2022年2月12日土曜日

大阪カジノ、維新「セコセコ行政」でも土壌対策費790億円の経緯は不明

 「公費負担はない」と説明されてきた大阪維新の会の看板政策である、カジノを含むIR計画。だが、土壌汚染や液状化対策に大阪市が790億円を投じることが昨年末に公表された。金額決定の経緯が明らかになると期待された議事概要の黒塗り部分がこのほど開示されたが、依然として不明なままだ。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

●松井市長の指示で黒塗りを開示 市幹部が苦しい胸の内を吐露

土壌汚染や液状化への対策に巨額の負担が生じることとなった大阪湾の埋め立て地「夢洲」でのカジノを含むIR(統合型リゾート)計画。大阪市議会議員からの要求により、松井一郎市長や幹部による2021年2月12日の会議の議事概要が提出されたが、肝心の内容がすべて黒塗りだった(『大阪カジノで市負担の土壌対策費790億円が、WTCの二の舞になりそうな理由』参照)。その後、松井市長の指示で2月3日に市ホームページで黒塗り部分が公開された。議事概要には、新型コロナウイルスの感染拡大で計画の大幅変更を余儀なくされた市幹部の苦しい胸の内が率直に吐露されていた。IRを運営する民間事業者の募集は19年12月に始まり、米国のカジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人とオリックスの2社による企業連合が唯一応募した。その後に夢洲の土壌汚染への対策が必要だと判明し、市は応募要項を修正して21年3月に再度実施。同9月にMGMオリックス連合に決まった。21年末には、土壌汚染対策などの費用として約790億円を市が負担すると新たに判明し、計画の収益性が懸念されている。議事概要によると、大阪市の坂本篤則IR推進局長はこの会議で、コロナ禍の影響をとつとつと語っている。「新型コロナウイルス感染症の影響でMICEについては非常に大きな影響を受けている。ビジネスモデルについて今後どうなっていくのか、そのあたりが現在の時点では明確になっていない」「特に昨年夏以降、徐々にMICEが再開されているが、第2波、第3波が続く中で多くが中止となったり、延期を余儀なくされている状況がある」MICEとは、Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Eventの頭文字を使った造語で、国際会議を開催できる巨大な会議場や展示施設を指す。高橋徹副市長はこの会議で「IRの中核施設はMICEである。世界最高水準のオールインワンMICE拠点を形成することで世界から人を呼び寄せて、日本経済の成長につなげていく、そこで大事になるのが、MICEである」と強調した。ところがIR推進局から会議で示されたのは、MICEのうち展示施設の整備面積を開業時に10万平方メートル以上とするのではなく、開業時は2万平方メートル、開業後15年以内に6万平方メートル、そして35年の事業期間内に10万平方メートル以上の計画を立てるという「段階整備」に変更することであり、その方針自体は会議後すぐに公表された。

●「部分開業」報道を嫌がるも 「世界から人呼ぶ」展示場は開業時に不発

ただ、公表前の2月11日に日本経済新聞電子版がこれを「20年代後半に部分開業」と報じたのがよほど気に障ったのか、坂本局長は2万平方メートルの展示場という国の基準を満たして開業することを理由に「いわゆる大阪IRを目指す最終形に向けて、第2期、第3期というような形で成長させていくものと思っている」と強調。高橋副市長からの「部分開業には当たらないということでよいか」との念押しに「その通りである」と答えている。言い方はどうあれ、国の基準を大幅に上回る10万平方メートル以上の展示施設を設けることで、高橋副市長の言う「世界から人を呼び寄せて、日本経済の成長につなげていく」という構想が、20年代後半の開業時には実現しないことが、この会議ではっきりした。では、開業後に段階整備を進めていくことにどれだけの合理性があるのだろうか。そもそも日本にはMICEに相当する大規模展示施設が少なく、11万平方メートルを超える東京ビッグサイトをしのぐ展示場は海外に多い。そのためコロナ前は、インバウンド需要のさらなる取り込みのため、カジノと一体となった巨大なMICE施設の誘致に横浜市や大阪府市などが名乗りを上げた。たが坂本IR推進局長も認めているように、コロナ禍で展示場ビジネスは大幅な制限を受けた。さらに、フェイスブックを運営する米国のIT大手メタは、仮想空間でのアバター同士による交流を可能にする「メタバース」に注力していくとしている。仮想空間でも人間の五感が限りなくリアルに近い形で再現されれば、展示や交流といった概念が今後、根本的に覆されることになる。坂本局長もこの会議で「オンラインと現実のリアルをミックスしたようなハイブリッド型といわれているMICEが増加傾向にあると聞いている」と語っており、その兆候は明らかだ。見方を変えれば、展示施設の面積を10万平方メートルから2万平方メートルに縮小し、修正後の募集要項には「段階整備」の時期の見直しも書き込んだため、無用の巨大なハコモノ建設を回避できたともいえる。ただし上物がどうあれ、「土壌」には当初公表していなかった莫大な費用が投じられることに変わりはない。この会議では、昨年末に公表されて批判を浴びた、市による夢洲の土壌対策費790億円の負担についてもやりとりがあるが、当時はその金額の規模は不明だったようだ。

