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2022年11月13日日曜日

倒産件数が増加基調、「危ない企業の共通点」を帝国データバンクが解説

 帝国データバンクが11月9日に発表した2022年10月の全国企業倒産(法的整理かつ負債1000万円以上を対象)は、前年同月(512件)比16.0%増の594件となり、6カ月連続で前年同月を上回った。年上半期とは一転し、年下半期は増加基調に転じている。また、2022年1月~10月の累計件数は5214件となり、前年同期を168件上回っている。2021年の年間倒産件数は6015件で帝国データバンクが全国企業倒産集計の発表を開始した1964年以降、1965年(5690件)、1966年(5919件)に次ぐ歴史的な低水準となったが、増加基調に転じている現状を踏まえると2022年は過去最少を更新する可能性は低いとみられる。そうしたなか、今回は最近の大型倒産や話題性の高い企業の倒産において不適切案件が増えていることや、地域金融機関担当者から聞いたコロナ禍で倒産する企業の共通点について解説する。(帝国データバンク情報統括部阿部成伸)

●コロナ前の大型倒産で続出した 「粉飾」が再び増加の恐れ

近時発生した負債額が大きな倒産や話題性の高い倒産について経緯を調べると、周辺から「粉飾決算」「融通手形」といった言葉が聞こえてくる。振り返るとコロナ前の2019年の倒産動向の大きなポイントは「業歴の長い」「事業規模の大きい」「商品・サービス・店舗名の知名度が高い」の3要素を備えた優良企業において「数十年以上にわたる粉飾」が発覚。倒産に至るケースが続出したことだった。当時は地方銀行を中心とした金融再編が最終局面を迎えていた。それに伴って水面下で融資先の選別、デューデリジェンスが進められ、かつてない深掘りの実態調査が行われた例もあったと聞く。「長年融資取引してきた地場の有力企業の中には、実態は債務超過や不適切会計の疑いがあるなど問題を抱える先もありましたが、歴代の担当者の間では暗黙の了解となっていた」(某地銀支店担当者)というケースもあったようで、長年のしがらみで切るに切れなかった関係を見直そうとする過程でそうした不正が次々と明るみに出たのかもしれない。そして、2020年も同じ状況が続くと予想していたのだが、コロナが発生して状況は一変。金融機関は資金繰りに困った中小企業への融資対応で多忙を極め、既存融資先の定点管理や実態調査を十分に実施できなくなってしまった影響が大きかったのだろうか。不適切会計を理由とした倒産を全く目にしなくなった。それどころか、コロナ関連融資によって倒産件数は激減した。しかし今では、コロナ関連融資は行き渡り、据え置き期間を経て返済が始まる企業が日に日に増えている。つまり、これからについて検討し、話し合っていくタイミングでついに不正が隠し切れなくなり、息絶える企業が増えているとも考えられる。コロナ禍での経験を踏まえると、コロナ禍を境に業績開示しなくなった企業や急に役員が交代した企業、主力取引先が変更した企業、異常な業績伸長を見せている企業などには特に動向を注視する必要があると考える。

●コロナ禍で倒産する会社に 金融機関の新規取引先が多い理由

2019年に年間8354件だった全国企業倒産は、2020年に7809件(前年比6.5%減)、2021年は6015件(同23.0%)にまで減少した。コロナ関連融資をはじめとする中小企業支援策の執行による効果が大きく、コロナがなければ2020年、2021年に淘汰されていたはずの企業までもが延命された結果ともいえよう。しかし、そうしたなかでも倒産は日々発生している。コロナ融資が効かないほど業績が悪化したのか、経営者の士気が下がってしまったのか、主力取引先が倒産したのか、取引を打ち切られてしまったのか…などなど考えても机上の空論だ。そうしたなか、都内の地域金融機関(信用金庫、信用組合)の本部を訪れ、融資の担当者からコロナ禍で倒産する事業者の共通点について尋ねると、これまで知らなかったコロナ融資現場の実態が見えてきた。実際に質問を投げかけると、複数の地域金融機関の担当者から出てきたのは「新規取引先」という言葉だった。「区からの紹介などでこれまで当金庫と取引のない小規模事業者からの申し込みが一定数ありましたが、その中に倒産する事業者が多く見られます」(都内某信金幹部)コロナ融資の執行は全国的に2020年の5月、6月、7月頃に集中。そして多くの事業者は据え置き期間を1年以内に設定した。「1年後にコロナは収束しているだろう」という当時の人々の何となくの心理が影響していたのだろう。しかし、1年たってもコロナは収束しなかった。当然、据え置き期間を終えて返済が始まる事業者の中には、予定通り返済できない先が出始める。そんなとき、日ごろの金融機関とのコミュニケーションがその後の社運を左右することもあるようだ。

「新規先の倒産が目立っています。コロナ前から融資取引をしている事業者の多くは、ゼロゼロ融資、既存融資を問わず返済が厳しくなったら相談に来ますので(リスケジュールなどの)対応が可能です。しかし、ゼロゼロ融資で取引が始まった事業者を見ると事前に何の相談もなくある日突然事業を停止し、弁護士から受任通知が送られてくるケースが多いです」(別の某都内信金担当者)さらに続けて本音を漏らす。「相談してくれれば何とかなった先は多かったと思います…。新規先の倒産が相次ぐ要因は、金融機関との取引経験や情報量に乏しく『困ったら相談する』という発想がないことと考えます。コロナ融資が予定通り返済できない状況になったことを金融機関に知られたら大変だと考えていたのでしょう」(同)それまで融資実績がないような小規模事業者だからこそ、倒産しやすい状況にあったとも解釈できるが、困ったときに相談する発想がないという共通点の指摘は実に的確で納得できる背景だ。平時からの金融機関とのコミュニケーションは、有事の際のスムーズな再建への近道になると中小企業活性化パッケージで強調されたことは記憶に新しく、今後、中小企業が生き残っていくための不可欠なファクターといえる。来年春以降、再びゼロゼロ融資の返済が始まる企業が増加する時期を迎え、同時期における倒産動向を注目する金融機関担当者は多い。実際、帝国データバンクの調査では2022年9月の全国企業倒産件数は583件でそのうち負債5000万円未満の小規模倒産が356件(構成比61.1%)を占めており、小規模事業者ほど倒産リスクは高いことがデータからもわかっている。コロナ融資を受け、相談もなく突然事業を停止する小規模事業者はこれからも増えていくのだろうか。


