2023年4月25日火曜日

勝心連合跡地<野内組<弘道会<六代目山口組

 三代目勝心連合は大阪府大阪市中央区難波2-3-3に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の四次団体。上部団体は野内組。

○略歴 

2022年1月、三代目勝心連合は神戸山口組・二代目宅見組の中核組織であったが、二代目宅見組幹部・今津幸治郎が勝心連合を率いて宅見組を脱退。同年2月1日、六代目山口組・三代目弘道会・野内組に移籍。2022年9月頃に事務所に公安委員会のステッカーがはがされているといううわさが流れていた(2022年8月まではステッカーが貼られていることがグーグルマップで確認できる)。2023年3月18日に確認するために見に行ってみると公安委員会のステッカーがはがされていた。移転したのか解散したのかは不明です。


○系譜 

初代-入江 禎

二代目-今村仁志

三代目-今津幸治郎


○組織図 

組長-今津幸治郎(野内組舎弟)

宅見組跡地

 二代目宅見組は大阪市を本拠とし大阪府豊中市緑丘4-31-1に本家を置く暴力団。

〇概要

旧本部は大阪市中央区千日前1-8-23(売却済・解体予定)

〇略歴

・初代

1963年、宅見勝が福井組に加入。

1970年、宅見組が結成され、宅見勝が福井組若頭に就任。

1978年、三代目山口組の二次団体に昇格。

1983年7月、宅見勝が三代目山口組若頭補佐に就任。

1989年5月10日、宅見勝が五代目山口組若頭に就任。

1997年8月28日、新神戸オリエンタルホテル4Fの喫茶店で、宅見勝が中野会傘下組員に銃撃され搬送先の神戸市立中央病院で死去。

・二代目

1997年12月、若頭の入江禎(勝心連合組長)が宅見組の二代目を継承し、五代目山口組若中に昇格。

2005年6月、入江禎が五代目山口組若頭補佐に就任。

同年8月、入江禎が六代目山口組総本部長に就任。

2013年10月、入江禎が六代目山口組舎弟頭に就任。

2015年8月26日、六代目山口組を脱退。

同月27日、神戸山口組が結成されると、入江禎は副組長に就任。

2022年5月8日、豊中市の本家に三代目弘道会傘下組員が車で特攻。

同年9月9日、入江禎の尽力により、池田組と神戸山口組が五分の親戚団体となる。これにより、実質的に池田組と親戚関係にある絆會、神戸山口組の3派連合体が結成された。

同月21日、入江禎が神戸山口組を脱退した為、二代目宅見組は独立組織となり、前述の連合体も解消された。

同年10月5日付で神戸山口組は入江を除籍した。

2023年3月23日、神戸山口組の中核組織であった二代目宅見組が2022年10月に神戸山口組を離脱した事について、偽装の可能性も視野に入れ実態調査をしていた大阪府警は、離脱が事実と確認できたとして入江禎の自宅がある大阪府豊中市を特定抗争に係る「警戒区域」から除外することを決定した。

同年4月14日、2021年以降、使用を差し止められていた大阪市中央区千日前の本部事務所を、大阪市内の民間企業が約3.3億円で買取り、建物は解体される予定。

〇宅見組系譜

初代-宅見 勝(五代目山口組若頭)

二代目-入江 禎

〇二代目宅見組組織図

組長-入江 禎

若頭-森島 厚(厚和会会長)

舎弟頭-酒井冨士男(酒井興業組長)- 勾留中

統括委員長-須藤基之(須藤会会長)

副本部長-渡邊 誠(三代目石川一家総長)

若頭補佐-本田義博(二代目剛竜会会長)

幹事-阿部辰雄(三代目石川一家若頭)

幹事-土江 剛(酒井興業副組長)


〇宅見組事務所売却のニュース

ミナミの「宅見組」事務所、民間企業に3億3000万円で売却…神戸山口組から離脱

特定抗争指定暴力団「神戸山口組」(神戸市)から離脱した「宅見組」の大阪・ミナミの事務所が民間企業に売却されたことが捜査関係者への取材でわかった。近く解体される見通し。捜査関係者によると、大阪市内の民間企業が事務所の土地と建物を計3億3000万円で買い取ることで今月14日に契約が成立した。事務所を巡っては、大阪地裁が2021年に使用を差し止める仮処分を決定し、組員の立ち入りが禁じられていた。

