2021年3月20日土曜日

酒井興業<宅見組<神戸山口組

 酒井興業は大阪府大阪市浪速区元町1-13-17難波シティハイツ1001に本部を置く暴力団で、指定暴力団・神戸山口組の三次団体。上部団体は二代目宅見組。ただ2021年3月13日にこの住所を見に行ったが、表札もなく監視カメラもなく大阪府公安委員会のステッカーも貼られていない。


○組織図 

組長-酒井冨士男(二代目宅見組副組長・舎弟頭)

副組長-土江 剛

若頭-長山雅一(二代目宅見組幹事)






生島組<吉川組<6代目山口組

 生島組は大阪府大阪市浪速区桜川4-8-2桜川レックスマンション1F植田総合企画に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の三次団体。上部団体は四代目吉川組。有限会社植田総合企画という会社が法人登記されているがこれがフロント企業ですね。元指定暴力団神戸山口組の三次団体で、上部団体は四代目山健組。2018年5月、指定暴力団六代目山口組系吉川組傘下となる。


○略歴 

2018年5月、山健組の四代目から五代目へ代替わりの際に移籍。2018年5月17日付で五代目山健組から絶縁処分。


○組織図 

組長-生島仁吉(四代目吉川組特別顧問)





中西組<六代目山口組

 二代目中西組は大阪府大阪市中央区島之内2丁目9-27に本部を置く、指定暴力団・六代目山口組の二次団体。

○系譜 

初代-中西一男

二代目-布川皓二

○組織図 

組長-布川皓二(六代目山口組若中)

若頭-野坂利文(六代目宮原組組長)

統括委員長-穴吹博信

若中-石亀信彦

若中-川西洋介

若中-遠藤雅浩

若中-武村 淳





譲心会跡地<山口組

 大阪府大阪市中央区島之内2-15-16にあった山口組系の暴力団。1986年8月に織田譲二が病死。織田組は松岡組(松岡義雄組長)と譲心会(高橋成治会長)とに分かれた。後に譲心会は解散し、2006年9月、松岡組組長・松岡義雄が引退すると、松岡組舎弟頭・高野永次が跡目を継ぎ、織田組の名称を再興した。何時頃に解散したのかは不明。




健心会<弘道会<六代目山口組

 健心会は大阪府大阪市浪速区塩草3丁目9-3に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の三次団体。上部団体は三代目弘道会。もともとは山健組系だったようです。詳しいことは不明であるが、ネット上の情報によると実質的に組織の構成員は神戸山口組系に移籍した、又は引退解散した組織や構成員も少なからずいるようです。組織の実態としてどの程度の規模になっているのかは不明である。

○略歴 

2019年11月6日、六代目山口組若頭補佐であった江口健治は直参から降格、二代目健心会は解散。江口健治は六代目山口組若頭、高山清司の舎弟となる。2019年11月10日、中川孝行を代表とし三代目弘道会の預りとなる。

○系譜 

初代-杉 秀夫

二代目-江口健治

三代目-









臥龍会<山健組<神戸山口組

 三代目臥龍会は大阪府大阪市浪速区元町2丁目2-5に本部を置く暴力団で、指定暴力団・神戸山口組の三次団体。上部団体は山健組。

○略歴 

初代金澤膺一が三代目山健組から本家若中に昇格。その際、五代目山口組組長渡辺芳則が名付け親となり金澤組を臥龍会へ改称。1993年1月27日、金澤膺一が交通事故で急死、若頭戸崎吉晴が二代目を継承するが、2001年9月2日、戸崎吉晴も肝疾患により急逝。二代続けて会長を失った臥龍会は三代目の継承が注目されたが、2001年9月に解散。組員は全て同じ山健組系の組織である健心会へ移籍した。2016年2月18日、二代目臥龍会副会長であった木村政明が臥龍会を再結成し、三代目を継承。同日、四代目山健組舎弟に就任した。2017年5月10日、三代目会長木村政明が四代目山健組から破門。2018年2月、木村政明を抹消し新たに三代目会長小林茂が就任。2020年12月5日、五代目山健組舎弟であったが破門処分を受ける。


○系譜 

初代-金澤膺一(五代目山口組若中)

二代目-戸崎吉晴(五代目山口組若中)

三代目-小林茂

○組織図 

会長-小林茂(山健組舎弟頭)

舎弟頭-下岡永壱









清水組<大原組<6代目山口組

 詳しいことは不明であるが大阪府大阪市中央区高津1丁目10-22に暴力団事務所らしきビル(1戸建ての建物で1階が駐車場になっており異様な監視カメラがついている)があります。ネット上では「大原組系である」という記載があるため、「清水組<大原組<6代目山口組」と記載させてもらいました。