2022/11/10(木) 6:02配信 diamondonline



2020年9月1日火曜日

【衝撃事件の核心】取り込み詐欺の舞台再演、休眠会社の「前科」込み信用力

後払いの約束で大量の商品を仕入れ、代金を支払わずに商品を処分して逃げる-。古くからある「取り込み詐欺」と呼ばれる手口で3千万円以上の商品をだまし取ったとして、大阪府警が7月、詐欺容疑で男6人のグループを逮捕した。男らは20年以上前に設立され、現在は活動実態のない休眠会社を悪用。この休眠会社には、10年ほど前に別の取り込み詐欺にも使われたという“前科”があった。男らはどのようにして大量の商品をだまし取ったのか。

○初回は期日前の支払い

「民泊の設備管理をしている。災害が増えているので発電機を注文したい」 電化製品を取り扱う大阪市内の工具店に、男(48)が取引を持ちかけたのは平成30年秋のこと。男は「三建商事株式会社大阪営業所」所長と名乗った。営業所の所在地は大阪市港区。当時、大阪ではインバウンド(訪日外国人客)が急増しており、男は「民泊にも外国人客が増えている」と説明した。初めての取引相手ということで、店主の80代男性は社内の様子を見るために営業所を訪問。そこでは従業員が忙しそうに働き、家電製品が山積みになっていた。初回の注文は約30万円相当の発電機。納入すると、期日よりも早く代金が支払われた。続けて発電機や業務用掃除機計140台を受注。初回の取引で三建商事を信用した男性は、販売価格で約1千万円にもなる商品を全て営業所に納入した。

○2カ月でもぬけの殻に

ところが、今度は期日が過ぎても入金がない。所長とも連絡が取れなくなり、営業所を訪ねると、そこにいたはずの従業員や電化製品は跡形もなく消えていた。初めての訪問からわずか2カ月後のことだった。大阪府警によると、グループは同様の手口で、この商店を含めた4つの会社から発電機やエアコンなど計約500点(約3300万円相当)をだまし取った疑いがある。電化製品は家電量販店などに転売していたとみられ、一部は関係先に残っていた。ほかにもこのグループによるとみられる被害相談が寄せられているといい、被害額は合わせて1億円規模に上る可能性もある。これだけの犯行が可能だった背景には、先に正規の取引をしたり、活気のある社内の様子を演出したりという工作に加え、休眠会社の存在がある。グループが使った登記簿では、三建商事の設立は平成9年。21年には警視庁が、三建商事の名前を使って東京都内の会社からステンレス鋼板をだまし取ったとする詐欺容疑で、別のグループを逮捕している。この事件でも、詐欺グループは実際に代金の一部を支払うなど手口は共通している。ただ、資材を注文する際の文言は「道路公団の仕事を請け負った」。登記上も建築資材の販売などが目的とされていた。 ○実績のある事業者 三建商事が今回、大阪府警が逮捕した詐欺グループの手にどのように渡ったのか、詳しい経緯は不明だ。ただ、犯行の約1年前、三建商事は住宅宿泊事業などに目的を変更している。ちょうどインバウンドの増加とともに民泊が広がってきた頃で、上り調子の事業に使うためであれば、大量の電化製品の注文も不自然ではない。もし取引相手に登記簿をチェックされても、20年以上の実績のある事業者を装えるという狙いがあったとみられる。かつて取り込み詐欺に利用された休眠会社の登記が再び悪用された格好だが、受け付ける側の法務局も年間数万単位で設立される法人登記を一つ一つチェックするのは不可能なのが実態。見せかけの信用にとらわれないことが、悪質な詐欺被害に遭わないために重要だ。

2020.8.31 08:00|産経WEST

2019年12月13日金曜日

ゴルフ場「池田カンツリー倶楽部」経営の池田開発(大阪)が民事再生 負債約104億円

○昭和35年開場の老舗ゴルフ場、預託金償還問題を抱えていた
池田開発(株)(TDB企業コード:580688963、資本金1000万円、大阪府池田市畑3-11、代表荒木進氏、従業員41名)は、12月2日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日同地裁より弁済禁止の保全処分命令を受けた。申請代理人は浦田和栄弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-5-23、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06-6231-3210)ほか6名。監督委員には森恵一弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-6-18、色川法律事務所、電話06-6203-7112)が選任されている。当社は、1957年(昭和32年)2月に設立したゴルフ場経営業者。60年11月に開場した「池田カンツリー倶楽部」は、五月平コース(9ホール・3523ヤード)、綾羽コース(9ホール・3331ヤード)、衣懸コース(9ホール・3210ヤード)といった趣の異なる3コースを備え、大阪市街地からのアクセスも良い利便性の高さを特徴として、2000名を超える正会員を確保。90年9月期には年収入高約27億円を計上し、アマチュア向けの大会のほか、2000年には日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認の男子プロゴルフトーナメント「関西オープンゴルフ選手権競技」会場としても利用されていた。しかし、景気悪化の影響に加え、ゴルフ人口の減少から2008年9月期の年収入高は10億円を割り込み、収益も低調に推移。その間、2004年より始まった預託金返還をめぐっては15年間の償還期限延長を要請する一方、希望する会員に対しては一部を減額したうえで分割償還を進め、金融機関からも返済猶予を受けて立て直しを図っていた。さらに、2013年6月には関係会社でゴルフ場「ウエストワンズカンツリー倶楽部」を経営する(株)ウエストワンズ(兵庫県加東市)が200億円超の負債を抱えて民事再生法の適用を申請。同社に対する保証金や貸付金など約32億円の不良債権化に伴う損失を計上したことで大幅な債務超過に転落していた。近年はビジターの集客強化による収益改善、不動産売却による債務圧縮などにも取り組んでいたが、2018年9月期の年収入高は約5億9600万円にとどまるなど減収に歯止めが掛からないなか、期限を延長していた預託金償還の目途が立たなくなり、自主再建を断念し今回の措置となった。負債は債権者約3045名に対し約104億9600万円。なお、現在スポンサーへの売却を進めている。債権者説明会は12月11日午後3時よりエル・おおさか(大阪市中央区)で開催される予定。また、近畿地区における倒産では、負債額はマザウェイズ・ジャパン(株)(大阪府大阪市中央区、2019年6月破産、負債約59億6000万円)を上回って2019年度で最大。負債100億円を上回る倒産はMT映像ディスプレイ(株)(大阪府門真市、2019年2月特別清算、負債約1050億円)以来となった。