●「鉛筆1本無駄にしない」維新の政策で 埋め立て地に790億円、リターンは根拠不明

高橋副市長が土壌汚染対策を挙げて「負担の程度は何か想定しているのか」と尋ねたのに対し、坂本IR推進局長は「具体的な内容については事業者の提案になる」とした上で、「提案の内容を見て、残土の量であるとか、時期であるとか、処理の方法をどのようにしていくのかなどを踏まえた上でということになるので、現在のところ想定している負担については、未確定であるが、可能性はあると考えている」と回答した。要するに、IR推進局はこの時点で、費用は事業者の提案次第と説明していたということだ。高橋副市長はその場で「市の負担が軽微になるようしっかりと調整してもらいたい」と求めた。そして昨年末になって、土壌汚染対策費が790億円と突然公表された上、今年1月には地下鉄中央線の延伸費用に追加で96億円、さらに2月に入ってからは、IR予定地と隣り合う25年の万博会場跡地の土壌対策費に788億円が必要だと判明した。大阪府市を率いる大阪維新の会のキャッチフレーズは「身を切る改革」だ。松井市長が16年の街頭演説で「みなさんの税金をお預かりして役所の中で使うときは、セコく、セコく、細かく。鉛筆1本、紙1枚、無駄にしない」「大阪府、大阪市では、両面コピー、鉛筆も短く短くなるまで絶対使う」と「大阪流セコセコ行政運営術」の意義を語ったように、これまで職員給与や事業の削減を成果に誇り、選挙戦で訴えてきた。その半面、夢洲には、上物の計画を縮小して当初の「成長戦略」の変更を強いられたにもかかわらず、土壌対策には大盤振る舞いで、「軽微」とは到底いえない金額を投じようとしている。松井市長はIRによる財政的なリターンを強調するが、大阪府市が事業者から年間に得るとはじいた1030億円は、コロナ収束を見込んだ楽観的な数字である。そもそも松井市長や大阪府の吉村洋文知事はこれまで、一連の計画に「公費負担はない」と説明してきたが、土壌対策の負担が明らかになってから「IRの『施設』に公費は使わない」といった主張にすり替えており、朝日新聞は2月5日付社説で「およそ通用しない言い訳だ」と突き放した。そして重要なのは、夢洲の土壌対策費の規模について、坂本IR推進局長が21年2月の段階で、事業者からの提案によると語ってから、年末に790億円という金額が公表されるまでの間に、市と事業者側との間でどのようなやりとりがあったのか、黒塗りが解除されても、何一つ明らかになっていないことである。松井市長は1月27日の記者会見で「大勢のお客さんが集まるので、安全で安心して楽しめる土地にしてくださいというのが事業者からの要望。それを受けて判断した」と語った。だが、一般的に湾岸の埋め立て地の地盤に問題が起きやすいことは土木工事の世界では常識であり、巨額の対策コストが「想定外だった」との市側の説明は通らないだろう。市IR推進局は取材に対し、2月10日開会の市議会定例会に合わせて黒塗りだった文書を開示したとしているが、議論の材料としてはあまりに不十分だ。

ダイヤモンド編集部/岡田 悟

ダイヤモンド・オンライン2022/2/8(火) 6:01配信


2022年2月6日日曜日

吉村・松井“維新コンビ”で大阪パンデミックが加速! コロナ新規感染者数データもデタラメ

 大阪府が悲惨だ。新型コロナウイルス第6波による感染爆発で保健所業務は逼迫し、新規感染者数の計上漏れが判明。4日の府内の新規感染者数は積み残されていた2921人を含め1万3561人に上った。全国ワーストの惨状を再び招いた“維新コンビ”こそつける薬ナシだ。