酒梅組

 明治時代から続く博徒系暴力団。構成組員約30人(2018年12月)。十代目酒梅組は大阪府大阪市西成区太子1-3-17(5代目谷口正雄の時には大阪市中央区東心斎橋2-6-23、7代目金山耕三朗の時には大阪市中央区西心斎橋2-6-23、8代目になってからは大阪市西成区太子1-3-17に移転)に本部を置く指定暴力団。2009年9月2日、七代目金山耕三朗組長引退。長谷阪健一若頭獄中服役、そのため舍弟頭南喜雅代理組長職務。2010年酒梅組本部由を大阪府大阪市中央区西心斎橋2-7-15から大阪市西成区太子一丁目3番17号に移転。2010年5月、在獄所服役中の最高幹部・長谷阪健一(当時の若頭及跡目繼承人)辞退。その為組長を組長代行・南 喜雅(三代目森下連合會長)就任八代目組長。2013年3月 吉村光男九代目酒梅組会長就任。

○系譜 

初代-鳶 梅吉

二代目-田中勇吉

三代目-松山庄次郎

四代目-中納幸男

五代目-谷口正雄(谷政組組長)

六代目-大山光次(本名:辛景烈、三代目阪口組組長)

七代目-金山耕三朗(本名:金在鶴、金山組組長)

八代目-南喜雅(本名:南與一、三代目森下連合会長)

九代目-吉村光男 (天龍会会長)

十代目-木下政秀


○組織図 

組長-木下政秀

・執行部 

舎弟頭-月岡正剛

若頭-金石盛栄(金石會会長)

本部長-早川公裕(早川組組長)

事務局長-中田一成(光成会会長)

舎弟頭補佐-伊藤晴夫(七代目今西組組長)

舎弟頭補佐-南正孫(四代目森下連合会長)

若頭補佐-秋元天志

・若中 

児玉雄司

森本忠士

池田貴紀

野山景年

小野寺和彦(光和会会長)

花木祐紀

筒井 達

・本家付 

中山次哲(早川組若頭)

石村慎(金石會若頭代行)














2009年当時はこんな雰囲気でした。





この駐車場の場所あたりですね。







秋良連合会<6代目山口組

 秋良連合会は、大阪府大阪市浪速区大国3-8-3に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の二次団体。

○来歴

太田守正太田興業組長は、初代健竜会副会長、二代目山健組直参。三代目山健組では若頭補佐、舎弟頭、相談役を歴任。2005年、太田会と改め五代目山口組の直参となる。その後再び太田興業に復称したが、2008年後藤忠政後藤組組長の処遇問題で執行部を批判し、除籍引退となった。太田守正引退後、太田興業組長代行の秋良東力が地盤を引き継ぎ名跡を秋良連合会に改め、六代目山口組の直参に昇格した。 秋良東力は2009年8月11日に、暴力団関係者の利用を禁じている山梨県内のゴルフ場で、暴力団であることを隠してゴルフをプレーしたなどとして、2012年7月10日に詐欺容疑で大阪府警に、他の山口組の直系組長ら5人とともに逮捕された。2015年12月1日に太田守正太田興業組長が神戸山口組に参画すると太田興業に一部の傘下組織が戻ったケースがあるようです。また2017年11月2日には傘下の兵藤会組員が徳島県で知人を銃で撃ち重傷を負わせたとして徳島県警察に逮捕されている。 


○組織図 

会長-秋良東力(六代目山口組若頭補佐)

会長代行-早崎 浩(早崎会会長)

舎弟頭-植田輝雄

理事長-児島和彦(三代目兵藤会会長)

本部長-岡本貴(三代目関西護国団会長)

統括委員長-池田 透(二代目井上総業組長)

理事長代行-角 英夫(二代目一蓮会会長)

理事長補佐-新田 晋(新田興業組長)

理事長補佐-柳川誠二(柳川興業会長)

顧問-金岡義幸

顧問-高木正雄

舎弟-北川 誠

幹部-竹島一成

幹部-志賀 清

幹部-林順治(三代目兵藤会舎弟頭)

幹部-篠原義朗

会長秘書-渡辺康之






竜心会<健竜会<五代目山健組

 四代目竜心会は大阪府大阪市中央区東心斎橋2-1-17に本部を置く暴力団で、五代目山健組の三次団体。上部団体は六代目健竜会。


○系譜 

初代-中田浩司

二代目-西川良男

三代目-堀内繁徳

四代目-山本壱也


○組織図 

会長-山本壱也(六代目健竜会若頭補佐)