帝国データバンク 2019/12/3(火) 10:06配信

2019年10月22日火曜日

人材派遣会社が“人材不足”でバタバタ倒産している…企業のAI活用→人員削減も追い打ち

人手不足倒産の増加や高水準が続く有効求人倍率などを背景に、労働者派遣業に対する需要が高まっている。景気動向指数を見ても、近年は労働者派遣業が全体を上回っている状況だ。一方で、中小・零細企業を中心に派遣業者の倒産が増加している。帝国データバンクは、2008年以降の労働者派遣事業者の倒産動向について集計・分析した。それによると、18年の「労働者派遣業」の倒産件数は前年比2.7%増の76件で、3年ぶりに増加に転じた17年を上回った。負債規模別に見ると、18年は「5000万円未満」の倒産が68.4%(52件)を占めており、過去最多タイ。小規模倒産は15年以降に増加傾向で、17年に初めて構成比が70%を超えており、高止まりしている状態だ。帝国データバンク情報部の箕輪陽介氏は、「人手不足により売り手市場が加速するなかで、派遣スタッフの確保などで大手と中小・零細との格差拡大が進行していると見られる」と語る。空前の売り手市場といわれる今、派遣業界に何が起きているのか。箕輪氏に話を聞いた。
●大手への人材流出に苦しむ中小の派遣会社
――大手と中小で明暗が分かれている理由はなんでしょうか。
箕輪陽介氏(以下、箕輪)小規模事業者には2つの問題点があります。ひとつ目は、派遣スタッフが足りないこと。いい人材は大手が獲得してしまうため、スタッフ不足でビジネスが成立しなくなっています。2つ目は社員自体が不足していること。企業への営業活動や派遣スタッフの管理を行うためには一定の人材が必要ですが、その人材を確保できていないことが小規模事業者の大きな課題となっています。
――近年の派遣会社の倒産にはどのような特徴がありますか。
箕輪 石川県のプレミア・ジャパンは地元を中心に中堅規模に成長しましたが、リーマン・ショック後に経営が悪化し、中核社員の転職などもあって営業力が低下、17年いっぱいで事業停止となりました。静岡県の齊藤商事は主に工事現場への人材派遣を行っていましたが、同様に業績悪化で18年5月31日までに事業停止しています。大分県の日本ソフト工業はピーク時に約1000名の派遣社員を抱え、売上高は35億円を計上していました。しかし、東日本大震災で東北地方の工場が打撃を受けたことで受注が激減。13年には得意先が事業を縮小したため資金繰りが悪化し、17年3月に大分地裁に破産申請を行いました。派遣会社は人材がすべてなので、派遣スタッフや社員などの人材が流出してしまうと事業継続は難しくなります。この構図は物流業界も同じです。トラックなどのドライバーは条件のいいところに移っていき、人手不足に苦しむ運送会社が増えています。大手の派遣会社は福利厚生が手厚く、スキル向上などのサポート体制もしっかりしています。一方で、小規模事業者は派遣スタッフの囲い込みにコストをかけられません。人材の流動性が高まっていることで、必然的に小規模事業者には苦しい状況となっています。派遣業界に限らず、「攻勢に出る大手、消耗戦を強いられる中小」という構図は共通しています。
――人手不足の一方で、メガバンクなどの金融機関はリストラを続けていますね。
箕輪メガバンクではAI(人工知能)などを利用して人材の3割程度をカットし、省力化していくのがトレンドになっています。その3割の人材がどこに流れていくのかが問題ですね。今は、AIなどの技術革新によって少ない人材でビジネスを回す時代への過渡期といえます。
●改正派遣法で「派遣切り」「雇い止め」の危惧も
――特に地方の人手不足が深刻化していますが、地方の派遣会社の動向はどうですか。
箕輪 地方の場合、派遣先がほぼ固定されているケースが多いのですが、その派遣先が業績悪化したり事業所を閉鎖したりすると、派遣会社のほうも行き詰まってしまいます。そのため、地方の派遣会社の倒産も多いです。たとえば、前述した日本ソフト工業は精密機械メーカーのカメラファインダーの組立・加工などの業務に人材を派遣していましたが、派遣先業種の不況の影響を受けてしまいました。生産ラインを機械化するメーカーも多いため、今後も同様のケースは起きるかもしれません。
――15年9月に施行された改正労働者派遣法では、派遣社員の無期雇用への転換などの措置が設けられていますが、影響は出ていますか。
箕輪効果や弊害が顕在化するのは、これからでしょう。派遣社員が正規雇用になりやすくなることで、派遣会社とすれば新たな派遣スタッフを確保しなければならないため、困惑していることは確かです。また、本来は改正派遣法は派遣社員の処遇向上を推進するためのものですが、派遣先の「派遣切り」や「雇い止め」なども危惧されています。これらについても、引き続き注視していく必要があるでしょう。
(構成=長井雄一朗/ライター)
2019年4月9日 07:00 0