◇  ◇  ◇

大阪市内の新規感染者数のデタラメが判明したのは3日。先月26日~今月2日の8日間に計約1万2700人分の報告が漏れていた。漏れ分を加算した3日の感染者数は1万9615人と過去最多を更新。保健所は完全にキャパオーバーだ。「大阪府は保健所をバックアップするため、自宅療養者向けに24時間対応のコールセンターを設置しましたが、業務逼迫の解消に役立っていません。コールセンターで対応しても、スタッフは保健業務のプロではないので、結局マニュアルに従って『保健所からの連絡を待って』と答えてしまう。その苦情が保健所に来ることもあり、本来の業務をさらに圧迫しているのです」(府内の保健所関係者)

■また全国最悪

医療提供体制もギリギリだ。4日時点の病床使用率は軽症・中等症用で85%、重症用で17.3%。全体では74%に上り、第4波の時と同じく、全国でも最悪の感染状況に陥っている。「札幌医大フロンティア研ゲノム医科学」のデータ(4日時点)によると、人口100万人当たりの「新規感染者数」(直近7日間の増加)、「重症者数」(7日間平均)、「入院・療養者数」(7日間平均)は全国ワースト。「死者数」(直近7日間の増加)はワースト2位となっている。

○もはや投げやり

この惨状を加速させているのが、吉村府知事と松井市長の“維新コンビ”だ。吉村知事は関西ローカルの正月特番で「大阪の希望」「大阪ではスーパースター」ともてはやされていたが、その手腕はいまだに発揮されていない。4日の会見では死者数増加を問われ、「(入院している)高齢者は元気な高齢者というよりは、もともと疾患をお持ちの方が多い」とウダウダ釈明。府内の死者17人(3~4日)のうち、基礎疾患があったケースは14人に上るものの、だからといって「しゃあない」ことにはならない。松井市長に至っては「(市民の)一人一人が専門家の意見をしっかりと受け止めて感染対策を講じるしかないんじゃないですか?」(3日の会見)と、投げやりモード全開だ。保健所の逼迫についても、「100%対応せえと言われても、人材も含め持ってる資源の中では非常に厳しいと思います」と開き直る始末だった。松井市長は感染拡大への準備不足を棚に上げた揚げ句、保健所が陽性者の体調を聞き取る「ファーストタッチ」について「40代以下の重症化リスクの低い人」を対象外とすることを決定。あまりに無責任ではないか。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)はこう言う。「正直、打つ手なしなのでしょう。大阪に限らず、大都市圏の感染状況はすでに緊急事態です。医療体制が逼迫している以上、重症化リスクの高い人にリソースを回さざるを得ないとはいえ、医療放棄のそしりは免れない。子どもの感染が増え、感染源となっているのだから、休校措置などの感染拡大防止策はまだまだ打てるはずです」白旗状態の松井市長はオミクロン株を「インフルと比べて命に関わるような症状ではない」と公言してはばからない。一方、吉村知事は「インフルと同じとは思っていない」。この府市の真逆の認識こそ“維新コンビ”が嫌う「二重行政」じゃないか。なるほど、全国最悪なワケだ。


日刊ゲンダイDIGITAL2022/2/5(土) 14:32配信


こういう状態でも維新の会がいい政党だと思っている人がいるということがすごいと思う。



2022年2月2日水曜日

大阪万博跡地整備に788億円府市が土壌対策費を試算

 大阪湾の人工島・夢洲で開催される2025年大阪・関西万博の跡地整備のため、大阪府と大阪市が土壌汚染や液状化対策費として計788億円かかると試算していたことが2日、分かった。大阪市議会の特別委員会で自民党の北野妙子市議が指摘し、市側が認めた。夢洲整備を巡っては昨年末、府市が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の土壌整備費に約790億円かかることが判明している。府市は万博跡地の一部も「国際観光拠点」として新たな観光施設を整備する方針で、面積を基に整備費を推計した。