余談ではあるが酒梅組の旧事務所(5代目当時)の近所ですね(大阪府大阪市東心斎橋2-6-23)。ただこの住所には暴力団事務所っぽい建物はあるが、監視カメラもなく暴力団対策法に基づくステッカーも貼られていないため、別の場所に移転したのだろうか。






一心会<6代目山口組

 一心会は、大阪府大阪市中央区宗右衛門町5-33(2代目当時大阪市中央区高津2-3-16ローズシャトー高津)に本部を置く暴力団。山口組三代目組長田岡一雄の舎弟であった韓禄春の結成による「富士会」という暴力団を源流とする組織で、指定暴力団六代目山口組の二次団体。詳しいことは不明であるが過去の住宅地図によると2代目時代、大阪市中央区高津2-3-16ローズシャトー高津というマンションの3階に「株式会社昌栄総合企画(ネットにおいてこの会社がフロント企業であるという記載あり)」という会社があり6階に「川崎(2代目組長の苗字のみ)」表札が出ていたようである。3代目になってから大阪府大阪市中央区宗右衛門町5-33に移転し、表札には組長の苗字である「能塚」と掲げるのみである。

○来歴

田岡一雄の舎弟であった韓禄春が「富士会」を結成。1960年の「明友会抗争」の際には報復の実行部隊を担った。のちに「一心会」として組織を再編。勢力を広域に拡張するなどで山口組内でも有数の有力組織となった。初代会長の桂木正夫は山口組五代目体制下にあって舎弟頭補佐の役を務め、1995年をもって引退。長年にわたり桂木の側近であった川﨑昌彦が同年内に会長に就任した。2000年代の後半期(2008年10月)に後藤組の処分問題が発生すると、神戸の井奥会、熊本の三代目大門会、福島の六代目奥州会津角定一家、福岡の二代目浅川一家、そして同じく大阪の浅川会ならびに太田興業とともにこれに連座。山口組から除籍処分を受けた川崎が2008年をもって引退、当時若頭であった能塚恵が組織を継承した(2008年11月11日)。2018年6月朋友会を傘下に高島伸佳会長を副会長に迎える。 


○歴代

富士会:韓禄春田中禄春とも名乗った。三代目山口組舎弟。のち在日本大韓民国民団中央本部常任顧問。 

初代:桂木正夫

1927年3月5日生。三代目山口組若中、四代目山口組若頭補佐、五代目山口組舎弟頭補佐。 

二代目:川﨑昌彦

1939年8月8日生。初代体制下では系列組織の「川崎組」を率いた。1995年における桂木の引退とともに組織を継承し、山口組五代目組長渡辺芳則から親子盃を受けた。2008年に山口組から除籍処分を受け引退、跡目を能塚恵に譲った。 

三代目:能塚恵

1960年生。暴走族の総長であった若年期、当時川崎組の会長であった川﨑昌彦と縁を持ち、同組に加入。それからというもの川崎の傘下で活動し、1998年に一心会の若頭補佐へ。同会内に「能塚組」を結成した時期もあったが、のちに川崎組を復興したうえで自ら組長に就任、のち2006年に一心会の若頭へ。先代の川﨑の引退に伴い2008年に組織を継承。2015年8月に神戸山口組と6代目山口組分裂した。2015年11月05日、六代目山口組の定例会から帰ってきた六代目山口組幹部の『三代目一心会』会長・能塚恵に対し、一心会の若頭や幹部らは「もうオヤジにはついて行けない」と言い放ち席を立った。2015年11月06日、能塚恵は頭を丸めて山口組総本部を訪れ、執行部に昨日の出来事を話して謝罪した。一心会の組員らは同じ六代目山口組系列の『二代目竹中組』や他団体の『二代目東組』『神戸山口組』に移籍する者、いったん組に戻るものや引退する者もいたとされる。



○組織図 

会長-能塚恵(六代目山口組幹部)

会長代行-高島伸佳(朋友会会長)

理事長-芦川繁希(三代目三瓶組組長)

本部長-杉本 純

大阪府大阪市中央区宗右衛門町5-33にある現事務所です。




2代目当時大阪市中央区高津2-3-16ローズシャトー高津の動画です。

勝心連合<宅見組<神戸山口組

 三代目勝心連合は大阪府大阪市中央区難波2-3-3に本部を置く暴力団で、指定暴力団・神戸山口組の三次団体。上部団体は二代目宅見組。現在の二代目宅見組の組長はこの組織の出身者である(初代宅見組の若頭だったそうです)。勝心商事という表札が出ていた時があるようです。


○系譜 

初代-入江 禎

二代目-今村仁志

三代目-今津幸治郎


○組織図 

組長-今津幸治郎(二代目宅見組幹部)