2018年10月10日水曜日

「医療・福祉」の倒産最多 経営難、暴力団つけ込む年間見込み

医療行為などの診療報酬を主要な収入源とする「医療・福祉事業」の1~8月の倒産件数が前年同期比40件増の196件に上り、年間件数が過去最多を更新する見込みであることが9日、民間信用調査会社「東京商工リサーチ」(東京)の調査で分かった。病院・医院の倒産に加え、身売りも続発。経営難につけ込んだ暴力団やブローカーらが、医療機関の診療報酬請求権を売買するなど暗躍している。東京商工リサーチによると、病院・医院や整体院、有料老人ホームなど医療・福祉分野での1~8月の倒産件数は196件。年間でも、介護保険法の施行に伴って統計を取り始めた平成12年以降で最多だった昨年(250件)を上回る見通しだ。このうち病院・医院の倒産は32件で急増。前年(27件)をすでに超えており、リーマン・ショック(20年)の影響を受けた21年(59件)に次ぐ多さになる可能性があるという。全国約2500の病院が加盟する公益社団法人「全日本病院協会」によると、昨年は全国で3割超の病院が赤字経営に陥ったとされ、経営上のリスクを抱える病院は少なくない。背景には、国の財政状況の悪化があるとされる。「医療・福祉事業」の事業者の主な収入源となる診療報酬の水準は抑制傾向が続き、経営環境の悪化を招く一因になっている。関係者によると、経営難に陥った病院・医院が資金不足を補うため、診療報酬請求権を担保に金策に走ったり、医療法人の経営権自体を譲渡したりしている。診療報酬は健康保険組合などに請求できるが、請求から支払いまで2カ月ほどかかることから、すぐに現金が必要な医療機関が権利の売却を余儀なくされるケースもあるという。警察当局は、国の医療制度が後ろ盾となり、確実に回収できるという診療報酬の利点に目を付けた暴力団やブローカーらが、活発に参入していることを確認。7月には警視庁が千葉県内の医療法人乗っ取りをめぐる詐欺事件で、元税理士の男らブローカー5人を逮捕している。
■診療報酬、食い物 暴力団、ブローカー暗躍
「医療・福祉事業」の倒産件数が今年、最多を突破する見込みとなる中、暴力団やブローカーらが医療機関を食い物にしている実態が明らかになった。医療機関の診療報酬請求権の売買を繰り返して利益を上げているという暴力団幹部は、産経新聞の取材に「病院ビジネスは金になる。まさにぬれ手であわだ」と証言。国の医療制度を後ろ盾にした効率的な資金源として位置付ける構図が浮かび上がった。
「狙いやすいのは、理事長の権限が強いワンマン経営の病院。トップの信頼を得さえすれば、経営中枢に入り込み、自由に操れる」
関東地方のある指定暴力団幹部はこう語る。幹部は東海地方の総合病院など複数の医療法人に暴力団幹部であることを明かさず、医療関係者として接近。いずれの医療法人も患者数の減少などで経営難に陥っていたという。幹部は、経営陣に診療報酬を健康保険組合に請求できる「診療報酬請求権」を売却して運転資金を工面するという提案を承諾させた。さらに関係する金融会社に請求権を売却させ、それを入手。最終的にブローカーに請求権を高値で転売し、利益を得たという。幹部は「診療報酬は国の医療制度が元になっており、回収の安全性が高い。通常の債権と比べて売却しやすく、とりっぱぐれがない。うまみが大きいので、診療報酬を扱う暴力団は増えている」と明かした。病院経営を食い物にしているのは暴力団だけではない。「乗っ取り屋」と呼ばれるブローカーの存在がある。この幹部と同様、ブローカーが「債務整理の請負人」などと称して、苦境に陥った医療法人の経営側に入り込んでいるという。ブローカーが医療法人を私物化し、資産を吸い取ったとみられるケースがある。警視庁は7月、千葉県内の医療法人をめぐって、大手リース会社から約8億8千万円をだまし取ったとされる事件を摘発した。関係者によると、詐欺容疑で逮捕された5人のうち、元税理士の男はここ数年、「乗っ取り屋」の代表格として知られている人物だった。男は経営不振の病院に近づき、配下の医師や事務長を送り込んで実質的に経営権を掌握、診療報酬請求権の現金化を繰り返していたとされる。千葉の事件で、男は10億円の買収資金を用立てる際、医療法人内部の協力者に診療報酬請求権2億円分を売却させて資金を確保した形跡があるという。経営権を買い取った後、逮捕容疑となる詐欺事件を起こしていた。医療機関が経営難に陥る要因について、全国で複数の病院売買にかかわった医療コンサルタントは「患者獲得のための設備投資が過大になると、経営が圧迫される。法人運営のノウハウが乏しい医師が経営トップになる傾向も強く、放漫経営に陥りやすい」と話す。その上で、「診療報酬の低下で経営環境のさらなる悪化が予想される。病院が暴力団やブローカーに狙われないよう生き残るには、規模に見合わない過剰な設備投資を控え、不採算の診療科を閉鎖するなど経営資源の選択と集中を進める必要がある」と指摘した。
産経新聞 2018/10/9(火) 22:50配信