読売新聞2023/4/18(火) 10:38配信


【独自】大阪・ミナミ 暴力団「宅見組」本部事務所を解体へ 民間企業が建物を3億円あまりで購入

大阪・ミナミを拠点とする暴力団「宅見組」の本部事務所が売却され、近く解体されることが分かりました。大阪市中央区にある暴力団「宅見組」の本部事務所は、大阪府暴力追放推進センターが起こした裁判で、2021年以降、使用を差し止められていました。捜査関係者によりますと、先週、民間企業が建物を3億円あまりで買い取り、宅見組が退去したことが分かりました。建物が残ることで、抗争事件に巻き込まれる可能性もあることから、近く、建物を解体する方針だということです。宅見組は特定抗争指定暴力団「神戸山口組」の主要組織でしたが、すでに離脱したことが確認され、4月、組長の自宅がある豊中市も「警戒区域」の指定を解除されています。


読売テレビ2023/4/17(月) 12:05配信


「誰がこの土地を購入するのか」「この土地をどのように利用するのか」ということが気になりますね。

「ゆうちょ銀行」は普通の銀行と何が違うの?

 〇郵便局時代の名残がある、ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、郵政3事業の民営化により2007年10月に誕生しました。郵便局の貯金を取り扱う部門が、株式会社ゆうちょ銀行として民間の銀行になったわけです。その際、商品やサービスの見直しが行われました。とはいえ、郵便局時代の商品の多くが、ゆうちょ銀行に引き継がれ、今もほかの銀行とは違ういくつかの特徴が残っています。

〇ゆうちょ銀行の預入は、定期性貯金で1人1300万円まで

ゆうちょ銀行に預けることができる金額は、民営化後、段階的に引き上げられ、2019年4月1日からは、通常貯金(普通の銀行の普通預金にあたる)は1人1300万円まで、定期性貯金(普通の銀行の定期預金に相当する定期貯金や定額貯金)は1人1300万円までとなりました。普通の銀行には、こういった限度はありません。そもそも郵便貯金は、庶民に貯蓄をすすめ、貯金として集めたお金を政府の方針で社会整備のために使おうということから始まったものです。少ない金額から、誰でも貯金できることが原点。しかも、後ろ盾として国がついていました。そのため、限度額が決められてきました。民営化後も、この限度額は生きています。

〇ゆうちょ銀行には、郵便局といえばの定額貯金も健在

普通の銀行で一定の期間お金を預けるといえば、定期預金ですね。ゆうちょ銀行にも定期貯金があります。さらにゆうちょ銀行には「定額貯金」という独自の貯金があります。年配の方の中には、金利の高い時期に郵便局の定額貯金に預けて、たくさんの利息をもらった方がいらっしゃるはずです。定額貯金の特徴は、次の3つです。

・預けて6カ月経てばいつでも解約ができ、最長10年まで預けられる=使い勝手がいい

・最初の3年は6カ月ごとに金利が上がっていく段階金利、全期間にわたって半年複利=長く預けるほど複利効果で利子が増える

・固定金利=高金利のときの預入が有利

現在は低金利なので、残念ながら定額貯金はあまり有利ではありません。ただし、6カ月経てばいつでも解約できるので、いざというときのお金の預け先によさそうです。

〇ゆうちょ銀行の住宅ローンは?

普通の銀行は、お金を預かる一方で、そのお金を企業に貸し付けています。住宅ローンや教育ローンなど、個人にもお金を貸しています。そうすることで利益を得て、その利益から預金者に利子を払っています。郵便局の場合、郵便貯金として預かったお金は、国の事業に使われてきました。このお金の使い道に無駄が多く不透明だという批判が、民営化につながりました。民間の銀行になったことで、預かったお金の運用先も、自ら決めることになりました。現在ゆうちょ銀行が個人向けに行う貸し付けには、貯金を担保とした貸し付けや住宅ローンなどがあります。住宅ローンは、次の3つです。

・ゆうちょフラット35

・ソニー銀行の住宅ローン

・SBI新生銀行の住宅ローン

ゆうちょフラット35は、ゆうちょ銀行と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。2023年3月の金利は、団体信用生命保険付きで1%台。ソニー銀行の住宅ローンとSBI新生銀行の住宅ローンは、申し込みなどを媒介しています。

〇ゆうちょ銀行と普通の銀行との共通点は?