共同通信 2022/2/2(水) 19:26


「大阪市議会の特別委員会で自民党の北野妙子市議が指摘し、市側が認めた。」ということは指摘されなければ認めなかったのかという疑問が起こるな。


2022年1月24日月曜日

採用してかなり後悔した「中途社員」の5大特徴 一部業界では「経歴詐称」スレスレのケースも

 コロナ禍でも、企業の「中途採用」が活発です。かつて日本企業では、新卒で採用した社員(以下、プロパー社員)を長期にわたって雇用し、欠員が生じた場合に例外的・補完的に中途採用をする程度でした。ところが、近年は事業・組織を改革するための主戦力・即戦力として中途採用をするようになっています。採用人数も増え、年齢層も若年層から中高年層へと広がっています。ただ、すべての中途採用社員が大活躍しているかというと、どうでしょうか。中途採用社員は主戦力・即戦力としての期待が大きいだけに、「期待したほどではなかった」と後悔するケースもあるようです。今回、大手・中堅企業の人事部門の責任者・担当者21人に、アンケートとヒアリングで中途採用社員について調査しました。調査結果をもとに、採用して失敗だった中途採用社員の特徴について考えてみましょう。


■人事の責任者・担当者の7割が失敗を経験

まず、「中途採用で失敗した(採らなきゃ良かった)という経験がありますか」と尋ねました。結果は以下の通りでした。

よくある:5名

たまにある:9名

ない:7名

「ない」という回答は少数派でした。ちなみに、昨年10月に新卒で採用した社員について「採用して後悔した経験」があるかどうかを調査したところ、人事責任者・担当者の「ない」という回答はゼロでした。新卒採用に比べて中途採用のほうが、人事部門が後悔する確率は低いようです。

○「ない」という回答では、次のようなコメントがありました。

「今のところ、すごく後悔したというケースはありません。新卒と違って採用数が少ない分、採用面接などを丁寧にやっています。こちらが期待するスキル要件なども明らかで、新卒採用の場合と違って、『採用してみたら面接時とはまったく別人だった』と驚くことはありません。入社後は、たいてい期待通り活躍しています」(機械)つづいて、「よくある」「たまにある」と回答した14名に、「採用して失敗した」と感じた中途採用社員の特徴を訊ねました。以下の5つの特徴がありました。

(1)出羽の守

中途採用社員には、プロパー社員にはないスキル・経験・マインドを持ち込んでくれることが期待されます。ただ、前職のことを持ち出すだけで、会社でそれをどう生かすといった姿勢がなく、プロパー社員に受け入れられないということがあります。「前の会社ではこうでした、これが常識でした、と前職のことばかりが前面に出てしまって、自分自身が変わろうというマインドが弱い人がいます。いわゆる出羽の守ですね。そういう人は、会社の中で伸びませんし、職場ではプロパー社員から疎まれてしまい、あまり活躍できません」(素材)

(2)順応しすぎる

逆に、中途採用社員が短期間で会社に溶け込み、順応してしまうというケースがあります。そのため、プロパー社員中心の組織に新風を吹き込んでほしいという会社の期待を裏切ってしまいます。「中途採用なのに、『新卒でうちに入ったの?』と思ってしまうくらいに組織に同化し、空気を読んでわが社のやり方に同調する中途採用社員がいます。仕事ぶりなど決して悪いわけではありませんが、改革の先導者になることを期待して採用したので、かなりガッカリします」(電機)

(3)経歴詐称

中途採用では、応募者の前職での経歴を重視して採用します。ところが、ITやコンサルティングなど一部の業界では、経歴詐称あるいは経歴詐称スレスレというケースが多く、問題になっています。「IT業界では、経歴詐称は日常茶飯事です。10人規模のプロジェクトでリーダーの補佐をしただけなのに『30人規模のプロジェクトのリーダーだった』とか、要件定義をした経験がほとんどないのに『重要プロジェクトで要件定義をした』とか。転職希望者に経歴を盛るようにアドバイスしている悪質な転職エージェントもあるようで、頭の痛い問題です」(IT)

■人事は「様々な事情」と向き合わなければいけない

(4)転職癖がついている

転職で入社してきたということは、再び転職(退職)してしまうことがあります。これは致し方ないことですが、短期間で、些細な理由で辞められると、人事部門にとっては痛手です。「金融業界では、転職を繰り返す人がたくさんいます。それぞれの転職には理由があるでしょうが、明らかに転職癖がついていて、短期間であっさり転職してしまうという人もいます。当社では中途採用の数が多く、転職エージェントに相当な手数料を払っており、無視できない問題です」(金融)