2018年3月30日金曜日

飲食店の倒産激増の裏に消費行動の「根本的変化」…人手不足で24時間営業&大量出店が限界に

2017年の「飲食業」の倒産は766件――東京商工リサーチの調査によると、17年の飲食業の倒産は16年(639件)より約2割増加して、3年ぶりに750件を上回ったという。業種別では、「食堂、レストラン」の203件(前年比36.2%増、前年149件)と日本料理・中華料理・フランス料理店などを含む「専門料理店」の203件(同13.4%増、同179件)が最多だった。次いで、居酒屋などを含む「酒場、ビヤホール」が116件(同36.4%増、同85件)、「喫茶店」が59件(同34.0%増、同44件)。宅配ピザ店などを含む「宅配飲食サービス業」は42件(同7.6%増、同39件)、持ち帰り弁当店などの「持ち帰り飲食サービス業」は23件(同27.7%増、同18件)となっている。東京商工リサーチ情報本部経済研究室の関雅史課長は、「アベノミクスの恩恵が個人レベルまで行き渡っていないことに加え、個人消費の動向も変化しています。今は飲食を家で済まそうとする傾向が強く、たまにプチ贅沢をするという人が多い。支出も、賢く有効な使い方が強まりつつあります」と分析する。飲食業は、参入は容易だが継続するのが困難とされる業態だ。飲食業の不振の現状や今後の方向性はどのようなものか。
●ステーキ店「ケネディ」を襲った来客不足
現在、全業種を含めた倒産は減少傾向にある。しかし、なぜ飲食業では増えているのか。関氏は、その理由に3つの点を挙げた。
(1)鈍い賃金上昇に伴う個人消費の低迷
(2)ゲリラ豪雨など天候不順の影響
(3)人手不足や原材料高騰に伴うコストアップ
そして、具体的な事例として、ステーキ店「KENNEDY(ケネディ)」を展開していたステークスを挙げた。同社は17年10月2日に東京地方裁判所に破産を申請し破産開始決定を受けた。負債総額は13億8000万円だ。「カフェ感覚で気軽にステーキ」をモットーにカジュアルなステーキ店として人気を博し、一時は約40店舗を展開していたステークス。「100店舗を目指す」と意欲を見せていたが、新興勢力に顧客を奪われ深刻な来客不足に見舞われる。「このとき、顧客の呼び戻し策として値引きキャンペーンを行いました。しかし、これは一種の“麻薬”。値引きしたときは賑わいますが、キャンペーンが終われば客足は元に戻る。その繰り返しで、結果的に利益率が落ちてしまったのです」(関氏)
次に挙げたのは、ピザ専門店「NAPOLI」などを展開していた飲食ベンチャーの遠藤商事・Holdings.だ。同社は17年4月28日に東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は12億7800万円。500円前後の低価格帯のピザで人気を博し、最盛期には直営25店舗のほかフランチャイズ店を含めて約80店舗を展開していた。しかし、過大な設備投資がたたって破産に至った。
「『景気が良くなった』と言われてはいますが、個人の懐具合はそんなに暖かくなっていません。また、消費者は必ずしも『安ければ行く』というわけではなく、何かしらの目新しさを求めています。そのため、薄利多売で多数の同様店舗を展開するようなビジネスモデルは難しくなってきているのではないでしょうか。また、そうしたビジネスモデルは計画が甘くなり、売り上げ以上に店舗を増やす放漫経営になりがちです。もうひとつの要因は、ジリ貧です。つまり、旧態依然としたサービスを続けていて消費者に飽きられてしまうというパターンです」(同)
●期待外れのプレミアムフライデー
政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーン「プレミアムフライデー」も、結局は笛吹けども踊らずであった。そもそも上場企業をはじめ中小・零細企業も月末の金曜日は多忙であり、計画に無理があったといわざるを得ない。「デフレマインドからの脱却を目指そう」という政府の意図は空振りに終わるかたちで、目立った成果は出ていない。当然、飲食業としては期待外れだ。当初こそ、プレミアムフライデーに合わせてキャンペーンを実施する飲食業や小売業があったが、今はあまり見受けられない。では、これも政府が進める働き方改革などで仮に労働時間が短縮されたとして、飲食業への支出が増すのだろうか。
「今は、外で飲食するよりも、好きなものを買って家で飲み食いする“宅飲み”がはやっており、全般的に節約志向になっています。そして、『ここぞ』というときにプチ贅沢をする。『お金を賢く有効に使おう』という方が多くなっているわけで、それが飲食業の倒産が増えた理由のひとつでもあります。そのため、今は飲食業の経営は大変難しい。何か目新しいサービスを打ち出したり特徴をアピールしたりしないといけないですから」(同)
また、天候不順も要因のひとつだ。17年はゲリラ豪雨や台風などが頻発し、全般的に天候が良い年ではなかった。天候に左右されるのが、飲食業の悩ましいところだ。
関氏は「当然、天候不順になると外出を控えます。飲食業は人が外に繰り出さないと商売にならないので、影響が大きいです」と指摘する。
●岐路に立つ「24時間営業」
さらに、「人材を確保するためのコストが高くなっています」(同)というように、人手不足と原材料高騰も飲食業の経営環境を悪化させる要因になっている。対応を進める企業も出始めている。ロイヤルホールディングスは17年にファミリーレストランの「ロイヤルホスト」の24時間営業を完全に廃止した。すかいらーくも、18年中に同じくファミレスの「ガスト」など約3000店のうち約400店で営業時間を短縮する。ほかにも、元日休業を実施したり24時間営業を一部廃止したりする飲食店も見られる。
「店舗運営を賢く回すのが大切。シフト人員も、顧客がいないときは最小限にし、売り上げを見込めない店舗では営業時間を短縮して全体の利益を確保する。そして、接客などのサービス面を手厚くし、ホスピタリティを強化していけば顧客満足度が向上する。弊社では、こうした戦略がトレンドになっている」(飲食業界関係者)
これまで、飲食業は営業時間を延長する動きが主流だった。そして、1980年代後半からは24時間営業が当たり前のようになった。しかし、昨今の人手不足により、「24時間営業ありきの大量出店で売り上げを伸ばす戦略は、岐路に立っている。今後は、1店1店で丁寧に接客する飲食業が生き残るのではないか。実際、弊社ではその戦略が成功している」(外食チェーン店関係者)
飲食業界は人の流動性が高く、正社員だけでなくパート・アルバイトにも頼っている。九州を中心に展開するファミレスの「ジョイフル」は、18年4月から約1万7000人のパート・アルバイトを無期雇用するほか、パート・アルバイトの正社員登用も積極的に進めている。また、ファミレスなどを展開する飲食業の関係者は、「『飲食はブラック』とのイメージを払拭することが大事。弊社では短時間正社員制度を検討中だが、働き方改革により『飲食業も働きやすい』と思ってもらえるように努めたい」と語る。
「人手不足により、飲食業はパート・アルバイトの待遇を競うことになるので大変でしょう。当然ですが、人材は待遇が良いほうに流れてしまうので、その確保は大きな課題です。そのため、大手など体力のある企業でないと経営が厳しくなっているわけです」(関氏)
●生き残る飲食店の条件とは
東京商工リサーチの調査によると、17年の飲食業の休廃業・解散は685件で16年(724件)からは減っている。
「飲食業は個人事業で展開しているところも多く、すべてを把握するのは難しい。そのため、実態はもっと多いと思います」(同)
その理由について、関氏はこう分析する。
「まず後継者不足。また、業績が下がっていると借金してまで事業を継続しようとは思わない。『誰にも迷惑をかけないうちに店を閉めてしまおう』というわけです。飲食業は競争相手も多く、生き残っていくのは大変です。やはり、参入は容易ですが続けるのが難しいということでしょう」(同)
これまで、飲食業はさまざまなブームを巻き起こしてきた。ワッフル、ステーキ、パンケーキなどが流行する一方で、そのサイクルはめまぐるしく変化する。一時期は行列ができていた店も、いつの間にか閑古鳥が鳴いているといった事例は多い。2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」を受賞した「インスタ映え」に代表されるように、「食べ物の写真をアップするために1回行けばいい」と思う若者も少なくない。一方で、好調を維持して何十年も続く街の飲食店や外食チェーン店も少なくない。その差は、どこにあるのか。
「飲食業で生き残るためには、リピーターの確保が欠かせません。消費者は移ろいやすく飽きやすい。今は、そのサイクルがさらに早くなっています。そのため、『より良いサービスや料理を提供する』という原点回帰が必要でしょう。常連客に対するサービスにしても、単純に同じ料理を出していれば、飽きて別の店に行くか宅飲みをしてしまう。安易な値引きや安さに頼るのではなく、『魅力』『満足感』『付加価値』を追求した戦略が求められます」(同)
消費者が好景気の実感を得られないなか、飲食業の今後はどうなるのだろうか。
(文=長井雄一朗/ライター)
Business Journal / 2018年3月29日 19時0分


2018年3月28日水曜日

人気ゲームアプリ「つみネコ」開発会社が破産

(株)ビースリー・ユナイテッド(TDB企業コード:987276829、資本金500万円、東京都渋谷区渋谷1-17-1、代表鈴木宏幸氏)は、3月22日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。破産管財人は江森史麻子弁護士(東京都千代田区有楽町2-2-1、大洋綜合法律事務所、電話03-5537-8012)。債権届け出期間は4月19日まで。当社は、2006年(平成18年)2月に設立され、スマートフォンアプリ向けカジュアルゲーム開発およびキャラクターライセンス事業を手がけていた。人気ゲームアプリ「つみネコ」をはじめ、かわいいキャラクターとシンプルなゲーム性が特徴の得意なゲームレーベルとして知られた。「つみネコ」シリーズは合計販売150万本を超え、スマホの定番ゲームとなっていた。キャラクターライセンス事業では、「つみネコ」などで多数のライセンス商品を大手出版社や玩具メーカーに展開、2012年12月期の年収入高は約1億500万円を計上していた。しかし、2014年12月には新たな事業展開として音楽関連事業も開始。カラオケで歌いやすい楽曲を探せるスマートフォンアプリ「ウタエル」を始めたものの、同事業に伴う投資負担が重荷となるなか、2016年12月期の年収入高は約3500万円にまで落ち込んでいた。負債は債権者約11名に対し約4688万円。なお、ゲームアプリ「つみネコ」は2016年4月に別会社に譲渡されており、現在も運営が続けられている。
2018/3/28(水) 10:10配信

