが面白いほどわかる本』(大和書房)などがある。

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(エコノミスト 崔 真淑 構成=池田純子)


プレジデントオンライン/2024年7月15日 9時15分


2023年2月19日日曜日

年金14万円・84歳の高齢者、悠々自適な生活が一変!老後破産すら覚悟する唖然の「老人ホーム請求額」

 セカンドライフの有力な選択肢のひとつである、老人ホーム。しかし、最近は破産する施設も増加しているとか。さらにそこでトラブルも増えているといいます。みていきましょう。

〇昔は「老人ホーム=姥捨て山」だったが

長寿化がすすみ、昔よりも「元気な高齢者」は増えているものの、年を重ねるごとに健康不安は大きくなっていくもの。厚生労働省や総務省の調査によると、要支援・要介護認定者の割合は、70代前半で5.8%ですが、70代後半になると12.7%と8人に1人。80代前半では26.4%と4人に1人。80代後半になると2人に1人という水準になります。実際に支援や介護が必要となったとき、誰がサポートしているのか、というと、54.4%が同居人で、配偶者が全体の23.8%、子どものが20.7%、子の配偶者が7.5%。また別居の家族等がサポートしているケースは全体の13.6%です。身の回りに頼れる人がいればいいのですが、なかなか頼れる距離にいなかったり、身内だからこそ頼みづらかったり、事情はさまざま。そもそも「家族の手を借りること自体イヤ!」という人もいるでしょう。支援や介護が必要になってから「さて、どうしようか」と考えると、自身も家族も負担でしょうから、そうなる前に万が一の時の対応を家族と話し合っておきたいものです。そんななか、老後の暮らし方の選択肢としてあがるのが老人介護施設。かなり昔は“老人ホーム=姥捨て山”のようにいわれ、「親を老人ホームにまかせるなんて、人でなし!」といわれるような時代もありました。しかし最近の老人ホームは設備もサービスも充実し、なかにはホテルライクな生活がかなう施設も。

また介護が必要になってから入るところ、というイメージが強い老人ホームですが、健康な高齢者向けの施設である、健康型有料老人ホームも。いまどきの老人ホームは、昔のイメージからはずいぶんと変わってきています。

〇老人ホームの費用…ランニングコストは月平均11万円ほど

そこで気になるのが、費用の部分。

――そんなに素敵な生活ができるなんて、ずいぶんとお高いんでしょ

確かに老人ホームといってもピンキリ。「入居金なし」のところから「入居金だけで億単位」のものまであります。逆にいえば、自身のライフスタイルや資産背景によって、最適なところを選べる、ということです。またサ高住の入居者の平均年齢は84.2歳で、85歳以上が6割を占めます。国土交通省の資料*1によれば、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居費用*2は全国平均10.8万円。大都市圏での施設では平均12.6万円、地方圏だと9.0万円です。

*1:国土交通省『第6回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会』(2022年2月22日開催)資料

*2:家賃、共益費、必須サービスの費用合計。ただし必須サービス費用は、介護保険適用分(1割負担を除く)

一方、公的年金の平均年金額は、厚生年金受給者で月14万円ほど。元会社員や公務員であれば、月々の年金だけで平均的なサ高住に入居可能です。もちろん、このほかに入居金が必要だったり、サービスには含まれない費用があったりするので、「11万円あればサ高住で暮らしていけます」とはいきませんが、「想像よりは安いな」と感じた人が多いのではないでしょうか。

老人ホーム倒産で増えている、意外なトラブルとは?

〇ただ、老人ホームではちょっとしたトラブルが増えているとか。

――えっ、老人ホームの請求額、高くない?

昨今の値上げに次ぐ値上げで、老人ホームからの請求額までも……確かに、そういうこともあるかもしれませんが、ほかに増えているというのが、「老人ホームの破綻」。東京商工リサーチによると、2022年、「老人福祉・介護事業」の倒産件数は、前年比76.5%増の143件。介護保険制度が始まった2000年以降、最多を更新しました。もし老人ホームが倒産したら、どうなるのでしょうか。入居者は追い出され、路頭に迷うことに……そんなことがあっては大変です。別の運営会社に引き継がれることが多く、引き継いだ先のサービスが原則適用されます。その際、無料だったサービスが有料になったり、単価の見直しがあったりして、毎月の請求額がこれまでと変わってしまうのです。たいてい事前説明会などが開催され、家族含めて説明がされるものの、実際の請求額をみて目玉が飛び出そうになる、ということも珍しくないといいます。なかには価格が大きく変わり「とても払えない!」と入居者自身が破産を意識するような極端な例も。また破産ではありませんが、M&Aなどで、経営母体が変わることも珍しくなく、この場合も運営母体が変わることで、請求額も変わってきます。毎月の請求額が高くなることも痛手ですが、破産して、引き取り手がなかったときも悲惨です。通常はほか施設が受け入れてくれるものですが、100%というわけではありません。「なんか、設備が古い」「入居者がやけに少ないけど」「スタッフが少なすぎない?」など、ちょっとした違和感は倒産のサインかもしれません。老人ホームを選ぶ際は、費用や住み心地だけでなく、「倒産リスク」もきちんと見極めることが重要です。


2023/2/19(日) 11:16配信幻冬舎