暴力団事務所の前に駐輪する人はすごいと思うのは僕だけですか。



2021年3月16日火曜日

保険適用事業場検索システムってしていますか

 保険適用事業場検索システムというシステムがあることを知っていますか。「就職したけどこの会社は社会保険に加入出来るのかな(一定要件を満たしていれば労働者全員(非正規雇用含む)には加入させなければならないことになっている)」「この会社は法人格を持っている(商業登記簿は存在している)が本当に活動しているのかな」という事を調べるために保険適用事業場検索システムを利用すればわかります。ただ、「正社員は加入できるけど非正規雇用については加入させない、主婦や学生のアルバイトの場合は本人の希望により加入させないところもある(本当はこういうことはよくないのだが)」「実際に営業活動しているけど中小企業(従業員数等が少ない)等の理由で加入させない場合がある」と言う場合には例外ですが。


厚生年金保険・健康保険適用事業所検索システム

https://www2.nenkin.go.jp/do/search_section/index1.html


労働保険適用事業場検索

https://chosyu-web.mhlw.go.jp/LIC_D/workplaceSearch




特許情報プラットフォームって知っていますか。

 特許情報プラットフォームって知っていますか。普通の日常生活において「特許情報」について調べることはないと思いますが、「取引先の信用調査(ホームページには色々な特許を持っているように書いてあるが事実かどうか知りたい)」「取引先や就職転職先の会社がどんな特許を所有しているのか知りたい」という場合に利用できます。


特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/



電話帳に電話番号が掲載されていない会社は怪しいのか

 よく信用調査をする際に「その会社の電話番号が電話帳(インターネットタウンページ含む)に掲載されているのか」「104に問い合わせてみる」などをすることがあります。その際に「会社名で調べてみても電話番号が電話帳(インターネットタウンページ含む)に掲載されていない」「104に問い合わせてみてもその個人(又は会社)の電話番号が存在しない」「104に問い合わせてみる「104に問い合わせてみる」」ことがよくあります。この場合にはいくつか理由があります。


○前向きな場合

・最近になって事務所や営業所を移転してきたため、今現在の電話帳に電話番号や住所が掲載されていない

・新規設立法人又は社名変更をしたため

・会社の事務所が自宅兼事務所になっており、社長名義の電話加入権が会社の代表電話になっている

・固定電話回線を所有しておらず携帯電話やPHS又はスマートフォンしか契約していない


○後向きな場合

・事務所を転々と移動しており固定電話番号も頻繁に変更しているから

・事務所等の所在地を知られたくないから意図的に電話帳等に掲載していない


「前向きな場合」なら理解できるが「後向きな場合」は要注意ですね。どちらのケースなのかは商業登記簿を調べたり取引先から聞き取り調査を行ったりして確認してみましょう。


2021年3月7日日曜日

何か裏が?「敷金・礼金ゼロ」賃貸、なぜ存在する?契約時の注意点も解説

 賃貸住宅を探す際、家賃や間取り、設備などの諸条件と同様に気になるのが「敷金」「礼金」です。敷金は家賃滞納時などに備えて預けるお金、礼金は建物のオーナーに謝礼として納めるお金で、物件によって金額が異なるものですが、中には「敷金ゼロ」「礼金ゼロ」、また、「敷金・礼金ゼロ(いわゆる、ゼロゼロ物件)」の賃貸住宅もあります。入居時の初期費用に大きく関わるため、敷金や礼金がゼロの物件は魅力的に見える一方、ネット上では「逆に不安」「何か裏があるのではと思ってしまう」と気にする声や、「どんな理由でゼロにしているのか気になる」「退去時にトラブルにならない?」など疑問の声も上がっています。敷金・礼金ゼロ物件が存在する背景や契約を検討する際の注意点について、オンライン不動産仲介サービス「ROOMAX」を運営する合同会社IEMACHI(東京都葛飾区)代表で宅地建物取引士の尾崎正隆さんに聞きました。