ゆうちょ銀行は郵便局時代の特徴を残しながら民間の銀行になったのですが、変わったこともあります。もっとも大きな点は、万一の場合の保護です。銀行が倒産したときのために、民間の銀行は預金保険制度に加入しています。民営化にともない、ゆうちょ銀行も預金保険制度に加入しました。普通の銀行と同様に、万一のときの後ろ盾が、国から預金保険制度になったわけですね。つまり、ゆうちょ銀行の経営が行き詰まり倒産したときは、1人1000万円までの預金とその利息が、預金保険制度により保護されます。

〇まだ、国がついている?

ゆうちょ銀行は、株式会社になったものの、その株式をたくさん持っているのは日本郵政という持ち株会社です。さらに、政府はこの日本郵政の株式の一定割合を保有しています。

今後どうなっていくのか、注目されますね。


文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)

大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後にライターとして独立。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、マネー全般の記事を執筆に加えて、生活者向けのお金のセミナーや家計相談も行う。

(文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー))


オールアバウト / 2023年4月23日 20時30分


2023年4月20日木曜日

【定年後の確定申告】必要?不要?判断基準も合わせて解説します!

 〇年金受給者で確定申告が必要になるケース

結論から述べると、定年後の確定申告は原則不要です。公的年金等を受給している場合には原則として確定申告が不要、という理由によるものですが、特定の条件を満たしている場合には確定申告をする必要があります。ここでは、公的年金受給者でも確定申告を行う必要があるケースをご紹介します。

〇公的年金等の収入額の合計が「400万円」を超える

公的年金等の収入額の合計が400万円を超える場合は、確定申告を行う必要があります。公的年金とは国民年金法、厚生年金法、公務員等の共済組合法などの規定による年金のことを指します。

〇公的年金等を除く所得金額が20万円を超える

〇公的年金等を除く所得金額が20万円を超える

公的年金等を除いた際の所得金額が20万円を超える場合も、確定申告を行う必要があります。

〇各種控除を受けたい場合は確定申告を行う

ここまで解説した条件に当てはまらない場合には確定申告は不要ですが、各種所得控除を受けたい場合には確定申告を行う必要があります。医療費控除、雑損控除、寄付金控除、各種保険料控除などは、確定申告を行わなければ控除を受けることができません。上記控除をはじめとした各種控除を受けたい場合には、本来確定申告が不要な場合でも、確定申告を行うことで所得税や住民税の節税につながります。

〇退職金を受け取る場合は確定申告不要

定年退職をする際に退職金を受け取る場合は、原則として確定申告が不要です。退職所得の受給に関する申告書を提出の上、手続きを行いましょう。申告書を提出しないと退職所得控除による優遇を受けることができず、20.42%の税率で源泉徴収が行われます。提出し損ねてしまった場合には、払いすぎた税金の還付を受けるために確定申告を行う必要が出てくるため、注意しましょう。

〇年末調整を受けていない場合は確定申告が必要

年の途中で退職した際など、年末調整を受けられていない場合には、別途、確定申告が必要になります。会社員の所得税は源泉徴収されていますが、源泉徴収額は概算で算出されるため、正確な値ではありません。余分に納めすぎた所得税は、年末調整によって還付金として返ってきますが、年末調整を受けなければ清算を行うことはできません。退職した翌年から数えて5年以内であれば、確定申告を行って還付が受けられます。

〇定年後の確定申告は必要に応じて行おう!