2018年2月7日水曜日

2017年の「休廃業・解散」、8年連続で倒産件数の2倍超え

2017 年の「休廃業・解散」は、2 万4400 件だったことが、帝国データバンクの調査でわかった。2018年1月31日の発表。前年(2万4957件)より557件(2.2%)減り、2年ぶりに前年を下回った。一方、17年の企業倒産件数(法的整理による倒産、負債1000万円以上)は、09年以来8年ぶりに前年を上回る8376件。休廃業・解散の件数が、企業倒産件数の2倍を超えるのは8年連続。
○後継者不足に歯止めかからず
「休廃業」は前年比2.7%減の1万3946件、「解散」は1.5%減の1万454件で、「解散」は2 年連続で1 万件を超えた。2017 年の「休廃業・解散」は2年ぶりに減少したが、起業倒産件数(8376 件)の約2.9 倍にのぼっている。国内景気は緩やかな回復基調にあるものの、個人消費の伸び悩みや人手不足などを背景にした、景気回復期に特徴的に表れる「好況型」倒産など影響で、飲食店などの「小売業」や人材派遣などを含む「サービス業」の倒産増加が顕著となった。その一方で、中小・零細企業を中心に後継者難や代表者の高齢化が深刻化。倒産に至らないまでも事業継続を断念して「休廃業・解散」を選択する企業は倒産の約3倍で推移している。代表者の年齢別では、「70代」が最多の44.8%。前年まで最多だった「60代」と入れ替わった。都道府県別では、東京都が2815件で最多。次いで北海道の1408件、大阪府が1295件、愛知県は1238件、神奈川県の1163件と続いた。32道府県で前年を下回った。帝国データバンクによると、多くの企業で「事業承継」を課題に感じている一方で、企業の3 社に2 社が後継者不在の状況が続いており、否応なく休廃業・解散を選択する企業の増加が懸念される。

J-CASTニュース / 2018年2月4日 17時10分

近年は景気回復に伴い倒産件数は減っているが廃業は増えています。

2017年3月19日日曜日

全ての企業を調査するわけではない

信用調査のことでよく聞かれることなのですが、「日本中の全ての企業を調査しているのですか(又は調査する予定なのですか)」ということを聞かれます。はっきり言って僕は全ての企業の情報を完璧に調査をすることは不可能です(経済的にも労力的にも時間的にも余裕がありません)。不動産登記簿や商業登記簿を入手して調査する企業もあれば、しない会社もあります。上場企業(又は上場企業のグループ会社)であればIR情報をホームページ上から入手してデータを入力したりその情報を分析したりする程度で不動産登記簿や商業登記簿を入手はしません(場合によっては入手する場合もあります)。上場企業(グループ会社含む)であればEDINETや会社四季報等を利用して情報を入手したりします(当然それ以外の情報も入手しますが)。非上場企業(上場企業のグループ企業を除く)であれば現地調査(実際にその場所を見に行くこと)は可能な限りします。僕自身の活動拠点の近所にある法人であれば必ず現地調査します。それをやると意外と休眠法人なのか活動している法人なのかがわかることがよくあるのです。それに社長の自宅兼事務所であることがあるため大体のことが推測されることがあるのです。少し遠方であれば図書館等で住宅地図を閲覧して調査する場合もあります。
では「どういう場合に不動産登記簿や商業登記簿を入手して調査するのか」ということになりますよね(一番知りたいのはここだ)。「商業登記簿上の住所は○○県××市△△町○丁目□番地△号となっているのにそこにビル(又はマンション)になっている(部屋番号やフロアが書かれていない)」「商業登記簿上の住所が暴力団事務所の所在地(又はかつて暴力団事務所が所在していた)住所と同じある(国税庁法人番号検索のサイトで調べるとこういうケースが多い)」「地域的に訳ありな地域やビル等(例えば風俗店の多い地域や風俗店が大量に入居しているビルや不動産競売で中々落札されないビル等)に商業登記簿上の本社がある」ケースを優先的に商業登記簿を入手して調査します(場合によっては不動産登記簿も入手します)。理由は以下の理由なんですよ。
○「商業登記簿上の住所は○○県××市△△町○丁目□番地△号となっているのにそこにビル(又はマンション)になっている(部屋番号やフロアが書かれていない)」
こういう場合よくあるのですよ。別にこういう登記の仕方をしたからといって違法ではないらしいのですよ。けどある意味不親切ですよね。こういう不親切な登記の仕方をしている場合でも「そのビルやマンション等のオーナー(持ち主)が部屋番号やフロアを記載しないで商業登記簿において登記した」というのであれば調査はしません(厳密に言えばよくないのかもしれませんが調査する必要は余りありません)。なぜならその建物が法人の所有物であり、その建物の1部に事務所があってそこで営業や事務的な活動を行っていることがわかりきっているからです(営業活動、法律上、税制上問題がないのであればこれ以上に詮索する必要は無いと思います)。ただ、意図的にやっている場合、「何かあるのかな」と疑問を持ちたくなる場合があります。
○「商業登記簿上の住所が暴力団事務所の所在地(又はかつて暴力団事務所が所在していた)住所と同じある(国税庁法人番号検索のサイトで調べるとこういうケースが多い)」
住宅地図を見ていると暴力団事務所の所在地と同じ住所に会社名が書いてある場合があります。ネット上のサイトで見ていると暴力団事務所の所在地と商業登記簿上の本社の住所が同じである場合があります。会社の看板は株式会社○○となっているのに怪しい監視カメラが付いている場合もあります。こういう場合はある意味調査対象です。
○「地域的に訳ありな地域やビル等(例えば風俗店の多い地域や風俗店が大量に入居しているビルや不動産競売で中々落札されないビル等)に商業登記簿上の本社がある」
こういう地域にある会社が全ての意味で怪しいわけではありません。当然健全な会社もあるかもしれません。ただ単に場所的に近いというだけなのかもしれません(表通りなのか1本裏の道にあるのかによっても意味が変わってきます)。又商業登記簿上の本社は怪しくない地域に本社があって怪しい地域に店や支店や営業所がある場合もあります。ですのでこれだけで全てを怪しいかどうか判断することは出来ません。けどもだからといってわざわざ「訳あり名地域に商業登記簿をおく必要性があるのか」ということも疑問に思う必要もあります。ネット上の風俗情報サイトや住宅地図を見て同じビルに入居している会社は一応調査対象にしています。
ここにあげた項目の会社以外にも調査する会社はありますよ。ただし書き始めたらきりが無いのでこの程度の基準を書いておきます。まあ日本全国にある全国の会社を全部調べているわけではない(調査対象の会社をピックアップして調査している)わけです。現実に僕自身本業をもっていますからね。