(5)採用時に予測できない変化で退職

採用時には予測できなかった変化によって、中途採用社員が退職してしまったり、期待通りの活躍をしてもらえないということがあります。

「入社後に体調を崩してしまった」(小売り)

「親の介護のために退職してしまった」(エネルギー)

「結婚を前提に付き合っていた彼女と破局し、転職してしまった」(精密)

ところで今回、中途採用で不本意な結果を招いていることについて、人事部門から反省の弁がたくさん聞かれました。1つは、「採用の進め方」の問題です。新卒採用では、ある時期にたくさんの学生を選考しなければいけません。学生の場合、潜在能力は不確かです。それに対し中途採用では、採用数が少ないのでじっくり選考できますし、応募者のスキルや経験などもかなり明らかです。一般に、新卒採用よりも中途採用のほうが、人事部門にとって難易度が低いはずです。

「中途採用で失敗するというのは、採用担当者が転職エージェントに頼りきりで面接など手抜きしているか、面接スキルが不足しているか、どちらかでしょうね。いずれにせよ我々人事部門として大いに反省するべき点です」(住宅)また、中途採用をどの部門が主体的に進めるべきか、という課題があります。「当社では、中途採用についても人事部門が中心になって実施していますが、技術が高度化し、応募者の経歴・スキルなどを正確に評価するのが難しくなっています。中途採用については、各部門が主体的にやり、人事部門は側面でサポートするような形に、採用プロセスを見直す必要がありそうです」(精密)

■受け入れるプロパー社員にも問題がある

もう1つの問題は、中途採用社員を受け入れるプロパー社員の側の姿勢です。経営トップは、事業・組織を変革する先導者として中途採用社員に期待し、人事部門はその期待に応えるために優秀な社員を採用します。ところが、こうした意図や取り組みが配属先のプロパー社員に伝わらず、中途採用社員が十分に活躍できないという事態が発生しています。

「当社では、プロパー社員が中途採用社員をよそ者扱いしがちです。中途採用社員が良い提案をしても、プロパー社員が『わが社にはわが社のやり方がある』とか、『まずわが社のやり方をちゃんと勉強してからモノを言え』と、頭ごなしに否定するケースが多々あります」(商社)

「以前、現場の古参のプロパー社員が中途採用社員に『そんなに前の会社が良いなら、さっさとうちを辞めて出戻りしたら?』と言い放って、本当に退職し出戻りしてしまいました。この話を披露すると笑われますが、私はちょっと笑えません」(食品)

事業・組織を改革するためには、プロパー社員も中途採用社員もマインドを変え、お互いが知恵を出し合う必要があります。しかし、そういう良好な関係を構築し、実際に改革の成果を実現しているという企業は少ないようです。日本企業にすっかり定着したと言われる中途採用。しかし、採用プロセスや受け入れるプロパー社員の姿勢など、反省し、改善するべき点がまだまだありそうです。


日沖 健:経営コンサルタント



東洋経済オンライン / 2022年1月24日 8時0分


組事務所「シェア」増加 資金源減り苦肉の策

 複数の暴力団組織が組事務所を共同で使うケースが増えている。捜査関係者によると、全国で施行された暴力団排除条例などの影響で資金獲得活動(シノギ)が難しくなってきており、経費削減が主な理由とみられる。資金源や組員が減っていく中、組織維持のための苦肉の策と言えそうだ。 大阪府警と兵庫県警によると、大阪府内には複数の組織が一つの事務所を共同利用している場所が計13カ所ある。指定暴力団の山口組と神戸山口組の本拠地がある兵庫県にも少なくとも計3カ所ある。 昨年8月に山口組が分裂した後、神戸山口組に直系組織として加わった団体が大阪市港区のビルに入った。ただ、このビルは別の直系組織傘下の3次団体の組事務所のため、系列の違う組織が共同で使うことになった。新しく入居したこの直系団体は、元々同じ港区内に事務所を構えていたが、2012年に山口組から除籍処分を受けて解散。再結成時には以前の事務所を手放していた。11年10月までに全国で施行された暴力団排除条例は、学校など公共施設周辺での事務所新設を禁じている。事務所に使われることを知って不動産取引をした業者も指導対象になるため、現在は事実上、街中に暴力団事務所を新設できなくなった。 同じ系列の3、4次団体などが一つの事務所を共同利用するケースもある。神戸市中央区にある神戸山口組系の事務所の一室には、直系の有力組織「山健組」傘下の複数の団体が入る。見張りや清掃、来客の対応を当番制でこなしているという。 警察庁によると、暴力団組員は全国で約2万100人(15年末)で、統計が残る1958年以降で最少。ある組員は「金も人手もない。光熱費も切り詰めるしかない」と捜査員に明かしたという。ベテラン捜査員は「虚勢や見えを張りたがる暴力団にとって、事務所は力の象徴。10年前だったら事務所のシェアなんて考えられなかった」と話した。 