今回は、定年後の確定申告の必要性と判断基準をご紹介しました。定年後は基本的に確定申告は不要ですが、ご自身の状況によっては必要になるケースがあります。加えて、義務ではないものの、所得控除や還付を受けたい場合には、確定申告を行う必要があります。確定申告が原則不要な定年後であっても、必要に応じて確定申告を有効活用しましょう。


2023年4月18日火曜日

宅見組事務所売却のニュース

 ミナミの「宅見組」事務所、民間企業に3億3000万円で売却…神戸山口組から離脱

特定抗争指定暴力団「神戸山口組」(神戸市)から離脱した「宅見組」の大阪・ミナミの事務所が民間企業に売却されたことが捜査関係者への取材でわかった。近く解体される見通し。捜査関係者によると、大阪市内の民間企業が事務所の土地と建物を計3億3000万円で買い取ることで今月14日に契約が成立した。事務所を巡っては、大阪地裁が2021年に使用を差し止める仮処分を決定し、組員の立ち入りが禁じられていた。

読売新聞2023/4/18(火) 10:38配信


【独自】大阪・ミナミ 暴力団「宅見組」本部事務所を解体へ 民間企業が建物を3億円あまりで購入

大阪・ミナミを拠点とする暴力団「宅見組」の本部事務所が売却され、近く解体されることが分かりました。大阪市中央区にある暴力団「宅見組」の本部事務所は、大阪府暴力追放推進センターが起こした裁判で、2021年以降、使用を差し止められていました。捜査関係者によりますと、先週、民間企業が建物を3億円あまりで買い取り、宅見組が退去したことが分かりました。建物が残ることで、抗争事件に巻き込まれる可能性もあることから、近く、建物を解体する方針だということです。宅見組は特定抗争指定暴力団「神戸山口組」の主要組織でしたが、すでに離脱したことが確認され、4月、組長の自宅がある豊中市も「警戒区域」の指定を解除されています。


読売テレビ2023/4/17(月) 12:05配信


2023年4月7日金曜日

「1千万円ずつアルミホイルで包み押し入れに」…後絶たない相続税申告漏れ、目立つ高額化

 遺産にかかる相続税の申告漏れが後を絶たない。昨年6月までの1年間に国税当局が調査した対象のうち5000件超で見つかり、計約2230億円の申告漏れを指摘した。1件当たりの額は過去10年で最高で、富裕層などの大口事案が相次いだとみられる。1億円以上の高額な相続財産の無申告や遺産隠しも目立ち、国税当局は海外口座などの情報を収集して課税逃れの対策を強化している(牛島康太)。

叔母の遺産のうち、約1億5000万円を隠して過少申告したとして、福岡県内の会社役員女性(70歳代)ら相続人3人は2021年、福岡国税局から重加算税を含む約8000万円を追徴課税された。関係者によると、子どもがいない叔母と女性は12年、判断能力が低下した場合に財産管理などを任せる「任意後見契約」を結び、13~14年、叔母名義の複数の口座から約5000万円ずつ計3回出金した。1000万円ずつアルミホイルで包み、叔母宅の押し入れの布団の下や、本棚の奥に隠していたという。叔母が19年に亡くなり、女性ら3人は相続財産のうち、隠した約1億5000万円を除いて申告。税務調査で現金の行方について説明を求められ、女性は隠し場所を打ち明けたという。国税局は、悪質な仮装・隠蔽(いんぺい)行為があったと判断した。

〇「黙っていれば…」

「黙っていればわからないと思った」。福岡国税局から昨年、相続財産約1億2000万円の無申告を指摘された福岡県の会社員男性(70歳代)は調査に対してそう語ったという。母親が19年に死去したが、男性ら相続人は相続税を申告しなかった。21年に行った税務署からの問い合わせにも、申告すべき相続税がないように装う回答書を出した。しかし、調査で男性は18~19年、母親名義の預金口座から50万~500万円を約70回にわたって出金し、現金はすべて男性名義の預金口座に入金していたことが判明した。男性ら相続人2人は重加算税を含む約1400万円を追徴課税された。

国税庁によると、昨年6月までの1年間の大口、悪質な事案を対象にした調査で申告漏れは5532件で、前年比1・2倍の2230億円。1件当たりの申告漏れ額は過去10年で最高の3530万円だった。福岡国税局管内(福岡、佐賀、長崎各県)は197件で同1・3倍の75億円。1件当たりの追徴税額は過去10年で最高の884万円に上った。新型コロナウイルス禍で調査件数を厳選する中、富裕層などの大口事案が確認されたことも影響している可能性があるという。