2017年3月8日水曜日

国税庁法人番号公表サイトって知っていますか。

国税庁法人番号公表サイトって知っていますか。結構企業の情報(信用調査含む)をするのに便利ですよ。
法人番号とは、日本において法人・団体の識別番号として国税庁から指定・通知される番号である。数字13桁からなる(会社の法人番号は、商業登記簿の会社法人等番号12桁の左側に1桁のチェックディジットを付加したもの)。国税、地方税、社会保険などの手続に使われる。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法、マイナンバー法)の規定に基づく。「マイナンバー」は個人番号の通称であり、法人番号は「マイナンバー」とは言わないが、報道では法人番号が「法人版マイナンバー」あるいは「企業版マイナンバー」と表現されることがある。
○指定対象
法人番号は、日本国の機関、法人(日本法に準拠して設立された法人の大部分、外国法人の一部)、その他の団体(一部)に対して指定される。
○必ず指定
以下の機関、法人、その他の団体に対しては、指定を受ける側からの申請によることなく、法人番号が必ず指定される。
・国の機関 衆議院、参議院、裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会、国立国会図書館
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第1項に規定する行政機関
最高裁判所、高等裁判所(知的財産高等裁判所)、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所
・地方公共団体
法令の規定により設立の登記をした法人(株式会社、合同会社、一般社団法人、一般財団法人など)
地方公共団体でも上記の法人でもない法人(健康保険組合、土地改良区、外国の法人など)であって、下記届出書のいずれかの提出義務があるもの 「給与支払事務所等の開設届出書」(所得税法)
「法人設立届出書」(法人税法)
「外国普通法人となった旨の届出書」(法人税法)
「収益事業開始届出書」(法人税法)
「消費税課税事業者届出書」(消費税法)
法人でない社団で代表者または管理人の定めがあるもの(権利能力なき社団)・法人でない財団で代表者または管理人の定めがあるもの(権利能力なき財団)であって、上記届出書のいずれかの提出義務があるもの
○申請により指定
以下の法人・権利能力なき社団・権利能力なき財団は、「法人番号の指定を受けるための届出書」を国税庁に提出すれば、法人番号の指定を受けることができる。
国税に関する法律の規定に基づき申告書、申請書、届出書、調書その他の書類を提出する法人・社団・財団
国税に関する法律の規定に基づき申告書、申請書、届出書、調書その他の書類を提出する者から書類に記載するため必要があるとして法人番号の提供を求められる法人・社団・財団
日本国内に本店または主たる事務所を有する法人
○指定対象外
次のようなものは法人番号の指定を受けることができない。
民法上の組合
匿名組合
有限責任事業組合
投資事業有限責任組合
○番号の指定と公表
法人番号を指定する権限は国税庁長官にある。実際の業務は国税庁本庁の「法人番号管理室」が担当している(全国各地の国税局・税務署には委任されていない)。登記所に法人の設立の登記を申請した場合、法人側で国税庁・税務署に対して何の手続をしなくても、国税庁は登記の完了から1週間程度で法人番号の通知書を発送する。これは法律に基づいて国税庁が登記所(法務省)から情報提供を受けているからである。登記所の登記に基づく指定でない場合、国税庁は「法人番号の指定に関するお尋ね」に対する回答または「法人番号の指定を受けるための届出書」の内容に基づいて審査し、通常1か月程度で法人番号の通知書を発送する。指定した法人番号を変更する手続は法令に規定されていない。ひとたび指定された法人番号は、法人の名称(会社の商号)の変更、法人の主たる事務所(会社の本店)の移転、法人の組織変更(合同会社から株式会社への変更など)などを経ても変わらない(法人格が同一である限り同じ法人番号を使用し続ける)のが原則である(ただし、町村を市とする処分(単独市制)の際は法人番号が変更になる。また、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第63号)附則の規定により、2016年4月1日に都道府県農業会議と全国農業会議所が一般社団法人に組織変更した際には、組織変更後の法人に対して別の法人番号が指定された)。法人・団体の解散後に同じ数字が別の法人・団体の法人番号に使い回されることはない。国税庁長官は、法人番号を指定したときは、指定を受けた法人、団体などに番号を通知するとともに、「法人番号公表サイト」で法人番号、名称(商号)、住所を公表する。法人はこの公表を拒否することはできないが、権利能力なき社団・権利能力なき財団は「法人番号等の公表同意書」を提出しないことにより公表を拒否することができる。
○数字の意味
法人番号は13桁の数字からなる。左端の数字が「0」になることはなく、必ず13桁である。13桁の間にハイフンのような桁区切りを置く決まりはない。国税庁・税務署が用意する用紙では法人番号の記入枠が1桁、4桁、4桁、4桁の区切りで設けられている。左側の1桁は「検査用数字」(チェックディジット)であり、それ以外の12桁から計算される1?9のいずれかの数字である。計算方法は公開されている。「検査用数字」が合っているかどうかの検証により1桁の入力誤りは検出可能である。ただし、1桁の入力誤りでも0と9の取り違えは検出できない問題が指摘されている。左側の1桁を除いた12桁は、日本で設立の登記をした法人の場合、登記簿の会社法人等番号12桁に一致する。それ以外の法人・団体に対しては、会社法人等番号と区別できるように12桁の数字が決められる。

法人番号の指定対象と法人番号のn桁目(左端が13桁目)
国会の機関:検査用数字+000011+6桁
国の行政機関・検察審査会:検査用数字+000012+6桁
裁判所:検査用数字+000013+6桁
地方公共団体(団体コードあり):検査用数字+000020+団体コード6桁
地方公共団体(団体コードなし):検査用数字+000030+6桁
設立登記のある法人:検査用数字+会社法人等番号12桁
予備:検査用数字+6+11桁
設立登記のない法人・人格のない社団・人格のない財団:検査用数字+7001+8桁
予備:検査用数字+7+11桁又は検査用数字+8+11桁
会社法人等番号12桁とは日本において、登記所が商業登記、法人登記の登記記録1件ごとに記録している会社、法人などの識別番号である。数字12桁からなる。登記所での手続に使われる。
○利用
法人番号の指定・通知は2015年10月22日から始まった。2016年1月以降、国税・地方税関係の申告書、源泉徴収票、調書などで法人番号の使用が始まった。法人番号は、個人番号とは異なり、利用目的の制限はない(民間企業が自社の情報システムで取引先コードなどとして利用しても構わない)。国税庁の「法人番号公表サイト」では、法人番号、名称(商号)、住所から法人番号が検索でき、公表されているデータの一括ダウンロードもできる。ただ、あくまでも法人登記されている会社の情報であり、活動状態(休眠状態かどうか)を確認することは出来ない。また、2015年10月22日以前に閉鎖された企業情報は法務局の閉鎖登記簿で確認しなければならない。