○住民の追放運動活発化 

山口組分裂による抗争事件を受け、不安を募らせる自治体や住民が暴力団事務所の撤去を求める動きが各地で活発化している。水戸市は今年3月、銃弾が撃ち込まれるなどした小学校近くの神戸山口組系事務所について、使用禁止を求める仮処分を水戸地裁に申し立てた。学校保健安全法に基づく申請で事務所が撤去された全国初のケースとなった。 福岡県では、火炎瓶が投げ込まれた福岡市内の山口組直系事務所について、県暴力追放運動推進センターが住民に代わって使用差し止めを求める「代理訴訟制度」で仮処分を申請。組側は「地元ともめたくない」と今月13日までに事務所を撤去した。 


2016/10/25毎日新聞


大阪市内でも複数の組織が同じ雑居ビルに入居している(同じ部屋かどうかは不明ですが)は少なからずありますね。


解散又は移転したと思われる大阪の暴力団事務所

 敬心連合<宅見組<神戸山口組

2019年8月にはまだ存在したが2021年年末には建物が解体され更地になっている。2021年2月初めにはすでに更地になっていたようです。


臥龍会<山健組<神戸山口組

2020年12月、五代目山健組舎弟だった小林茂は、服役を終え出所後に神戸山口組に回帰。五代目山健組から破門処分となった。2021年10月20日、神戸山口組の執行部会において、今後は「山健組」を名乗らず、小林茂は神戸山口組組長・井上邦雄の預かりとなった。これにより別の場所に事務所が移転したようで事務所のステッカーは外され活動実態はないようである。


2022年1月16日日曜日

維新の会 もう一人の政調会長が大暴走…減税の選挙公約実現は大増税が前提だった

 まるで在りし日の大阪府と大阪市のいがみ合いを見ているようだ――。党幹部が別の党幹部のTwitterをブロックするなど、内紛が続く維新。その主役は、日本維新の会政調会長の音喜多駿参議院議員と日本維新の会国会議員団政調会長の足立康史衆議院議員だ。ネットで公開された議論(「2022年1月11日(火)日本維新の会 国会議員団第4回政調役員会」)においても、お互いが一歩も引かず、ギスギスしたやりとりが続く。維新関係者はこう解説する。「『なんで政調会長が二人いるんだ?』という疑問が音喜多氏のもとへ殺到したと本人が明かしています。維新の政調は、国会議員の政策責任者である足立氏と維新全体の政策責任者である音喜多氏の2頭体制です。維新の松井代表は、今年の参議院選挙を睨んで、音喜多氏を政調会長に大抜擢。これまでの維新における論功行賞もあって足立氏に一定の配慮をする必要があったことから、国会議員団の政調会長に置きました。ただ、足立氏がこれまで後輩議員として扱っていた音喜多氏が、ポジションとしては足立氏の上になったわけです」国会だけに収まる政策や議論については、足立氏。維新全体や地方行政にも影響がある部分については音喜多氏が担当するという役割分担なのだが、国会で議論されることのほとんどが広範囲にわたるため、二人の政調会長の守備範囲が被ってしまうのだ。