〇口座情報、各国で交換

国際的な脱税や租税回避に対応するため、各国の金融口座情報が交換される「CRS(共通報告基準)」に基づき、当局が申告漏れを指摘したケースもある。18年に死去した男性の妻や子の相続人5人は、大阪国税局から計約10億6000万円の申告漏れを指摘された。追徴税額は、重加算税を含め約6億円。海外の金融機関にあった預金や海外の不動産などを申告していなかった。同局はCRS情報でアジアの金融機関に多額の預金がある男性名義の口座を把握。海外資産の申告がなかったため、調査に着手したところ、男性はこの国にマンションを持ち、口座に家賃収入が入っていた。妻らは「悪いことだと知りつつ、税金が安くなったらと思って海外財産を申告しなかった」と話したという。国税当局は近年、こうした海外の口座情報のほか、亡くなった本人や相続人ら関係者のSNSなどにも監視の目を光らせている。

◆相続税=土地や預貯金などを一定額以上相続した場合にかかる。遺産総額から基礎控除などを差し引いた額に税率をかけて計算する。遺産が多いほど税率は段階的に高くなり、最高税率は55%。配偶者と子ども2人が相続する場合、遺産総額が4800万円を超えると課税対象となりうる。


読売新聞2023/4/4(火) 5:03配信


2023年4月1日土曜日

使っていない「銀行口座」、そのままで大丈夫?

 普通預金、定期預金、当座預金、貯蓄預金、通常貯金、定期貯金、当座貯金、定期積金、金銭信託(元本補填のもの)、金融債(保護預かりのもの)など。個人が日常的に使う預貯金はほとんどが対象です。ただし外貨預貯金、財形貯蓄やマル優の適用となっている預貯金は対象にはなりません。さらに、2007年10月1日より前(郵政民営化前)に、郵便局に預けられた定期性の郵便貯金(定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金)は除きます。民営化前の郵便貯金には、郵便貯金法が適用されるからです。郵便貯金法においては、定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金については満期の翌日から20年間引き出しの請求がなく、文書で知らせてもなお引き出しが行われないと、その2カ月後に権利が消滅するとされています。つまり、自分名義のお金ではなくなります。いかがでしょうか? 思い当たる預貯金はありませんか?では、いったん休眠預金になってしまったら、もう引き出すことはできないのでしょうか。

〇「休眠預金等」になっても引き出しは可能

いったん「休眠預金等」の扱いになっても、いつでも引き出すことが可能です。引き出したい場合は、預金の取引を行っていた金融機関に、通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持参して手続きをしてください。口座を作った支店でなくても最寄りの支店で大丈夫です。通帳やキャッシュカードをなくした場合は、金融機関に問い合わせて必要書類を確認してください。本人確認ができれば、引き出せることになっています。いつでも引き出せるとはいえ、それなりの残高があって引き出したいなら、なるべく早く手続きを。そうしないと、結局、引き出さないままになってしまいがちです。せっかくの自分のお金をなくすことになります。ただし、忘れてしまう、ほったらかしにしてしまう理由は、残高が少ないからではないでしょうか。実際、休眠預金等になる預金の多くは少額だそうです。金額もわずかだし、手続きも面倒だし、社会の役に立つのなら引き出さなくてもいいと思うのなら、預金は次のように取り扱われます。

〇休眠預金等は民間公益活動の促進に使われる

「休眠預金等」になると、そのお金は財団法人やNPO法人などが公益活動をするための助成金として提供されます。

「休眠預金等」が使われる公益活動の分野は、「子どもおよび若者の支援に係る活動」「日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る活動」「地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動」と決まっています。また「休眠預金等」の活用にあたっては、コロナ禍やウクライナ情勢により、子どもの貧困や女性の経済的自立への支援の必要性が高まっていることが事業選考の際に考慮されるとのことです。