■背景に物件の供給増

Q.そもそも、賃貸住宅の契約における「敷金」「礼金」とは何ですか。

尾崎さん「まず、敷金とは、退去時に修繕が必要となった場合や家賃の滞納、金銭的な債務が発生した場合の担保として、貸主に『預けておく』お金のことです。敷金は退去する際、契約時の清掃費用などの負担分を差し引いた残額が返金されます。一方、礼金とは、借り主が貸主に対して入居時に『支払う』お金のことです。賃貸物件の供給が少なかった時代、『貸主への感謝』の意味を込めてお金を支払っていた慣習の名残とされています。礼金は管理会社と折半されるケースもあるものの、基本的には貸主の収益になります。敷金とは異なり、礼金は返金されません。基本的には、敷金・礼金共に貸主が金額を決定します。金額の上限・下限は特になく、相場としては『それぞれ家賃の1~2カ月分』と設定されているケースが多いです。礼金を退去時ではなく入居時に支払う理由としては、敷金と合わせて受領した方が合理的なためです。なお、関西地方では敷金のことを『保証金』と呼ぶことがありますが、性質は基本的には敷金と同じです。ただし、『敷引き』といい、家賃の1、2カ月分程度を保証金返還時に差し引くことを契約時に決めている場合もあり、この場合は『敷引き』分が礼金に相当することになります」

Q.賃貸物件情報を見ていると「敷金ゼロ」「礼金ゼロ」、また、「敷金・礼金ゼロ」の物件が出てくることがあります。なぜ、「ゼロ」に設定している物件があるのでしょうか。

尾崎さん「まず、やはり、借り主の金銭的な負担が少ない物件の方が新しい借り手が付きやすい傾向にあることが理由として挙げられます。中には、他の物件と差異化を図る意味も含めて、『ゼロゼロ』に設定している物件もあります。賃貸物件の供給が増えたことが背景にあると思われます」

Q.敷金や礼金がゼロの物件について、「裏がありそう」「トラブルにならない?」と不安に思う人も少なくないようです。こうした物件のメリット/デメリットについて教えてください。

尾崎さん「借り主のメリットとしてはずばり、初期費用を抑えることができる点でしょう。先述の通り、金銭的な負担が少ない物件は借り手が付きやすく、貸主にとってもメリットがあるのでウィンウィンともいえる点だと思います。一方で、デメリットは、敷金がゼロの物件であっても『クリーニング代金』などの名目で敷金に代わるような費用を取られる場合があることです。契約時に具体的な費用が決まっていない場合、退去時に高額な請求をされるケースもあるようです。そのため、敷金・礼金以外にかかり得る費用については、おおよその金額などについて事前に確認しておくことをおすすめします」

Q.敷金や礼金がゼロの物件について、その理由が気になった場合、賃貸物件仲介業者(店舗)に理由を問い合わせてもよいのでしょうか。

尾崎さん「よいと思います。ただ、仲介業者側が理由の詳細を把握しているケースは少ないと思われるため、的確な回答はあまり期待できないかもしれません。基本的には、先述したようなメリットを背景に『ゼロゼロ』で募集されている物件が多いと思います」

Q.専門家として、敷金や礼金がゼロの賃貸物件はおすすめできますか。それとも、できませんか。

尾崎さん「ゼロゼロ物件はおすすめできます。純粋に、支払う初期費用に大きな差が出ることは間違いないからです。例えば、家賃8万円の物件の場合、敷金・礼金がないだけでも16万円以上の初期費用が節約できます」

Q.敷金や礼金がゼロの物件と金額が設定されている物件とでは、入居時/退去時で対応や手続きなどに何らかの違いはあるのでしょうか。

尾崎さん「入居時の手続きはどの物件も違いはありません。入居時に室内の不備や汚れを確認し、事前に管理会社に提出するチェックシートがあることが多いので、敷金を預けている場合も預けていない場合も、しっかりとチェックして必ず提出してください。確認の漏れで退去の際に思わぬ費用を請求される可能性があります。退去の手続きに関しては、大枠はどちらも同じです。退去時はほとんどの物件で『立ち会い』があるので、その際に最終的な退去費用が確定します。敷金を預けていれば、そこから差し引かれて残額が返金され、預けていない場合は指定された金額を貸主側に支払うことになります」

Q.敷金や礼金がゼロの物件について、納得した上で契約を行うために契約前に確認しておくべきこととは。

尾崎さん「繰り返しになりますが、退去時にかかる費用を具体的に確認してください。入居申し込みの際に確認するのが一番ですが、もし忘れてしまっても、多くの物件では契約時に渡される契約書に『退去時に最低限必要な費用』について記載があるので必ずチェックし、把握しておきましょう。先述の通り、特に敷金がない場合でも『クリーニング代』などの名目で費用を請求されることがあるので、『初期費用』の項目は必ず確認していただきたいです」

Q.その他、物件探し時や契約時などに役立つ、敷金・礼金に関する注意点を教えてください。

尾崎さん「敷金を預ける場合の注意点ですが、トラブルを避けるためにも、クリーニング代がいくらなのかを事前に確認することをおすすめします。敷金に含まれているのかどうかも含めて聞いておきましょう」

オトナンサー編集部


オトナンサー/2021年3月7日 6時10分