http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

2016年12月15日木曜日

2016年倒産企業ランキングワースト10件数少なめ、1位はあの大企業の子会社

負債総額1000万円以上の全国企業倒産は7736件発生した――。東京商工リサーチが調べたもので、2016年1月から11月末までが対象だ。例年よりもかなり少ないペースのようだ。たとえば前年2015年は11月末時点での倒産件数が8113件だった。同年は12月末まであわせても8812件で、90年以来25年ぶりに年間倒産件数が9000件を下回っている。同じ期間(1-11月)の比較でも、その2015年より377件少ない。このところ月次の倒産件数が700件を下回っていることから見ても、通年でも2015年より件数が減少することはほぼ間違いないものと思われる。ここでは2016年に入ってから12月上旬にかけてのワースト10の事例を顧みることにしたい。
■9位シンワゴルフリゾート実質的に休眠だった/伊豆ゴルフ開発 米ゴルフ誌に掲載 約100億円
1980年に信和ゴルフのグループ会社として設立されたシンワゴルフリゾートは、10月5日に大阪地裁から特別清算の開始決定を受けた。2004年にグループ中核の信和ゴルフほか関連会社が民事再生法を申請するなか、実質的に休眠状態となっていたもの。特別清算申請時の負債総額は約100億円。
またアメリカのゴルフ誌『世界のゴルフコースベスト100』に選ばれたこともある「伊豆ゴルフ倶楽部」を運営していた伊豆ゴルフ開発も、9月1日に東京地裁から特別清算開始決定を受けている。こちらも負債総額は約100億円で、これには会員約550人からの預託金が約30億円含まれている。
■8位リペアハウス無登録で金商取引と警告受けた 114億円
香港法人に口座を開設させ、外国為替証拠金取引や株式などでの運用を勧誘していたリペアハウスは、10月21日東京地裁から破産の開始決定を受けた。1月に福岡財務支局から「無登録で金融商品取引業を行う者」として警告を受け、さらに7月には裁判所から業務の禁止および停止を命じられるなどして、事業継続が困難となっていた。負債総額は一般投資家約1万700人に対して約114億4600万円。
■7位芝管財イトマンの関連会社として設立された食肉専門商社 140億円
かつての総合商社イトマンの関連会社として設立された、ブロイラーを主体とする食肉の専門商社の芝管財、旧サミオ食品は4月27日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。ブラジル、タイ、中国などからブロイラーや食肉加工品の輸入を手掛け、食肉専門商社としては国内でも有数の取扱高で知名度を有していたが、低い採算性や借入金の増加傾向に急速な円安による仕入れコストの上昇が追い打ちをかけた。このため2015年9月に同業の西原商会グループに事業を譲渡、当社は4月に存続期間の満了により解散し、現商号となっていた。負債総額は約140億円。
■6位道環コープさっぽろの関連会社 141億円
コープさっぽろの関連会社である(株)道環、コープ協同開発(株)、コープ協同不動産(株)の3社は、2月26日、札幌地裁に特別清算を申請した。負債は道環が約141億円、コープ協同開発が約87億円、コープ協同不動産が約43億円で、3社の負債合計は約271億円になる。3社で約30カ所の店舗など不動産をコープさっぽろに賃貸していたが、コープさっぽろの業績改善に伴い、バブル期に行ったグループでの不動産投資の損失を整理したもの。3社の負債はコープさっぽろに対するもので、コープさっぽろは引当を済ませている。
■5位関急不動産バブル崩壊後に事業縮小 150億円
不動産業の関急不動産は3月1日、大阪地裁から破産開始決定を受けた。バブル期には不動産売買を手掛けていたが、バブル崩壊以降は不動産賃貸・管理業へと事業を縮小すると同時に不動産の売却を随時進めてきた。2006年頃には事業を停止、多額の金融債務を残した状態で2008年12月に株主総会の決議により解散していた。負債総額は約150億円。
■4位エンタープライズ自由ケ丘大分市で大型団地など手がける 152億円
宅地造成・販売会社のエンタープライズ自由ケ丘は1月15日、大分地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。大分市松岡地区で1602区画の大型団地を手掛けていたが、販売開始から10年を経ても販売実績は約500区画にとどまり、地価下落のなか原価割れでの販売を強いられるなど厳しい運営が続いていた。負債総額は約152億円で、大分県内では史上7番目の規模となった。
■3位吉田ゴルフ開発ゴールデンパームカントリークラブなど運営 166.9億円
「ゴールデンパームカントリークラブ」を運営していた吉田ゴルフ開発は8月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。2005年3月期には6億689万円の売上高をあげていたが、以降はゴルフ人口の減少や市況低迷の影響を受け、2015年3月期の売上高は3億7996万円にまで落ち込んでいた。預託金約54億円を含めた負債総額は、債権者2094人に対して約166億8700万円。

■2位公益財団法人山梨県林業公社山梨県出資の三セク 261億円
山梨県の全額出資により設立された第三セクターの公益財団法人山梨県林業公社は7月15日、甲府地裁に民事再生法の適用を申請した。同公社は、個人では森林整備が困難な土地所有者に代わって人工林の造成や整備を行うほか、山村地域における就労の場も提供してきた。
しかし1980年以降は国産木材価格が低下する一方で労働単価の上昇等により経費が増大、借入金返済の見通しが立たなくなっていたことから、第三セクター等改革推進債を活用した民事再生手続による再生を選択したもの。負債総額は債権者15人に対して約261億2000万円。
■1位パナソニックプラズマディスプレイパナソニックの子会社 5000億円
パナソニックプラズマディスプレイは11月1日、大阪地裁へ特別清算を申請した。 2016年10月末現在の負債総額は、親会社であるパナソニック <6752> 1社に対する約5000億円。当社は2000年7月にパナソニックの出資により、地上波デジタル放送の高精細な映像を再現するプラズマディスプレイ事業を手掛ける目的で設立され、ピーク時の2009年3月期には売上高約3137億1400万円を計上していた。しかし、その後は液晶との競争激化や市場価格の大幅下落などの影響を受け、2014年3月期の売上高は約201億6700万円にまで落ち込んでいた。このため2014年3月末をもって事業活動を停止。以降は工場建物や生産設備などの資産の処分を進め、今回の措置となった。なおパナソニックは個別決算において、2016年3月期末現在関係会社株式評価損残高525億円を計上。将来の損失見積額についても、関係会社事業損失引当金4943億円を計上済み。今回の特別清算申請に伴い取立不能となることが見込まれる追加の損失57億円については、2017年3月期に計上予定だという。(ZUU online 編集部)
ZUU online / 2016年12月13日 6時40分