例えば、2021年は「シングルマザーのデジタル就労支援」「災害時食支援ラストワンマイルへの到達事業」「地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消」などの事業に活用されました。「休眠預金等」は毎年、何百億円も発生しているといわれていて、その取扱いが課題となっていました。社会のために活用されるのはいいことです。しかし、そもそも休眠預金等がなるべく発生しないようにすることが大事です。それには預金の持ち主が、預金をちゃんと管理することです。具体的には、使わなくなった口座は速やかに解約する、引越しの際には必ず住所変更の届け出を行う。インターネット時代ではありますが、金融機関から登録された住所宛てに重要書類が郵便で届くこともあるので、住所変更は忘れずに対応しましょう。光熱費や食料品の値上がりで、数百円、数千円単位の節電や節約に励む人も多いはず。自分のお金を減らさないために、銀行口座の管理もしっかり行いましょう。

文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)

大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後にライターとして独立。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、マネー全般の記事を執筆に加えて、生活者向けのお金のセミナーや家計相談も行う。

(文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー))


オールアバウト / 2023年3月25日 19時30分


早慶並みの大手企業に内定する“トップFラン大学生”に共通点。「学歴フィルター」に負けない就活戦略

 就職活動の時期に、「学歴フィルター」などのハードルに直面し、大きな不安を抱えがちな低偏差値・低知名度の大学に所属する、通称「Fラン大生」。だが、以前ある某Fラン大学でキャリアカウンセラーを務めていた知人が興味深い話をしていた。その大学の学生たちは基本的に就職活動で苦戦する傾向にあるのだが、彼が担当する学生たちのトップ5%は、他の学生と同様無名大学に所属していながら、早慶やMARCHの学生たちが多く入社する人気企業の内定を数社獲得するという。そしてその5%の学生たちにはいくつかの共通点があると言っていた。たとえ低偏差値、低知名度のFラン大学に所属していたとしても、早慶の学生たちのように人気企業から内定を得られるのであれば、それは他のFラン大生たちにとって希望となるだろう。そしてそんな「トップFラン大生」の特徴や就活の仕方に共通点があるとすれば「Fラン大生の就活戦略」として活用できるはずだ。

〇密度の濃い就業体験を通じて基礎力を鍛えよ

そのキャリアカウンセラーが担当、内定を数社獲得するトップ5%の学生たちのひとつの特徴が、「3つ以上のバイトを掛け持ちしている」ということらしい。要は「働きまくっている」ということだ。そしてその学生たちのほとんどが働く理由として挙げるのは「学費を自分で稼ぐため」であるという。「3つ以上のバイトを掛け持ちしながら、学費を自分で稼ぐ」とどうなるのか。まず日々の学生生活はバイトで忙しくなる。しかも1日に2つ別の仕事をやることも増える。ある学生は平日の朝にファミレスの朝食のシフトに入り、大学の授業に出て夕方から夜にかけてガソリンスタンドで働き、週末は派遣で携帯ショップの販売員をしているという。大学時代のアルバイトで「多業種を経験している」というのは就活の場面でメリットに働くことがある。なぜならば3つの業界の現場を熟知していることになるからだ。先ほどの学生であれば、飲食とエネルギーと通信、3つの業界に関して現場の視点を体験をベースに語ることができる。またそれぞれの業界で働く社会人(正社員)との接点が多いことで「社会で(会社で)働くって大変なことなんだな」「でもそれぞれの業界や仕事ごとにやりがいや楽しさってあるんだな」とアルバイト先を比較しながら仕事観が養われる。そして「アルバイトの掛け持ち」が就活に最も影響する要因が、「仕事を通じて社会人基礎力が鍛えられる」ことだ。社会に出てどの仕事でも求められる能力のことを「基礎力(ジェネリックスキル)」と呼ぶ。コミュニケーション力や計画力、忍耐力などはどの仕事をする上でも必要で、企業は面接やインターンシップなどを通じてこの基礎力が高い人材を探している。実は高学歴の人材は「学力」という記憶力や計算力を含めた「情報処理能力」が高い人材ではあるが、社会人基礎力があるというわけではない。トップFラン大生たちは「社会の場で濃密に働く体験」を通じて、自然とそのような能力を身につけている可能性が高いといえる。当然、就職活動をすれば大学名に関係なくそのような能力を企業は評価するので、複数社から内定が得られるのも納得だ。