○「大減税ののちに大増税が待っている」と説明すべき

特に、現在、維新内で議論されているのが「増税」についてだ。代表続投が決まった11月27日に松井代表は「国民と約束した公約実現に全力を尽くしたい」として、先の衆院選での維新の公約実現を誓った。維新の公約であるマニフェストを見ると、1番最初に掲げられているのが、<大胆な規制改革による成長政略へ 増税ではなく減税へ>だ。他のページにも<大胆な減税によって経済成長を後押し><成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する。「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現します。>と書かれている。これまでの維新議員の発言を振り返ってみても「増税の前にすることがある」と「特権的な議員報酬を皮切りに、行政のムダや高齢者に偏った補助金を徹底的に見直すことで財源を捻出する」ことを国民に強く訴えてきた。一有権者である筆者が、通常の解釈をすると、維新が政権を握れば、大減税がなされ、減税による成長戦略がはじまると信じてしまう。しかし、足立氏は「維新は減税政党ではない」として、「減税は一時的な景気対策であって、ベーシックインカムの実現で中長期的には増税になる」旨を主張して譲らない。音喜多氏とは別の議員が足立氏の増税議論に異を唱え「ネット減税(一部に増税する部分があっても全体として減税になっている)を訴えないのか」と指摘しても譲らない。ベーシックインカムには莫大な財源が必要であり、そのために、足立氏がこれまで主張してきた「金融資産税」が実現されれば、減税どころか31兆円の増税になってしまう。この金融資産税は、「貯金税」とも呼ばれ、個人の貯金や国債などあらゆる資産に1%の課税をするもの。ちなみに31兆円は、消費税15%相当の税収だ。消費税が25%になる規模の増税なのだ。足立氏はこの金融資産税について「所得税を払いながら、人生をかけて貯めてきた小金(こがね)をいまさら課税する」と“たいへん正直な説明”をしている。足立氏の意見が通るのであれば、大増税がはじまるということになる。なにより、「増税より減税へ」という選挙公約とのあまりの齟齬は、有権者への冒涜であろう。以前に大きな批判を受けたケータイ電話会社の激安プランの広告は、大きい文字で安くなると書き、読めないぐらいの文字で小さく注意書きが書いてあり、よく読むとぜんぜん安くないというようなものがあった。しかし、維新が掲げた選挙公約には、小さな注意書きすらない。これではただの騙しなのではないか。「大減税ののちに大増税が待っている」ときちんと有権者に説明するべきだ。先の維新関係者はこう話す。「足立氏は党綱領に記載がなく、選挙公約(マニュフェスト)にも『検討』としか書かれていない『ベーシックインカム』を絶対にやる前提でしか議論を進めようとしていません。政調会の議論をみるところ、足立氏の意見は維新でも少数派ですが、足立氏は国会議員団の政策責任者という地位にあります。維新の現在の選択肢としては、(1)(足立氏に従って)ベーシックインカム実現に向けて大増税になることを認める(2)(音喜多氏に従って)ベーシックインカムは『検討』しつつネット減税をすることです。参院選を控え、現実には、(2)を選ぶしかないでしょう。今後は、自民党同様に政調会長(足立氏)抜きで政策を決定していく場面が増えていくと思います」

○大阪都構想の“ブーメラン”

冒頭に述べた党幹部が別の党幹部のTwitterをブロックしたという話は、実は、足立氏が音喜多氏のTwitterをブロックしたのだ。二人の政調会長が違う意見を持っていて、毎週行われる議論は膠着状態だ。足立氏による持論の長演説も目立ち、会の終盤には、「自分にもきちんと意見を言わせる場を持たせろ」という異論もでた。大阪府と大阪市で起きた二重行政を大阪維新の会はこう批判した。

<これがいわゆる大阪の「二重行政」。とにかく基本的に大阪府と大阪市で役所間・議会間の仲が悪い。狭い面積の中で、市民の声を聴くこともなく、府と市が協力することもなく、非効率に税金を投資し続けた結果、大阪はとんでもない状況に陥ることになったんじゃ>(大阪維新の会ホームページ)

同じことが維新の政調会で起きている。大阪都構想の議論を通じて、彼らは何を学んだのだろうか。


2022/1/16(日) 6:00配信デイリー新潮編集部


「大阪都構想の議論を通じて、彼らは何を学んだのだろうか」と言うが何も学んでいないことは明確である。減税と言っているが結局増税ですね。結局選挙のため(選挙で当選するため)にいい加減なことを言っていただけですね。「もともと自民党で立ち行かない議員が橋下知事の人気におんぶに抱っこで集まったローカル政党。国会議員は底が抜けた状況で纏まりも政策もない。」という意見があるようだがある意味正しいと思う。もともと自民党内で落ち目になってあまり意見を言わせてもらえなかった(自民党内で出世コースから外れた)落ち目の人が集まってできた政党ですからね。まあ衆議院選挙の前に出てこなかったが参議院選挙の前にこういういい加減な政党である実態が露呈したことはある意味重要である。今年の参議院選挙では正しい民意を反映させる必要がある。