〇自分の大学の魅力を語れるようになれ

学生時代にアルバイトを経験する学生はたくさんいるが「自分で学費を稼いでいる学生」と他の学生は何が違うのか? 実は先ほどの掛け持ちのアルバイトで忙しいトップFラン大生たちのほとんどが「授業を休まない」傾向にあるという。要は自分で学費を稼いでいるということは、もし授業に出ず単位を落としてしまったら必死に学費のために働いている意味がなくなってしまうのだ。そのために授業にはなるべく出て、レポートなどの提出物も(必要最小限の時間と労力で)期限に間に合うように提出する。当然授業を担当する教授からの評価は高いので仲良くなる。すると何かあった時(バイトのシフトでどうしても授業に出られないなど)には融通を利かせてくれる。ある教科を好きになるのには、その教科が面白いと感じる前に、その教科を担当する先生が面白かったり、仲良くなったり、そのようなことがきっかけになることはよくある。誰でも、中学校や高校でも同じような経験があるのではないだろうか。大学でも同じで、その学問の教授と仲良くなることで、入学時は全く興味もなかったその専門分野に興味を持ったり、授業に出ているうちにそんな先生方や仲間がいる大学を好きになったりするようだ。そのためトップFラン大生のほとんどは自分の大学のことを悪く言わない。むしろ「世間的には無名で偏差値も低いんですけど、意外といいところあるんですよね」と自分の大学の魅力を語ることができるのが共通点のようだ。これは就活の面接の場面で企業の採用担当者に衝撃を与える。ほとんどのFラン大生は自分の大学に自信がなく、コンプレックスを持っているからだ。逆に早慶など他の有名大学の学生たちの横で、その無名大学の魅力について体験を交えて語られると、その大学を過去に学歴フィルターをかけて落としていた企業は後悔するだろう。ぜひ自分の大学の魅力を見つけ、それを就活の場面で堂々と語って欲しい。

〇合説を通じて企業との直接接点で勝負せよ

就活の仕方もトップFラン大生にはひとつの共通点があるという。それは「合説(合同企業説明会)を中心に活動していること」らしい。多くの学生は就職情報サイトで企業にエントリーし、エントリーシートやWebテストをクリアして初めてグループディスカッションや面接の機会を得る。ここで「学歴フィルター」で大学名でふるいにかけられ、選考に進めない(実際は別の理由で落とされていることも多いが)と嘆くFラン大生が毎年多い。トップFラン大生は自分たちの「弱み」をちゃんと理解している。それは「勉強がそんなに得意ではない=Webテストや筆記試験に強くない」ということだ。そのためまずは直接企業の採用担当者に会える合説に出向き、そこで最初の企業接点を持つ。狙っている企業があれば必ず採用担当者に話しかけるという。社会で働きまくっているので社会人に物怖じすることはない。そしてあえて自分の大学名は隠さずに伝えるのだ。人気企業で早慶やMARCHに囲まれ慣れている採用担当者なら、その積極的でコミュニケーション力のある、そしてどことなく社会で揉まれていそうな無名大学の学生が逆に印象に残り「一度ちゃんと話してみたい学生」として記録される。実際にそれで面接の機会を与えられるかどうかは企業によって異なるが、その担当者にとって「話してみたい学生」にまずなることはファーストステップとして大きい。トップFラン大生たちは無謀な戦いは挑まない。そもそも学費稼ぎのアルバイトで忙しいので、就活に時間や手間などかけていられないのだ。何十社も人気企業にエントリーして他の学生たちに埋もれ、苦手なWebテストで落とされるくらいなら、最初から直接接点を持てる合説に赴くのは戦略上合理性が高い。トップFラン大生から学ぶべきことは、自分たちの入学した大学の社会的評価や知名度が決して高くないことに屈することなく、自分たちの力で自分の人生を切り開いていることであろう。それは決して一部の学生にしかできない特別なものではなく、誰でも覚悟と行動力さえあればできることであるので、ぜひ参考にされたい。

(文:小寺 良二(ライフキャリアガイド))


オールアバウト / 2023年3月24日 21時50分